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「2026年 京都モダン建築祭」で見逃せない、一般非公開の名建築12

  • 2026.9.25
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2026年10月31日(土)から開催される「京都モダン建築祭」。「建築体験の密度を高める」をテーマに掲げる今回、過去最多となる61件の建築が、「パスポート公開」の対象となる。「建築祭パスポート」の提示により、通常非公開部分を含む限定空間を見学することができる本プログラムには、安藤忠雄が設計を手掛けた商業建築「TIME’S」や円筒が突き出す外観が印象的な「京つけもの西利 本店」など新規参加建築も含まれる。

本記事では、そのなかから必見の12件をピックアップ。気になる建築を見つけたら、いち早く公式サイトから公開日時など詳細をチェックしよう。

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京都ハリストス正教会

一般非公開エリア:1階聖堂内

「京都ハリストス正教会」は、ロシア・ビザンチン様式(ビザンチン帝国の建築伝統とロシア文化が融合したロシア正教会の建築・装飾様式)が採用された、日本最古の大型木造聖堂だ。

鐘楼を備えた端正な外観を見ながら内部に入ると、イコンで構成される聖障を中心とした荘厳な空間が広がる。ハリストス正教会(東方正教会の日本における名称)から提供された図面をもとに、京都を中心に活躍した建築家、松室重光が実施設計し、1901年に着工。1903年に成聖(落成)を迎えた。

日本における教会堂の建設経緯を知ることができる貴重な事例であることなどが評価され、2022年、国の重要文化財に指定された。

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京都ハリストス正教会
京都市中京区柳馬場通二条上る六丁目283

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TIME’S

一般非公開エリア:館内

安藤忠雄が設計し、1984年、三条小橋のたもとに建てられた商業建築。「京都モダン建築祭」新規参加建築だ。安藤は、川を“庭”として取り込み、京都の町家や路地に見られる空間構成を現代建築として再解釈。コンクリートの壁、階段、テラスを立体的に組み合わせ、三条通から川面、そして各店舗へと人々を導く。

建物内を歩いていると、店舗間を移動する動線のなかで視線の高さや川との距離が変化し、京都の路地、高瀬川、そして現代建築が連続するという、他にはない体験を味わうことができる。

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TIME’S
京都市中京区三条通河原町東入中島町92

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宮川町歌舞練場

一般非公開エリア:三ツ輪座、花心庵

花街・宮川町の文化と芸舞妓の技芸を継承する歌舞練場。大正時代に建てられ、「京おどり」の公演や稽古場として使われてきた旧歌舞練場を建て替え、2025年、地上3階、地下2階の「宮川町歌舞練場」として竣工した。建築デザインを監修したのは、隈研吾建築都市設計事務所だ。

建て替えでは、旧歌舞練場の象徴だった大屋根の形状を受け継ぎ、エントランスには、かつての唐破風(からはふ)屋根を復元。伝統的な町並みに調和する外観と、現代的な舞台・稽古機能のバランスが秀逸だ。

建築祭では、地下1階と地上1階を占める劇場「三ツ輪座」と、2階の催し会場「花心庵」を公開する。

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宮川町歌舞練場
京都市東山区宮川筋4丁目306

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石川ハウス(GK京都/旧京都アメリカン・センター)

一般非公開エリア:GK京都オフィス内一部、3階会議室

「旧京都アメリカンセンター」の名のもとで1972年に竣工し、戦後の日米文化交流を支え、1988年からはGK京都のオフィスとして、交流の場から創造の場へ——時代によって役割を変えてきた「石川ハウス」。

直方体をずらしながら重ねたような外観のモダニズム建築が、通りを行き交う人々の目をひきつける。内部はスキップフロアによる立体的な構成。エントランスホールを中心に大きな吹抜けが広がり、半階ずつずらした空間に、ラウンジや会議室、オフィスが連続し、北側の大きなカーテンウォールが日中を通して室内に自然光を取り込む。

2023年にはオフィスをフルリノベーション。歴史を重ねた建築を受け継ぎつつ、よりクリエイティブで開かれたオフィスへと再生した。

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石川ハウス(GK京都/旧京都アメリカン・センター)
京都市上京区今出川通烏丸東入上る相国寺門前町657 石川ハウス

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同志社女子大学 今出川キャンパス

一般非公開エリア:栄光館ファウラーチャペル、ジェームズ館

明治から昭和初期の学び舎が残る「同志社女子大学 今出川キャンパス」。建築祭で公開されるのは、それぞれ1914年と1932年に竣工した「ジェームズ館」と「栄光館」(写真)だ。ともに設計者は「関西建築界の父」と言われる武田五一。

同志社女子大学で最も歴史の長い「ジェームズ館」の外観は、レンガで覆った外壁の頂部まで洋風を基調としながら、屋根は和瓦の寄せ棟(屋根の一番高いところ、大棟から4方向へ斜面が降りていく形)が採用されている。「栄光館」はキャンパスのシンボル的建造物。約1600名を収容できる講堂にはカナダ・カサバン社製のパイプオルガンが設置され、ここで毎日の礼拝や行事が行われる。

両者の外観意匠や窓、内部の階段、礼拝空間などを見比べ、キャンパス建築の変遷を確認したい。

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同志社女子大学
京都市上京区今出川通寺町西入玄武町602-1

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京都水道会館

一般非公開エリア:3階講堂、外階段

京都の水道事業を支える施設として1966年に建てられた会館建築。鉄筋コンクリート造、地上3階建て。京都を拠点とする林建築設計事務所が設計を担当した。直線が反復される端正なファサードに対し、曲線を描きながら上下階をつなぐ螺旋階段が印象的だ。建築祭では、この階段と3階にある講堂を見学することができる。

会館としての機能を担う構造物でありながら、動線そのものに造形性を与えた構造に、戦後モダニズム建築らしい合理性とデザインの両立という試みを見て取ることができる。

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京都水道会館
京都市左京区岡崎円勝寺町1-11

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京都鉄道博物館

一般非公開エリア:旧二条駅舎貴賓室

「京都鉄道博物館」は、「梅小路機関車庫」(1914年築)と「旧二条駅舎」(1904年築)を保存・活用し、「交通科学博物館」の後継施設として2016年に開館。今回は「扇形車庫」と、移築された旧二条駅舎の「貴賓室」を公開する。

蒸気機関車が格納されている「扇形車庫」は、国内に現存する最大規模かつ最古の鉄筋コンクリート造機関車庫。設計を手掛けたのは、のちに「綿業会館」や「ダイビル本館」などを設計する建築家の渡辺節だ。中央にある転車台(車両の方向を変えるための機械)を起点に、線路と車庫を放射状に配置し、蒸気機関車を効率よく収容・整備する格納庫の迫力は圧巻。レンガ造の壁、鉄骨架構、連続する大開口に、当時鉄道院の技師として活躍していた渡辺らしい合理性と力強い造形を確認することができる。

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京都鉄道博物館
京都市下京区観喜寺町

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大江能楽堂

一般非公開エリア:能楽堂内

1908年に建てられた、現存する京都市最古の能楽堂。表通りに面した、2階建ての楽屋・住居部分は、第二次世界大戦中の(空襲による火災の延焼を防ぐ目的で建築物が強制的に取り壊された)強制疎開の対象となったが、舞台・見所部分は残存。今も現役だ。

「大江能楽堂」は創建以来、観世流の名門、大江家に受け継がれ、京都の能楽文化を支えてきた。その設計は、採光のために設けた高窓から自然光が入る珍しいもの。畳敷きの桟敷席や、円山派の画家、国井応陽による鏡板の松など、明治期の能楽堂の姿を今に伝える意匠や空間が随所に残されている。

大江能楽堂
京都市中京区押小路通富小路東入る

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京都教育文化センター

一般非公開エリア:ロビー、ホール

住居学の視点から建築を問い続けた、建築家で建築学者、都市計画家でもあった西山夘三(にしやまうぞう)が設計し、1964年に竣工した、文化と教育のための公共施設。地上5階、塔屋2階建て。建築祭では、ホールと1階のロビーを公開する。

西山は、360名着席のホールや、1階から3階に入る大小の会議室を機能ごとに並べるのではなく、さまざまな人々が集い、出会い、関係を育てる場として全体を構想した。わかりやすい動線や、ロビーをはじめとする共用空間がゆるやかにつながる構成には、日常の延長としての建築を重視した、その思想が息づいている。

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京都教育文化センター
京都市左京区聖護院川原町4-13

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京つけもの西利 本店

一般非公開エリア:応接室

プロダクトデザイナーで建築家の若林広幸が手掛けた「京つけもの西利本店」も、新規参加建築だ。地上5階、地下2階建て、竣工は1990年。大屋根から円筒が突き出す大胆な外観が、伝統的な景観が広がる西本願寺エリアのなかで目を引く。

今回は、その円筒内部に設けられた「応接室」を特別公開。来客を迎える場にふさわしい落ち着きを備えつつ、曲面を生かした空間構成や壁一面を覆う窓から飛び込む景色などにより、独自の雰囲気が漂う。若林はまた、家具や照明、壁・天井のディテールに至るまでを一体的にデザイン。建築を通して表現された企業文化やもてなしの姿勢を読み取りたい。

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京つけもの西利 本店
京都市下京区堀川通七条上る西本願寺前

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学芸出版社ビル(タイルギャラリー京都)

一般非公開エリア:2階学芸出版社ライブラリー、3階会議室、タイルギャラリー京都、4階屋上

建築・都市分野の専門出版社の社屋として建築家の吉村篤一が設計し、1995年に竣工したオフィスビル。内外ともにコンクリート打ち放しのモダン建築だ。2017年には、みささぎ一級建築士事務所が改修。断熱補強を施すとともにオフィスの動線を明確にし、造作家具を加えた。パスポート公開では、オフィスとしての合理的な構成に重ねられた、素材や細部への配慮に目を凝らしたい。

館内の「タイルギャラリー京都」は、多彩なタイルに触れ、素材、色、技法から比較できる体幹型ギャラリー。建築祭ではこちらも見学することができる。

学芸出版社ビル(タイルギャラリー京都)
京都市下京区木津屋橋通西洞院東入

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京都丸太町教会

一般非公開エリア:礼拝堂、小礼拝室

日本の現代教会建築を牽引した建築家、岩井要による設計のもと、1995年に竣工。十字架を掲げたモダンな尖塔が目を引く。2つの礼拝堂と、ホール、会議室、こども図書館などで構成。コンクリート造の堅牢な躯体を持ちつつも、内部では扉や長椅子、フランス人オルガンビルダー、マルク・ガルニエが手掛けたパイプオルガンなどがもたらす木の質感が、落ち着きのある礼拝空間をつくり上げている。

祭壇へ向かう明確な軸線、祭壇と会衆席の距離、ガラス造形家の三浦啓子によるステンドグラスを通して降り注ぐ自然光、音響が計算された空間構成などから、現代教会建築の特徴を確認することができる。

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京都丸太町教会
京都市左京区丸太町通川端東入る東丸太町24-2

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