1. トップ
  2. エピソード
  3. 「お前の会社を潰すぞ」クレーム電話でエスカレートした客。震えながら保留にした私、上司が静かに告げた一言

「お前の会社を潰すぞ」クレーム電話でエスカレートした客。震えながら保留にした私、上司が静かに告げた一言

  • 2026.9.27

受話器の向こうで2度くり返された言葉

10年ほど前、通販会社の電話窓口で働いていたころの話です。

お客さまからの商品に関する問い合わせを受けるのが、私の仕事でした。

その日の午後、郵送した商品について男性から電話が入りました。名前と注文番号を確認している途中で、男性の声が急に大きくなりました。

「検品はちゃんとしてるのか。検品した人の名前を教えろ」

「申し訳ございません。担当者の名前はお伝えしておりません」

私は商品の状態を確認しようとしましたが、話を挟む余裕がありません。

「ちゃんと対応しないなら、口コミに書くぞ」

そして続けて、男性は言いました。

「お前の会社を潰すぞ」

一度だけではありません。少し間を置いたあと、同じ言葉をもう一度くり返されました。

手元のメモに書き留めようとしましたが、ペンを持つ指が震えていました。

「確認いたしますので、少々お待ちください」

そう伝えるのが精いっぱいで、私は保留ボタンを押しました。

上司が伝えた「録音しています」の一言

斜め後ろの席にいた上司へ、私は男性から言われた内容をそのまま伝えました。

上司は短くうなずくと、通話を引き継ぎました。

「お電話代わりました」

続けて、いつもと変わらない落ち着いた声で伝えました。

「この通話は、応対品質のため録音させていただいております」

私は隣でその言葉を聞きながら、握っていた手をゆっくり開きました。

「商品については、新しいものをお送りいたします。ただ、検品を担当した者の名前はお伝えしておりません」

さらに上司は、声を荒らげることなく続けました。

「先ほどのようなお言葉が続く場合は、お電話を終了させていただきます」

しばらく応対が続いたあと、通話は終了しました。

上司は受話器を置くと、私のほうを向きました。

「怖かったね。ちゃんと保留にしてくれてよかったよ」

その一言を聞いて、ようやく肩の力が抜けました。向かいの席の先輩も、こちらを見て小さくうなずいてくれました。

電話口では、どこまで一人で対応すればいいのか迷うことがあります。あのとき無理に受け答えを続けず、上司へ引き継いだことは、今でもよく覚えています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ