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「昨日はもっと安かっただろ」コンビニで声を荒らげた男性。だが、店長が商品棚で確認した表示

  • 2026.9.24

昼前のレジで始まった20円の話

三十代の私は、その日、昼休みより少し早く会社の近くのコンビニへ寄った。

店内はそこそこ混んでいて、レジには3〜4人が並んでいた。私は飲み物と昼食を手に、列の二番目に立った。

前にいたのは、五十代くらいの男性だった。若い女性の店員さんが商品を読み取ると、男性はレジの画面をのぞき込み、眉をひそめた。

「あれ?ちょっと待って。これ、昨日こんな値段じゃなかったよね?」

店員さんは画面を確認した。

「はい。こちらの商品は、今日から価格が変わっているんです」

「今日から?昨日より20円も高いじゃないか」

「申し訳ありません。今日からはこちらの価格になっていまして…」

すると男性は、カウンターに手をついて少し身を乗り出した。

「いや、急に変わったら分からないじゃないか」

「売り場の表示も今日の価格に変わっているのですが…」

「だから、客にはちゃんとわかりやすいようにしてくれよ」

声が店内に響き、後ろに並んでいた人たちが気まずそうに視線をそらした。

店員さんは何度か説明しようとしていたが、レジ袋を開こうとする指先が少し震えているのが見えた。

店長が示した現在の価格

「もういいよ。責任者の人、呼んでくれる?」

男性は苛立った様子で言った。やり取りが始まってから、すでに4分ほどたっていた。

私は口を挟むか迷ったが、店に入るときに見た貼り紙を思い出した。

「すみません。入口の横にも、価格が変わる商品があるってお知らせが出ていましたよ」

男性が振り返った。

「え?」

「私も入るときに見ただけですけど…」

私の後ろにいた女性も「ああ、ありましたね」と小さくうなずいた。

男性は一瞬黙ったものの、「でも、もっと分かりやすくしてくれないと」と不満そうにつぶやいた。

そこへ奥から店長が出てきた。

「お待たせしました。どうされましたか?」

「これ、昨日より20円高いんですよ。急に値段が変わってたら分からないでしょう」

「こちらの商品ですね。確認します」

店長はまず入口の案内を確認し、それからレジのすぐ横にある商品棚へ移った。列にいた私からも見える距離だった。

店長は商品の前にある値札を指した。

「こちらが現在の販売価格です。本日から変更になっています」

男性も値札をのぞき込んだ。

「でも、昨日までは安かったんだろ?」

「はい。昨日までは以前の価格でした。ただ、今日からはこちらの価格になります」

店長は声を荒らげず、ゆっくり答えた。

男性はしばらく値札を見ていたが、やがて小さく息を吐いた。

「…分かったよ。じゃあ、それでいい」

レジへ戻ると、男性は財布からお金を出して会計を済ませ、そのまま店を出ていった。

店長は若い店員さんに声をかけた。

「大丈夫?説明はちゃんとできてたからね」

「はい……ありがとうございます」

店員さんはほっとしたように息を吐いた。

私の会計が終わると、店員さんは申し訳なさそうに頭を下げた。

「お待たせして、すみませんでした」

「いえ、大丈夫ですよ」

そう返すと、店員さんは少しだけ表情を緩めた。

止まっていた列が、また静かに前へ進み始めた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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