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「節約できるのでは」ハイオク指定の輸入車にレギュラーを給油し続けて…20代男性の愛車を襲った“異変”

  • 2026.10.5
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

クルマは購入時の車両代だけでなく保険料や税金、燃料代など、その後もさまざまな維持費がかかります。これらは決して安価ではなく、「少しでも安く抑えたい」と考えたとき、毎回の給油で気になるのがガソリン代ではないでしょうか。

Hさん(20代・男性)も、中古の輸入車を購入したあと、維持費を少しでも抑えたいと考えていました。そこで指定されていたハイオクではなく、レギュラーガソリンを入れ始めたところ、しばらくしてクルマに異変が起こります。

「普通に走るから大丈夫」と考えたHさん

Hさんが購入したのは、以前から欲しかった中古の輸入車でした。

念願のクルマを手に入れたものの、購入後は保険料やメンテナンスなど、さまざまな出費が重なり、維持することに不安を覚え始めたそうです。なかでも、気になったのが日常的にかかる燃料代です。

Hさんのクルマはハイオク指定でしたが、ハイオクはレギュラーより価格が高くなります。

「レギュラーなら少し節約できるのではないか」

そう考え、あるときレギュラーガソリンを給油してみることに。すると、給油後もクルマは普通に走り、エンジンが止まることもなく、走行に大きな変化も感じませんでした。

そのためHさんは、「レギュラーでも問題ないのかもしれない」と判断。その後もレギュラーを入れ続けるようになりました。

ところが、しばらくするとエンジンから普段とは違う音が聞こえるようになったのです。

なぜレギュラーでノッキングが起きるのか

Hさんのクルマに起きた異変を理解するために、知っておきたいのが「オクタン価」です。

オクタン価とは、ガソリンのノッキングの起こりにくさを示す数値です。数字が高いほど、圧縮された状態でも異常な自己着火が起こりにくくなります。日本のJIS規格では、レギュラーがオクタン価89以上、ハイオクが96以上とされています。

エンジンは、ガソリンと空気を混ぜた混合気を圧縮してから点火し、その燃焼によって力を取り出しています。

高性能なエンジンは、より大きな力を得るために混合気を高く圧縮する設計を採用しています。そのため、オクタン価が不足した燃料を使うと、点火プラグで燃やす前に混合気の一部が異常燃焼するのです。ノッキングが起こると、金属音のような音が出たり、エンジンの力が十分に発揮できなくなったりします。

ただ、現在のクルマには、ノッキングを検知して点火時期を調整する制御が備わっているものも多く、ハイオク仕様車に一度レギュラーを入れただけで、すぐにエンジンが壊れるというものではありません。

だからこそ、「普通に走れたから問題ない」と判断しないことが大切です。

輸入車で指定燃料の確認が特に重要な理由

輸入車で注意が必要な背景には、燃料の規格の違いもあります。

欧州では、日本のレギュラーより高いオクタン価のガソリンが一般的に販売されています。

たとえば、ドイツではオクタン価の高いRON95やRON98が販売されており、こうした地域で設計されたエンジンが日本ではハイオク指定になるのです。輸入車だからハイオクという単純な話ではありませんが、輸入車を購入したときには、そのクルマが日本でどの燃料を指定しているのかを確認しておきましょう。

一方、国産車でもハイオク指定の車種はあり、ハイオク仕様の国産車にレギュラーを入れた場合も、ノッキングや性能低下が起こる可能性があります。つまり、国産車ならレギュラーでも大丈夫、輸入車なら必ずダメ、という区別ではありません。

大切なのは、メーカーがそのクルマに指定している燃料を使うことです。

給油前に指定燃料を確認する

その後、Hさんのクルマを点検したところ、ハイオクを指定されているにもかかわらずレギュラーガソリンを継続して使用していたことが、不調の一因と考えられました。幸い大きな修理には至らず、その後は指定されているハイオクを給油するようになりました。

Hさんとしては、少しでも維持費を抑えたいという気持ちだったようです。しかし、燃料代を節約しても、クルマの不調につながれば、節約の意味がありません。給油するときは、価格だけで燃料を選ぶのではなく、まず自分のクルマが何を指定しているのかを確認しましょう。そして、指定を知りながら「少し安いから」「普通に走るから」と自己判断で異なる燃料を入れるのは禁物です。

一般的に、ガソリンの種類は給油口のフタの裏側や取扱説明書などに記載されています。中古車を購入した場合は、販売店に確認しておくと安心です。

クルマは購入したあとにも、燃料代や保険料、税金、車検、メンテナンス費用などがかかります。

安く買うだけではなく、無理なく維持できるかまで考えてクルマを選ぶ。

そして、毎日の給油でも「少し安いから」という理由だけで判断せず、クルマが指定する燃料を使うことが、長く安心して乗るための基本といえるでしょう。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年勤務。 損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。 現場経験をもとに、ユーザー視点でわかりやすい情報発信を行っています。


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