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「一体なぜ…」亡き父の口座から“3年で1,500万円”が引き出されていて…40代姉妹が調べて発覚した“驚きの使い道”【税理士は見た】

  • 2026.9.29
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!税理士・元国税調査官の神崎遊です。

相続の手続きにおいて、故人の生前の資金動向を完全に把握することは容易ではありません。ご家族に知らせずに運用・使用していた資金があると、相続税の申告時に混乱が生じる場合があります。

今回は、故人の口座から過去3年間で計1,500万円の出金があり、その使途の確認に追われた40代姉妹の実例をご紹介します。

過去の通帳確認で発覚した「1,500万円の出金」

相談に来られた45歳のFさん(仮名)からの依頼を受け、相続税申告に向けた準備を進めていました。

しかし、遺産に漏れがないかを確認するために故人の預金通帳を過去数年分にわたり確認していたときに「おや?」と思う出金があったのです。

「毎年、12月に500万円が出金されていますね。3年間あわせて1,500万円にもなりますけど、何に使っているかわかりますか?」

「一体なぜなのか…父からは聞いたこともありません」

Fさんに確認したところ、生前のお父様からそうした資金の使い道について聞いたことは一切ないとのことでした。

使途不明金が相続税に与える影響

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

遺産のすべてを把握することは容易ではありません。

しかも、相続税は、相続の開始があったことを知った日(通常は死亡日)の翌日から10か月以内が申告期限です。

その期限を過ぎてしまうと、延滞税や加算税が課される場合があるので期限内にすべての財産を申告することが大切です。

財産がどれだけあるか不明だと、申告が不要となる基礎控除内におさまるかどうかも分かりません。

Fさんのケースのように故人が生前、多額の預金を引き出すケースは少なくありません。問題となるのは、別の口座に移したりタンス預金として保管されており、亡くなった時点で相続財産として残っているケースです。

手帳に残された手がかりと出金の真相

Fさんは妹と協力し、実家で領収書や手帳などの資料の確認を進めました。

その結果、お父様の手帳に複数の児童養護施設の名称と連絡先が書き留められているのを発見します。

姉妹が各施設へ確認を取ったところ、お父様は毎年12月、子どもたちのクリスマスプレゼント費用などとして、複数の施設へ直接寄付を続けていたことが判明しました。

1か月後、Fさん姉妹が再び相談に訪れました。

「先生、お金の使い道がわかりました。児童養護施設を運営する社会福祉法人に寄付していたんです」
「話してくれてもよかったのにね」

1,500万円の税務上の取り扱い

お金の使い道がわかって安心したFさんでしたが、もうひとつ気になることがありました。

「先生、この1,500万円にも相続税がかかるんですか?」

生前に使用され、死亡時点で手元に残っていなかった1,500万円は、相続財産には含まれません。

今回のケースでは、確認された遺産総額は約3,800万円でした。法定相続人は姉妹2人であるため、基礎控除額は4,200万円(3,000万円 + 600万円 × 2人)となります。使途が確認できたことで、遺産総額は基礎控除内に収まり、相続税の申告および納税は不要であることが確定しました。

もし1,500万円がタンス預金等として手元に残っていた場合、遺産総額は約5,300万円となり、基礎控除を超えて課税対象となっていたケースです。

なお、お父様は生前、これらの寄付についてご自身で確定申告を行い、寄附金控除の手続きも適切に済ませていたことが併せて確認できました。

不明な出金履歴は放置しない

相続において、「預金から引き出されている=相続財産ではない」と安易に判断することは危険です。

多額の出金履歴がある場合は、手帳や領収書などの生活形跡から実態を丁寧に辿ることが求められます。

申告漏れや加算税のリスクを防ぐだけでなく、本件のように故人の生前の活動や想いを正確に知るきっかけとなることもあります。


執筆:税理士・元国税調査官 神崎遊

国税組織で12年間勤務し、法人税調査を中心に200件以上の税務調査に従事。現在は「ゆとり税務会計」を運営し、中小企業・個人事業主の税務支援を行っている。

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