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「まるで奈良公園」札幌に現れるシカの群れ…10年後には大通公園に普通にいる状態に?

  • 2026.9.23

札幌の住宅街や都市部に出没し、交通事故などのトラブルを引き起こす「アーバンディア(都会のシカ)」。
警戒心が薄れ、人となじむシカの最新生態と、10年後の未来を見据えて私たちがとるべき対応を徹底取材しました。

ここは奈良公園?

8月の札幌市西区西野の住宅街。
公園内に6頭のエゾシカがいました。

ときには、道路に飛び出すことも…都会で過ごすシカ「アーバンディア」です。

札幌市南区の真駒内公園にもたくさんのシカ…

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真駒内公園・8月13日(視聴者提供)

撮影した人は「ここは奈良公園か?と一瞬錯覚しました」と言います。

専門家も「別に驚く光景ではなくなってきたというのがこの10年」と話すほど札幌で増えているアーバンディア。

シカはなぜ、コンクリートジャングルに?その生態を取材しました。

警察も出動…四苦八苦

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札幌市西区西野の住宅街に現れたエゾシカの群れ。6頭すべてオスです。

比較的若い個体とみられ、ツノは春に生え変わった柔らかい「袋角」から、硬く鋭いツノに変化する途中です。

現場は、地下鉄宮の沢駅から南に約800メートルの住宅街。近くには小学校や中学校、病院、観光名所の「白い恋人パーク」もあります。
手稲山の方向から川を伝って、下りてきたとみられます。

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札幌市環境共生担当課の朝倉卓也係長は「シカを行かせたい場所は、そこを上っていくか、次の隣の場所。まっすぐ行くと小学校に行ってしまうので、向こうに職員1人が入って、シカにこの斜面を上らせる」と誘導します。

現場の先には幹線道路で交通量が多い「旧5号線」や公共施設があり、これ以上の進入を止めなくてはなりません。

警察に出動を要請し、一時的に交通を規制。
市の職員が、群れを手稲山の方向に追いやる作戦です。

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すると…シカたちは一斉に駆け出し、山につながる森に去っていきました。

朝倉係長は「これがさらに市街地の真ん中で、生息する緑地がない場合、夕方を過ぎて夜の交通量が少なくなったときに、シカ自身で移動して、もといた場所に戻ってもらうしかない」と説明します。

自ら帰るのを待つしか…

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7月の札幌市中央区。道立近代美術館の敷地の中にもエゾシカが出没。少なくとも5時間以上その場を動きませんでした。

札幌市内ではこうしたシカの出没や目撃情報が相次いでいます。
車との衝突事故も年々増えていて、2024年には200件を超えました。

市街地にシカが出没した場合、「麻酔銃」の使用は法律で禁止されていて、至近距離で撃つ「吹き矢」を使うか、自ら山に帰るのを待つことしかできません。

ここ数年はクマの出没も重なり、マンパワーが限られる市は対応に苦慮しています。

なぜ街へ?専門家が語る「独特の地形」と警戒心の薄れ

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「アーバンディア」は、なぜ増えているのか。
酪農学園大学 環境共生学類の立木靖之准教授は「札幌が持つ豊かな自然と、独特の地形に要因がある」と分析します。

「札幌は川が多いので、河畔林や緑地を伝ってきていると推測されます。街の中に『岬状』に森林が突き出している場所が多い。シカが街に出てきて住宅の雑草や公園の草を食べて休んで反芻して、街の中に餌を食べに来ていると考える」

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中心部に川が流れ、緑が多い札幌は、シカにとって餌場にアクセスしやすい「過ごしやすい環境」になっていると指摘します。

「人間がシカを追い払ったり、いやな思いをさせないので『安全な場所』で『ここは怖くない』と思うようになると、餌の魅力の方が重くなって警戒心が軽くなっている。このまま何も手を打たないと、大通公園などにシカが普通にいるという状態になるだろうと思っている」

共生の難しさと10年後のリスク

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札幌の恵まれた自然環境は、市民にとっても野生動物にとっても居心地が良いのかもしれません。それだけに難しい問題です。

HBCテレビ「今日ドキッ!」のスタジオでもこの問題について自らの体験談が話されました。

コメンテーターの鶴岡慎也さんは「ゴルフが趣味なので、朝早く行くと札幌近郊は林が多くてシカがサッと出てくる」と話します。

「何回もぶつかりそうになったことがあるので、今はもう自分が気をつけて走っていますね。ゴルフ場の近くに出るんだったら良いですけど、やっぱり大通公園とか出始めたら本当にまずいと思う」

川があったり、緑地が街の中に入り組んでいたりする場所は確かにありますよね。
では北海道内にシカは今どれくらい生息しているのか、数字を確認してみます。

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現在73万頭と推定されています。
そのうち、札幌を含む石狩・胆振・日高地方は合わせて22万頭で、ここ数年は横ばいで推移しています。

ただ、酪農学園大学の立木靖之准教授は「シカの側が人に抱く警戒心がどんどん弱くなっている。このまま何も対策しなければ、10年後には大通公園にシカが普通にいる状態になりかねない」と指摘しています。

手稲山や札幌圏では「まだ個体数を管理できる段階」と見ていて、今後増えるままにするのか、あるいは減らすならどんな対策をとっていくのか、行政と地域住民で話し合いながら対応していくことが必要だと話しています。

もし駆除をしていなかったら、特にエゾシカは繁殖力が高いと言われていますので、もっと増えていることになります。
駆除することについても市民の皆さんと理解を深めていって、どうしていくのか話し合いの場を持つことが重要です。

立木准教授によりますと、シカは「こちらから威嚇しない限り、人を襲うことはない」ということです。
もし市街地でシカを見かけたときは、近づいたり騒いだりしないで、冷静に見守って110番通報するか、近くの区役所へ連絡をしてください。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2026年8月24日)の情報に基づきます。

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