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70代男性「昔の友人の住所を教えてほしい」警察官「教えられません」→しかし…男性が友人と再会できたワケ

  • 2026.10.4
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

警察には事件や事故だけでなく、さまざまな相談が寄せられます。

私が警察官として勤務していた時には、「昔の友人に会いたいので、住所を教えてほしい」と70代の男性が交番を訪れたことがありました。

しかし、いくら友人だと説明されても、警察が把握している第三者の住所を簡単に教えることはできません。

そこで筆者が取ったのは、住所を教えずに2人を引き合わせる方法でした。

実際にあった事例を紹介します。

15時頃、70代の男性が交番を訪問

話を聞くと、男性は昔の友人に会うため、遠方からこの地域までやって来たとのこと。

しかし、友人が近くに住んでいることは分かっているものの、詳しい住所までは分からないといいます。

さらに、現在の電話番号などの連絡先も知りませんでした。

そこで男性は、

「警察で調べて、友人の住所を教えてほしい」

という趣旨の相談をしてきたのです。

確かに、男性の話だけを聞けば「久しぶりに昔の友人と再会したい」という相談です。

しかし、だからといって警察が把握している第三者の住所などの個人情報を、本人の了承なく簡単に教えることはできません。

なぜ住所を教えられない?

例えば、交番を訪れた人が、

「昔からの友人です」
「親しい知人です」

と説明していたとしても、その言葉だけで本当に本人と親しい関係なのかを判断することは困難です。

仮に第三者の住所を安易に教えてしまえば、その情報が悪用される可能性もあります。

例えば、相手につきまとっている人物などが知人を装って住所を聞き出せば、その後のストーカー行為などにつながることも考えられます。

住所は、その人の生活拠点に直接つながる重要な個人情報です。

そのため、「知り合いだと言っているから」という理由だけで第三者へ伝えるわけにはいかないのです。

そこで筆者は、男性へ友人の氏名などを尋ね、所定の確認を行うことにしました。

住所は教えず、本人へ連絡

相談者には待機してもらい、筆者は確認できた連絡先へ、相談者から離れた場所で警察から電話をかけました。

そして、

「あなたの知人だという男性が交番を訪れています」

という趣旨の説明をしました。

すると相手は、交番に来ている70代男性が実際に昔の知人であることを認めました。

これで2人が知人であること、そして近々会う約束していたことは確認できました。

しかし、ここでも男性へ友人の住所を直接教えたわけではありません。

相手本人に事情を説明し、交番まで来てもらうことにしたのです。

その後、友人が交番を訪れ、2人は無事に合流することができました。

結果として男性へ友人の住所を伝えることなく、昔の友人との再会につなげることができたのです。

個人情報を守ることも防犯につながる

今回の70代男性に悪意があったわけではありません。

純粋に昔の友人と会うために遠方から訪れ、住所が分からず困って交番へ相談に来たものでした。

しかし、警察側が相談者の話だけを信用して個人情報を教えてしまうわけにはいきません。

もし本当は知人ではなかったらどうでしょうか。

住所を知られた本人が望んでいない訪問を受けたり、ストーカーなどの犯罪に情報を悪用されたりする可能性も考えられます。

今回の事例では、男性へ住所を教えるのではなく、まず相手本人へ連絡。

本人が男性を知っていることを確認した上で、交番まで来てもらうことで、個人情報を伝えずに2人を引き合わせることができました。

「相手の住所を知りたい」という側だけでなく、「自分の住所を誰に知られるのか」という側の立場も考える必要があるのです。

善意の相談に見える場合でも、個人情報を守ることは重要です。

「誰が聞いているか」だけでなく、「その情報を知られた本人はどう感じるか」という視点を持つことも、防犯につながるのではないでしょうか。


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