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「糸が通らない…」歯の間にフロスが入らない56歳男性Bさん→“歯ブラシだけでよい”放置したところ…3年後、判明した“口の中の変化”

  • 2026.10.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!歯科医師の鷹巣多紀です。

歯と歯の間を掃除しようとして、フロス(歯間を清掃する糸)が途中で止まったことはありませんか。ブリッジのある場所では、ほかの歯と同じように糸が通らず、戸惑うことがあります。

今回は、ブリッジを歯ブラシだけで磨いていた男性のお話です。

 つながった場所は、歯ブラシだけでよいと思っていた

56歳の男性Bさんは、失った奥歯を補うためにブリッジを入れていました。ブリッジとは人工歯と、支えになる歯のかぶせ物がつながった、固定式の装置です。

普通のフロスを噛む面から下へ通そうとしても、連結部分で止まります。男性は「ここは糸が通らないのだから、歯ブラシだけでよい」と考え、3年間そのまま磨いていました。

受診のきっかけは、同じ場所から出血するようになったことです。食後の違和感も続き、歯医者で清掃状態を確認してもらいました。

すると、人工歯の下と、支えの歯の周囲に歯垢(細菌を含む汚れ)が残っていました。表から歯ブラシを当てていても、届いていない部分があったのです。

 人工歯の下と、支えの歯の境目は別々に確認

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

一般的なブリッジは、歯を失った部分に人工歯を置き、隣の歯を支えにして固定します。人工歯には根がありませんが、その下には歯茎があり、形によっては清掃具を通せるすき間が残っています。

上からフロスが入らないのは、隣り合う部分が装置でつながっているためです。通らないから清掃しなくてよい、という意味ではありません。

人工歯自体が虫歯になることはありませんが、支えている自分の歯は別です。かぶせ物と歯の境目に歯垢が残れば虫歯の原因になり、周囲の歯茎にも炎症が起こり得ます。

出血があるときは、人工歯の下の汚れだけでなく、支えの歯や歯茎の状態も確認します。歯周病や装置の合い方なども関係するため、「磨き残しだけ」と自分で決めつけないことが大切です。

 糸は横から通す方法も ただし、すき間に合わせて

人工歯の下には、糸通しを使ってフロスを頬側や舌側から通す方法があります。ブリッジ専用で先端が硬く加工されたフロスなども使われ、通したあとに人工歯の底や支えの歯の周囲を清掃する仕組みです。

糸をすき間に通しただけでは、歯の表面に付いた汚れを落とせないことがあります。支えの歯の側面に糸を沿わせる動きなど、どこに当てて動かすのかまで確認することが必要です。

すき間があれば、歯間ブラシが適する場合もあります。ただし、すべての場所に同じ太さが合うわけではなく、ブリッジの形や歯茎とのすき間に応じた道具選びが必要です。

小さければよい、大きければよく磨ける、という選び方ではありません。ブラシの毛が歯の面に触れ、無理なく出し入れできるサイズや方向を、実際のすき間に合わせて教わりましょう。

太い歯間ブラシを押し込んだり、フロスを歯茎へ強く食い込ませたりしないでください。通しにくいときは力を加えず、歯医者で入口となる位置と、合うサイズを確認しましょう。

男性も、鏡を見ながら道具を入れる場所を教わり、その場で自分の手で練習しました。普段の歯ブラシに加え、人工歯の下と支えの歯の境目を清掃する方法が分かったのです。

説明を聞いて分かったつもりでも、自宅では入口が見つからないことがあります。普段使っている道具を持参し、「ここから先に入らない」と実際の動きを見てもらうと、つまずいている場所を相談しやすいでしょう。

歯ブラシで磨くことに加えて、歯と歯の間の清掃も毎日行うのが基本です。出血が気になるからといって歯茎を強くこすらず、今の磨き方を続けてよいかも歯医者で確認してください。

道具の名前より、自分の口で使えるかを確認

ブリッジの清掃で迷ったら、「人工歯の下はどこから磨くのか」「支えの歯の境目は届いているか」と尋ねてください。道具を紹介してもらうだけでなく、自分で通すところを見てもらうと、力加減も確認できます。

出血が続く、食べ物が詰まる、においや違和感が変わったときは、受診時にその場所を伝えましょう。ブリッジを長く使うためには、見える面を磨くことに加え、自分では見えにくい場所の清掃も続ける必要があります。


執筆・監修:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。
歯科医師ママkiki|note: https://share.google/uUYsDiSMnkNKZCrOw X: https://x.com/kikimama0405 

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