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飛行機内で、乗客「触るな!」隣同士の乗客がトラブルに…→CAが駆けつけて発覚した思いがけない“トラブルの原因”とは…

  • 2026.10.8
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出典:photoAC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。大手航空会社で10年間、CAとして勤務しておりましたSAKURAです。

飛行機という限られた空間の中で、座席と座席の間にある「空席」は、両側にお座りのお客様にとって時として微妙なテリトリーになり得ます。

「自分だけの快適な空間を守りたい」という想いがある一方で、些細なことが思わぬトラブルの引き金になることも度々あるのです。

今回は、そんな真ん中の空席を巡って起きたトラブルをご紹介します。

一見「マナー違反」のように見えた行動の裏には、声に出せないお客様の「焦り」が隠れていました。

「これを触るな!」暗闇の中で響き渡った声

それは、国際線のエコノミークラスでの出来事でした。

三席並んだ座席の両端にそれぞれ男性のA様とB様が搭乗され、真ん中の一席は空席となっていました。

お食事サービスの後、機内の照明が落とされて静かな時間が訪れた頃、突然その静寂を破る声が聞こえてきたのです。

「これを触るな!」「眩しいんだよ!」

機内に響き渡る怒りのこもった声に、私は急いで声のする方へと向かいました。

するとA様が、強い口調で「さっきから隣の人が真ん中のモニターを触っていて眩しい。それに二つもモニターを使うなんておかしいじゃないか!」とおっしゃったのです。

A様にとっては「真ん中の空席」という貴重な境界線に他人が介入してきたことで、自分の領域を侵されたような、快適な時間を邪魔されたような気持ちになっていたのでしょう。

一方、B様はモニターを触る手を引っ込め、気まずそうに下を向かれていました。

「マナー違反」のように見えてしまった行動の裏にあった真相

私はまず、A様の不快感に寄り添いお詫びをお伝えしました。

そして気まずそうに小さくなっているB様の様子から、何かに困っているのではないかと察した私は、A様側の通路からB様側へ移動し、静かに声をかけました。

「B様、何かお困りでしょうか」

するとB様は、今にも消え入りそうな声でこう打ち明けられたのです。

「すみません……自分の画面を触っていたらフリーズしてしまって。自分が壊してしまったかもしれないと思ったら、弁償になるのが怖くて。それで隣の画面を使ってしまっていたんです」

B様のモニターを確認すると、確かに画面が固まったまま操作ができなくなっていました。

「不安から誰にも相談できず、一人でパニックになられていたんだ」 

そう察した私は、B様が声をかけやすい雰囲気をつくれていなかったことを申し訳なく思いました。

双方に戻った穏やかな時間

私はすぐに、B様にこうお伝えしました。

「B様が壊されたわけではなく、システムの不具合の可能性がございます。すぐに確認いたします。ご不便をおかけし、申し訳ございません」

そしてシステムを操作すると、モニターは無事に元に戻りました。

B様はホッとした表情を見せ、緊張の糸が一気にほぐれたようでした。

その後、私はA様の元へ向かい、角が立たないよう配慮しながらこれまでの経緯をお伝えしました。

事情を理解してくださったA様は「そうだったんだね。僕も言い過ぎてしまって悪かったよ」と、表情を和らげ、B様にも笑顔を向け、和解のきっかけをつくってくださいました。

こうして双方の誤解と不安が解け、機内には再び穏やかな時間が戻ったのです。

表面的な部分だけで判断しない

人は焦ると、普段はしないような行動をしてしまうものです。

そんなとき表面的な部分だけで判断せず、その奥にある「不安」や「焦り」に寄り添うこと。

それはお客様にリラックスしてお過ごしいただくために大切なことなのだと、この出来事から教わりました。


ライター:SAKURA * 心を読む元国際線CA

日系大手航空会社にて10年間、客室乗務員(CA)として勤務。国内線・国際線を経験し、多種多様なお客様と接する中で「感情を読み解く力」を磨く。客室責任者としてVIP対応や後輩育成に携わる傍ら、社内の人材教育やグループ会社での業務にも携わり、多角的な視点から接客のあり方を見つめてきた。

現在は、その鋭い洞察力を活かし、言葉だけでない、「心理的・物理的アプローチによるクレーム回避術」を発信するライターとして活動中。国内線での細やかな気配りから国際線での難しい状況判断まで、現場での実体験に基づいた「心に届く接客のヒント」を言語化し、接客業にとどまらず、人と人とがよりよい関係を築けるサポートをしている。


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