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「親友の紹介だから大丈夫」29歳男性がCX-5を現車確認せず約233万円で購入…納車直前の“大誤算”

  • 2026.10.3
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

「親友の紹介だから大丈夫」と、憧れのマツダ CX-5を現車確認せずに中古で購入した29歳男性のAさん。約233万円で念願の愛車を手に入れたはずが、納車直前に想定外の事態が発生し、一時的に親からお金を借りることに。

なぜ彼は実車を見ずに決断してしまったのでしょうか。筆者が伺ったお話から、初めての車選びで気をつけたいポイントと、少しほろ苦いエピソードをご紹介します。

学生時代の憧れと「親友の紹介」という安心感

筆者が今回お話を伺ったのは、現在29歳のAさんです。彼にとってマツダのCX-5は単なる移動手段ではなく、専門学校時代から特別な存在だったそうです。当時、先輩の車に乗せてもらい一緒に海へ出かけた経験があり、洗練された外装の美しさや落ち着いた車内の雰囲気にすっかり魅了されてしまったと語ってくれました。その日から、いつか絶対にこの車を自分のマイカーとして迎え入れるのだと、心の中で決めていたといいます。

そして2022年になり、ついに念願のマイカーを購入できる状況が訪れました。そこで販売会社を紹介してくれたのは、彼が心から信頼している親友でした。ただ、その販売会社は山口県にあり、Aさんは大阪府に住んでいました。本来であれば現地へ足を運んで実車を確認するべきところですが、距離の壁もあって販売会社とはスマートフォンのメッセージアプリのみでやり取りを進めることになります。

送られてきた外装や内装の写真を見て、Aさんはすっかり満足してしまったそうです。もし見知らぬ会社であればもっと慎重になっていたはずですが、親友の紹介という安心感が警戒心を大きく下げてしまったのかもしれません。憧れの車を早く手に入れたいという思いと、身近な人からの紹介という安心感が重なり合い、Aさんは一度も実車を見ることなく約233万円での購入を決断しました。初めての大きな買い物に対する高揚感が、少しばかり彼から冷静さを奪ってしまっていたのだと思われます。

納車目前の大誤算と早く乗りたい気持ちが招いた痛手

契約も無事に進み、あとは納車の連絡を待つばかりとなりました。しかし、そんな矢先に事態は思わぬ方向へ動いていきます。いよいよ納車が目前に迫ったタイミングで、販売会社から「タイヤ交換をしないと納車ができない」という趣旨の連絡が入ったそうです。

事前に送られてきた写真や担当者とのやり取りの中では、タイヤの劣化状態や交換の必要性についてはいっさい触れられていませんでした。通常であれば、なぜ事前の説明がなかったのか、本当に今すぐ交換が必要なのかと冷静に問いただす場面かもしれません。しかし、初めてのマイカーをもうすぐ手にできるという高揚感の真っ只中にいたAさんは、とにかく早く愛車に乗りたいという気持ちを優先してしまい、その場でタイヤ交換を依頼してしまったのです。

結果として、タイヤ交換やその他の費用を含める形で、約20万円を追加で支払うことになりました。ただでさえ約233万円の車両代金で資金に余裕がなかったところに、この想定外の出費はAさんにとって非常に大きな痛手だったはずです。最終的に彼は、両親から一時的にお金を借りてしのぐことになります。あと少しで憧れの車に乗れるという喜びの裏で、いきなり20万円もの大誤算がAさんを襲う形となりました。

自走での納車と胸の奥に残った小さな疑問

そしてついに、待ちに待った納車の日を迎えます。販売会社の担当者は、なんと山口県から大阪府までCX-5を自走して届けてくれたそうです。目の前に現れたピカピカの愛車を見た瞬間、これまでの不安や焦りは吹き飛び、Aさんは歓喜してその日のうちにドライブへ出かけたといいます。長年の夢が叶った瞬間の喜びは、きっと何物にも代えがたいものだったのでしょう。

一方で、後になって冷静に振り返ると、ちょっとした疑問が頭をよぎったそうです。タイヤを新品に交換したからこそ安全に大阪まで自走できたのだと頭では理解しつつも、「自走して届けるくらいなら、元のタイヤのままキャリアカーなどで運んでもらって、大阪の馴染みのお店でゆっくり交換してもよかったのではないか」「そもそも本当に事前の交換が納車の絶対条件だったのだろうか」と、少し不思議な気持ちになったと当時の違和感を語ってくれました。

少しモヤモヤする状況ではあったものの、Aさんが強く抗議することはなかったようです。なぜなら、その販売会社は心から信頼する親友から紹介されたお店だったからです。親友の紹介だからこそ安心して契約できた一方で、親友の顔に泥を塗るかもしれないと思うと、複雑な気持ちを飲み込むしかなかったのだと推測されます。知人の紹介という言葉が持つ、少し悩ましい人間模様が浮き彫りになった瞬間でもありました。

苦い経験から得た教訓と今も変わらぬ愛車への思い

このほろ苦い経験を通して、Aさんは自身の車選びについて大きな教訓を得たそうです。それは、次に中古車を買うときは必ず自分の目で現車を確認するという決意です。写真だけでは外装の細かな傷や内装の質感、そしてタイヤなどの消耗品の状態までは正確に把握することが難しいと言えます。

憧れの車を目の前にするとつい冷静な判断ができなくなってしまうこともあるため、知人の紹介であっても確認すべきことは自分でしっかり確認しなければならないと、彼は深く実感していました。なお、2023年10月に中古車の「支払総額表示」が義務化されました。これにより現在は、納車に必須の整備費用を、支払総額に含めずに別途請求することは、公正競争規約違反となります。

とはいえ、この物語は単なる後悔だけで終わるわけではありません。購入から数年が経った現在も、AさんはそのCX-5を大切に乗り続けています。当時のドタバタ劇を思い出すことはあっても、この車を買ったこと自体への後悔はまったくないと笑顔で語ってくれました。買い方には少し反省が残るものの、乗り続けている最大の理由は「やっぱりいつ見てもかっこいいから」だそうです。

初めての愛車選びで経験した20万円の大誤算すらも、今となっては憧れの車を手に入れた時の忘れられない思い出としてAさんの胸に刻まれています。買った車を間違えたのではなく、知人の紹介であっても費用の透明性をしっかり確認するという、買い方に少し反省点があっただけなのだと、この温かいエピソードから私自身も学ばせていただきました。

車は単なる乗り物ではなく、購入に至るまでの過程も含めて、かけがえのない思い出になっていくのだと感じます。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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