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朝ドラで“昭和の大スター役”を熱演「出てたんだ!」「誰かと思った」役者の道を経て“異色”のキャリアを築いた俳優

  • 2026.10.8
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片岡信和 (C)SANKEI

再放送中の朝ドラ『ひよっこ』で、昭和の大スター“キョウ様”こと海老原京介を演じているのは、約20年前に『炎神戦隊ゴーオンジャー』で本格的にデビューした片岡信和だ。現在は大幅にキャリアチェンジし、『羽鳥慎一モーニングショー』などでお天気キャスターを務める。SNS上では「出てたんだ!」「誰かと思った」「スターっぷりがすごい」と驚きの声も。短い登場で芸能界の華やかさを体現した役柄を振り返りながら、戦隊俳優から気象予報士へと進んだ異色の歩みをたどる。

※以下本文には放送内容が含まれます。

テレビ局に現れた昭和の大スター“キョウ様”

2017年度前期に放送されたNHK連続テレビ小説『ひよっこ』は、東京オリンピックを目前に控えた1964年から始まる青春群像劇だ。

主人公は、茨城県の農村で育った谷田部みね子(有村架純)。東京で失踪した父・実(沢村一樹)を捜すため、集団就職で上京するところから物語が動いていく。トランジスタラジオ工場・向島電機で働き、乙女寮の仲間たちと支え合いながら成長していく姿が、なんとも微笑ましい。

片岡が演じたのは、“キョウ様”の愛称で親しまれる人気俳優。王子様のような甘いルックスと華やかなオーラが印象的で、女性たちを夢中にさせる昭和の大スターとして登場する。

初登場は第32回。女優を目指すみね子の幼なじみ・助川時子(佐久間由衣)が、NHK放送会館を訪れた際に姿を見せた。茨城から上京し、憧れていた芸能界への一歩を踏み出した時子にとって、テレビの向こう側にいたスターが生身の存在として、目の前に現れた瞬間でもあった。

第39回、第40回では、テレビ局のオーディションに挑む時子に付き添い、みね子もNHKへ。そこで二人は、女性ファンに熱狂的に取り囲まれるキョウ様と遭遇する。

乙女寮の仲間たちが、みね子に石原裕次郎や高倉健など、お目当てのスターのサインを頼むやりとりも微笑ましい。当時の映画俳優や歌手は、地方から上京して懸命に働く若者たちに、煌びやかな夢を与えてくれる存在だった。キョウ様もまた、時代の希望や華やぎを凝縮した象徴のようなキャラクターだったのである。

高身長と端正な容姿、堂々とした振る舞いによって、姿を見せた瞬間に周囲の空気を変えたキョウ様。詳しい説明なしでも人気俳優だと信じさせる説得力が、片岡自身に備わっていた。

2019年放送の続編『ひよっこ2』にも再登場。短い出演ながら、キョウ様は昭和の芸能界を彩る忘れがたいアクセントとなった。

ゴーオンブルーから朝ドラへ

現在はお天気キャスターとして活躍の場を移している片岡。しかし、俳優としてのキャリアは長い。大学3年生の頃に芸能界入りし、2008年のスーパー戦隊シリーズ『炎神戦隊ゴーオンジャー』で、本格的なデビューを果たした。

演じたのは、知識が豊富で冷静、仲間の食事も作るチームのまとめ役・香坂連/ゴーオンブルー。穏やかな雰囲気の奥に強い正義感を秘めるキャラクターは、片岡の知的で爽やかな魅力とよく合っていた。

作品を通じて子どもたちや親世代の人気を集めた後は、『京都地検の女』や『広域警察』シリーズなどに出演。真面目な若手刑事役をはじめ、昼ドラ『新・牡丹と薔薇』や舞台でも経験を積んだ。

俳優業にとどまらず、作詞・作曲、ピアノ演奏を自身で手がけたミニアルバム『birth』でCDデビューするなど、音楽の才能も発揮している。

『ひよっこ』のキョウ様は、そんな片岡の華やかなルックスと、俳優として培った所作を最大限に生かした配役だったのだろう。セリフや出演時間が限られていても、視線や立ち姿だけで人物の格を表現する。カメオ出演に近い登場ながら、本物のスターが通り過ぎたような余韻を残した。

俳優の表現力を、天気予報へ

なぜ、俳優や歌手として着実に経験を積んでいた片岡が、お天気キャスターに転身したのか。そのきっかけとして、毎年のように発生する自然災害があった。俳優活動をしながらも、彼の心には、人々の生活に直接役立つ存在になりたいという思いが去来するように。

基礎を学び直し、約2年間、1500時間に及ぶ猛勉強の末、2019年に難関の気象予報士試験へ合格した。さらに防災士などの資格も取得し、単に天気を伝えるだけでなく、災害から命を守るための知識を深めていった。

2020年からは『羽鳥慎一モーニングショー』のお天気キャスターを担当。コロナ禍の運動不足を解消するために自ら提案した『お天気ストレッチ』は、番組の名物となった。短時間でできるユニークな動きを、明るい笑顔とともに紹介する姿が支持され、書籍化もされている。

『有働Times』では、得意のピアノを取り入れた天気予報も披露。朝は体を動かして元気を届け、夜は音楽とともに穏やかに情報を伝える。番組の時間帯や視聴者に合わせ、見せ方を変えられるのは、俳優として積み重ねてきた経験があるからだろう。

俳優と気象予報士は、まったく異なる仕事に見える。しかし、限られた時間で視聴者の注意を引き、必要な情報や感情を分かりやすく届ける点では、共通しているのかもしれない。

こうして見ると、片岡は俳優の仕事に嫌気が差して道を変えたというよりは、演じる力に専門知識を重ね、自分にしかできない仕事を作り上げたように見える。たとえ活動の形が変わったとしても、その根底には“人の役に立ちたい”という衝動が根付いていることが、自然と視聴者に伝わってくるからだ。


連続テレビ小説『ひよっこ』毎週月曜〜金曜 午後0時30分放送
NHK ONE(新NHKプラス)見逃し配信中・過去回はNHKオンデマンドで配信

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