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「時間制限なんて書いてない」4時間仕事する常連客に、店員の私が返した言葉

  • 2026.9.25
ハウコレ

混雑時90分の札は、あの日を境に置くようになりました。表示のなかった店で起きたやりとりを、店員の立場から振り返ります。

2杯目のカップを持って窓側の席へ向かいながら、開いたノートパソコンの数を数えました。

表示のない店で起きていたこと

駅前のカフェで店員として働いて5年になります。店には無料の通信と各席のコンセントがあり、時間制限の表示はありません。オープン当初、ゆっくり過ごしてほしいという店長の考えで置いたものです。そのころは席が余っていました。今は違います。混み合う時間になると、窓側の席はパソコンを開いた人で埋まり、入口で店内を見回してから出ていく人が1日に何人もいます。その日も、扉の内側に2人が立っていました。窓側の一番奥の女性は、週に3日ほど来る常連で、いつも2杯頼み、通話もしません。マナーの悪い客ではないと、私も分かっていました。それでも、席に着いたのは4時間前でした。

線を決めていなかった店

2杯目を運んだとき、私は利用時間について声をかけました。女性は、追加注文もしていること、そして「時間制限なんて書いてない」ことを挙げました。どちらも事実です。こちらが明確なルールを示していない以上、そう返されることも分かっていました。それでも、混んでいる時間に4時間席を使われれば、入れずに帰る人が出ます。私は「書いていないから何時間でもいい、ということでもないと思っています」と伝えました。すると女性が聞きました。「じゃあ、読書でも友達とのおしゃべりでも、4時間いたら同じように声をかけるんですか?」何をしているかを問題にしたことは、一度もありません。だから、その問いには迷わずに答えられました。「混んでいる時間なら、同じです」女性はそこでパソコンを閉じました。私はトレーを両手で持ち直し、失礼しましたと頭を下げて下がりました。女性は2杯目に手をつけず、荷物をまとめて帰りました。それきり、その人は来ていません。

札を置いたあとで

閉店後、店長に報告しました。お客様を1人失った経緯として、ではなく、店として何を伝えるかを決めていない問題として。店長は数日考え、混雑時90分の札をテーブルごとに置くことに決めました。通信と電源はそのまま残しています。札を置いてから、以前ほど入口で引き返す人を見なくなりました。あの人の言い分は、今でも半分は正しいと思っています。店が線を引かず、席の使い方を客のマナーだけに預けていたのは、こちらの怠慢でした。書かなければ伝わらないことを、察してほしいと願うのは筋が通りません。ただ、席が限られている以上、書いていないから何時間でもいいという考えにも、私は今もうなずけません。カフェは何をする場所かではなく、限られた席を入れ替わりで使う場所だと思っているからです。

そして...

今は窓側の一番奥にも、ほかの席と同じ混雑時90分の札があります。誰が座っても、私が数えなくても、同じ線が見えるようになりました。

(30代男性・カフェ店員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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