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「口がヒリヒリする…」“熱い料理を食べたせい”と放置した50代女性→2ヶ月後、歯医者を受診すると…判明した“意外な原因”とは?

  • 2026.10.28
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。歯科医師の鷹巣多紀です。

口の中がヒリヒリすると、直前に食べた熱い料理のせいだと思うことはありませんか。しみる物を避けて食事ができていれば、歯医者へ行くほどではないと感じるかもしれません。

今回は、頬の内側の白い線と痛みをやけどだと思い込み、友人との食事まで断るようになった55歳女性のお話です。

 やけどだと思っていた痛みが、会食を断るほどに

55歳の女性Aさんは、頬の内側に白い線とヒリヒリする痛みがあることに気づきました。熱い料理を食べた覚えがあり、粘膜を傷つけただけだと考えたのです。

酸っぱい物や香辛料を避けると、あまりしみない日もありました。そのたびに治ったと思い、歯医者の予約を見送ってしまいます。ところが、白い線は残り、普通のおかずでも痛むようになりました。

友人に食事へ誘われても、何が出るか分からず断ることが増えます。料理を楽しむどころか、一口ごとにしみないか気にする毎日です。

誘いを断るたびに、友人と過ごす時間まで減ったことを残念に思いました。気づいたときから2ヶ月ほどたち、Aさんはようやく歯医者へ相談します。

診察で見つかったのは、両側の頬に広がる白い網目状の変化と赤みでした。紹介された歯科口腔外科で、粘膜の一部を採って顕微鏡で調べる検査も受けることになったのです。診察と検査の結果を合わせて、口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)と診断されました。

 口腔扁平苔癬は、よくある口内炎とどう違う?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

口腔扁平苔癬は、口の粘膜に慢性的な炎症が起きる病気です。免疫の働きが関わるものの、発症の仕組みはまだ十分には分かっていません。頬の内側などが白い網目状になり、赤みやびらん(粘膜の表面がただれた状態)を伴うと、食べ物がしみたり、触れると痛んだりします。なお、この白い線や模様は粘膜そのものの変化であるため、汚れだと思って歯ブラシやガーゼでこすり落とそうとしてはいけません。粘膜がめくれて潰瘍になり、激痛や悪化の原因になります。

よくある小さな口内炎は、通常1〜2週間ほどで改善します。一方、この病気では症状が軽くなったり、再び強くなったりするため、痛みが弱い日も粘膜の変化が残ることがあるのです。

ただし、白い線があれば口腔扁平苔癬とは限りません。似た変化を示す別の病気や、薬などに関連する病変もあり、見た目だけでは区別が難しい場合があります。

診察では口全体を見て、白い変化の広がりや左右の違い、歯や詰め物が触れる位置を確認します。使っている薬や、いつからどこがしみるのかも伝えてください。

診断は、診察所見と組織検査の結果を合わせて判断するのが原則です。ただし、白い線がある人すべてにすぐ検査を行うわけではなく、病変の状態に応じて採る場所や時期を決めます。

 痛みが軽くなっても経過観察が必要な理由

治療の目標は、痛みや炎症を抑え、食事への支障を減らすことです。症状に応じて炎症を抑える塗り薬などを使い、口の清掃や、粘膜を刺激する要因にも対応します。(※市販の口内炎薬を自己判断で漫然と使い続けると、カビ(カンジダ菌)が増殖して悪化することがあるため、長引く場合は必ず歯科を受診してください)

Aさんも治療を始め、しみる料理や食事量の変化を再診時に伝えるようになりました。痛みが軽い日も、粘膜の状態を確認していく方針です。

「食べ物を避ければ済むと思っていました。友人との食事まで断る前に、相談すればよかったです」と振り返ります。

この病気は症状が再び強くなることがあり、まれにがんが生じることもあるため、症状が軽くなったあとも自己判断で通院をやめず、定期的な経過観察が必要です。痛みの有無だけでなく、粘膜の変化も診てもらいましょう。

口の白い変化や痛みが長引いたら

Aさんが悔やんだのは、白い線や痛みを放置し、友人との食事まで断るようになったことでした。しみない物を選んで食べられても、口の中の異変が治ったとは限りません。

白い変化や痛みが2週間を超えて続く場合は、歯医者や歯科口腔外科へ相談してください。食事に困るほどしみるなら、その日数を待つ必要はありません。

「痛まない日もあったが、白い線は残っていた」「食べられる物が減ってきた」という経過も、診察の手掛かりになります。受診後も痛みの強さだけで判断せず、粘膜の変化を診てもらいましょう。


執筆・監修:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。

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