1. トップ
  2. 「冷やしラーメンを頼んだら別の料理が」ではこれは何?北海道と内地で実は違う食べものに

「冷やしラーメンを頼んだら別の料理が」ではこれは何?北海道と内地で実は違う食べものに

  • 2026.9.25

みなさんが抱えている「なぜ?」「どうして?」を調査する、HBC「[もんすけ調査隊]」(https://www.hbc.co.jp/news/chousatai/)。
山形県からの旅行者を驚かせたのが「冷やしラーメン」。たっぷりの具材に、酸味の効いたタレが特徴です。

北海道民にとっては夏の定番の味ですが、依頼人が思い描いていたものとは大きく異なっていました。

ということで、今回の依頼は山形県山形市に住む60代の男性から。

「北海道旅行で冷やしラーメンを頼んだら別の料理が出てきました。どういうことなのか調べてください」

冷やしラーメンか、冷やし中華か

札幌市内の「三代目 月見軒本店」が提供する「冷やしラーメン」は進化系です。

きゅうりやハムなどおなじみの具材に、大根サラダがそびえ立つインパクト抜群の一杯で、味の決め手は醤油とゴマ、2種類のタレです。

Sitakke

白金久宗店主は「元々はオーソドックスだったが、少しずつ変わってきている」と明かします。
この店でも、山形からの客に驚かれたことがあるといいます。

「山形のお客さんから『冷やしラーメンって言ってるけれど、こんな感じなんだね』と言われたことがある」

実は、山形県で「冷やしラーメン」といえば冷たいスープがなみなみと注がれた「スープ麺」のこと。北海道の「冷やしラーメン」とは全くの別物です。

そして、ひとたび道外に出れば、北海道の夏の定番は「冷やし中華」と呼ばれています。

Sitakke

道民からは「小学生からずっと冷やしラーメン。冷やし中華とは言わない」「冷やしラーメンと言うほうが多い」といった声が聞かれますが…

なぜ北海道では「冷やしラーメン」、道外では「冷やし中華」と呼び名が異なるのでしょうか。

「中華そば」と呼ぶ文化がなかった北海道

Sitakke
直伝屋オーナーでラーメンコンシェルジュの大石敬さん

人気店のオーナーでラーメンコンシェルジュの大石 敬さんに理由をたずねました。すると…

「北海道では、ラーメンのことを『中華そば』と呼ぶ文化があまりなかったというのがひとつ」

東京などでは「町中華」が広まり、麺といえば「中華そば」が一般的でした。

一方、札幌では1922年に開業した『竹家食堂』が、メニューに「ラーメン」という名前を使い始めました。(『エピソード北区』より ※諸説あります)

その後、道内では「中華そば」ではなく「ラーメン」の呼び名が定着し、独自の食文化が育まれていきました。(『暮しの手帖32』より)

Sitakke

「ラーメンの麺を冷やしているので、馴染みのない『冷やし中華』よりも『冷やしラーメン』がいいんじゃないかと一般的になったと言われています。直伝屋は昔ながらの客が多いので、冷やし中華よりも冷やしラーメンの方がなじみ深い」

大石さんが手がける「冷やしラーメン」は、コシの強い縮れ麺に、極太チャーシュー、ふんわり錦糸卵をのせ、まろやかな醤油だれのうまみと酸味が絶妙な一杯です。

さらに、こんな説もあるといいます。

Sitakke

「北海道を拠点としている大手の食品メーカーが、スーパーマーケットに『冷しラーメン』という商品を提供し始めたことから、一般市民に広がった」

タレ型の「冷やしラーメン」は、ラーメン店から家庭の食卓へ広がり、道民の常識となっていきました。
ですが、その常識が専門店を悩ませています。

紛らわしくなっちゃう…

Sitakke
らーめん さかい 「冷た~いらーめん(醤油)」

「らーめんさかい」の堺 秀樹店主が差し出したのは、「冷たいラーメン」の醤油です。

レモンに糸唐辛子、浮かぶのは出汁でつくった氷。
麺もスープも器までキンキンに冷えている山形定番のスタイルですが、あえて『冷やし』とは呼ばず『冷たいラーメン』と呼びます。

「『冷やしラーメン』だと、どうしても『冷やし中華』と混同してしまってどっちがどっちだ?みたいに紛らわしいので」

地域によってタレ型だったりスープ型だったりして、呼び名も違う「冷やしラーメン」。

Sitakke
直伝屋「煮干しの冷製ダシソバ」

ラーメンコンシェルジュの大石さんの店「直伝屋」でも、冷たいスープで食べるメニューは「冷製ダシソバ」と表現されています。

しかし、呼び名をめぐる苦心が思わぬ進化を生んでいました。

「いろんなお店がいろんなスープ、いろんな出汁、いろんな味。いろんなラーメン職人が試行錯誤して取り組んでいるところ。今めちゃめちゃ盛り上がってきているのではないかと思います」

単なる道外式の真似ではなく、出汁氷や冷やしても美味しい具材・調理法など、枠にとらわれない「冷たいラーメン」が札幌の新名物となる日も近そうです。

「独自の文化がもっともっと広まって、札幌発の『冷たいラーメン文化』というふうになっていったらいいなと思います」

冷たい麺料理の呼び方は古今東西?

Sitakke

調査結果です。
北海道の「冷やしラーメン」は、道外では「冷やし中華」と呼ばれています。

そして道外で「冷やしラーメン」と言えば、汁たっぷりの山形名物のスープ麺のことを指しています。
このスープタイプの「冷やしラーメン」についてですが、山形では1952年から食べられていて70年以上の歴史を誇ります。

Sitakke

また、同じような冷たい麺料理であっても、地域によって呼び名は大きく異なります。全国一般的に「冷やし中華」と呼ばれる料理は、関西では「冷麺(れいめん)」、岩手県では「冷風麺(れいふうめん)」、中国では「涼拌麺(リャンバンメン)」と呼ばれています。

食文化や歴史的背景の違いが生んだ呼び名の多様性は、ご当地ならではの深い歴史を物語っています。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2026年8月27日)の情報に基づきます。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ