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「お客様は神様だろ!」と怒鳴られたレジで、後ろの女子高生が言った一言

  • 2026.9.28
ハウコレ

「神様は、レジで人を怒鳴らないと思います」。列の後ろから届いた声に、怒鳴っていた男性は口をつぐみました。私が気になったのは、その人の声の大きさではありませんでした。

レジに置かれた払込用紙の期限欄を、私は2度読み直しました。仕事帰りの客で列が伸びる、いつものコンビニです。ところがその日は、いつもの手順どおりに会計を進めることができませんでした。

期限を1日過ぎた払込用紙

男性が差し出したのは、高校の教材費の払込用紙でした。バーコードを読み込む前に日付を確認するのは、店で決められた手順です。期限欄の日付は、1日だけ過ぎていました。

「こちら、期限が昨日までになっておりまして。お受けできない決まりなんです」

そう伝えると、男性はカウンターに両手をついて身を乗り出しました。

「そんなの店で何とかしろよ」

できないことはできないと、頭を下げながら繰り返すしかありませんでした。後ろには制服姿の女子高生が並び、その後ろにも客が増え始めていました。

店の奥まで届いた声

声は店の奥まで届く大きさでした。

「お客様は神様だろ!」

男性は用紙をカウンターに叩きつけるように置き、もう一度同じ言葉を繰り返しました。私はレジの画面と用紙の間で視線を往復させながら、次にどの言葉を言えば収まるのかを探していました。

そのとき、列の後ろから声がしました。

「神様は、レジで人を怒鳴らないと思います」

女子高生でした。お茶のペットボトルを1本持ったまま、男性の背中に向かって、はっきりと言い切っていました。

男性は振り返って女子高生を見ると、用紙を掴んで鞄に押し込み、そのまま自動ドアを抜けていきました。

お茶1本だけの会計

女子高生はお茶をカウンターに置き、小銭を出して会計を済ませ、何事もなかったように店を出ていきました。ありがとうございましたと言う私の声のほうが、よほど小さかったと思います。

その後の客をさばきながら、私は用紙の期限欄と、それを掴んだ男性の手を思い出していました。用紙は角が折れて、何度も鞄から出し入れした跡がありました。怒鳴られた声の大きさより、その折れ目のほうが気になっている自分がいました。

そして...

翌日、同じ男性がレジに来ました。差し出したのは、新しい日付の入った払込用紙でした。

「昨日はすみませんでした」

それだけ言って、男性は頭を下げました。私は用紙を受け取り、いつもの手順どおりにバーコードを読み込みました。渡したレシートを、男性は両手で受け取って鞄にしまいました。折れ目のない、その1枚のことを今も覚えています。

(20代女性・コンビニ店員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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