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「そのうち治るだろう」“おへその膿”を放置した20代女性Aさん→次第に熱が出始め病院へ…医師から告げられた“意外な病名”とは?

  • 2026.10.14
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。泌尿器科専門医の小内友紀子です。

「おへそが少しじゅくじゅくするけれど、絆創膏を貼っておけば大丈夫」

忙しい毎日のなかで、小さな体の不調は後回しになりがちです。おへそのトラブルは「汚れがたまっただけ」と考える方も多いかもしれません。でも、おへその奥には、生まれる前の名残が隠れていることがあります。

今回は、おへそから膿が出る症状をしばらく放っていた結果、「尿膜管膿瘍(にょうまくかん・のうよう)」と診断された女性のエピソードをご紹介します。

※本エピソードは複数の患者さんの経験をもとに再構成した架空のものです。特定の個人を指すものではありません。

絆創膏でしのいでいた、おへその膿

23歳の女性、Aさんは、社会人2年目。仕事が忙しく、平日はほとんど自由な時間がありません。

最近、おへそから黄色っぽい膿が出たり、ズキッと痛んだりすることが増えていました。気にはなりつつも、病院に行く時間がとれず、絆創膏を貼ってなんとかしのいでいたそうです。

「そのうち治るだろうと思っていました」

ところが、おへそのまわりは次第に赤く腫れ、痛みも我慢できないほどに。ついには熱まで出てきました。電話で様子を聞いたお母さんに「それ、絶対におかしいよ。すぐ病院に行って」と強く言われ、ようやく受診されました。

最初にかかった病院で、Aさんは泌尿器科を案内されます。「おへそなのに泌尿器科?」と、不思議に思ったそうです。

尿膜管とは? 誰にでもあるの?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

検査の結果、診断は「尿膜管膿瘍」でした。

「尿膜管というのは、お母さんのお腹の中にいたとき、膀胱とおへそをつないでいた管なんです」

医師はそう説明しました。尿膜管は、胎児のころには誰にでもある器官です。ふつうは生まれるまでに自然に閉じ、ひものような組織になります。ところが、人によってはこの管が一部閉じきらずに残ることがあり、これを「尿膜管遺残(いざん)」と呼びます。

残った尿膜管に細菌が入り込むと炎症が起き、膿がたまることがあります。これが尿膜管膿瘍です。膀胱とつながる管なので、泌尿器科が担当することが多いのです。

主な症状は、おへそからの膿や出血、おへそのまわりの痛みや腫れ、発熱など。子どもから若い世代の大人まで、幅広い年代でみられます。おへその汚れや、ただの湿疹と区別がつきにくいこともあります。

点滴の治療で回復。でも、注意は続く

Aさんは入院し、抗生物質の点滴による治療を受けました。幸い炎症は順調におさまり、膿も出なくなって、数日で退院することができました。

ただし、尿膜管そのものが体に残っている限り、炎症を繰り返す可能性があります。症状がひどい場合や再発を繰り返す場合には、残った尿膜管を手術で取り除くこともあります。また、まれではありますが、残った尿膜管に腫瘍ができることもあると説明を受けました。

「おへそにも、ちゃんと理由があったんですね」

Aさんは今後、体調の変化に気をつけながら過ごし、症状が出たら早めに受診することになりました。お母さんからは「次は我慢しないでね」と、しっかり念を押されたそうです。

おへその膿や痛みは、早めに受診を

おへそから膿が出る、赤く腫れて痛む、熱が出る——こうした症状は、単なる汚れではなく、体の奥の炎症のサインかもしれません。

自分で強くこすったり、絆創膏でふさいだまま放置したりせず、早めに医療機関を受診してください。おへそは、生まれる前の自分とつながっていた、大切な場所でもあるのです。

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