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「一体なぜ?!」退職金1,500万とiDeCo500万を同年に受け取った60歳女性、どちらも非課税のはずが…明細を見て“驚いたワケ”

  • 2026.9.28
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

今回ご紹介するのは、定年退職の年に、退職金とiDeCoの資産をまとめて受け取った60代女性Aさんの体験談です。どちらも非課税で済むと思っていたAさんが、明細を見て気づいた誤算とは。

定年退職の年に、退職金とiDeCoをまとめて受け取った

Aさんは60歳。夫と二人暮らしで、子供はいません。35年勤めた会社を定年退職し、そのまま完全にリタイアすることにしました。

受け取ったのは、退職金1,500万円と、45歳から15年間積み立ててきたiDeCoの資産500万円。どちらも一時金として、同じ年に受け取りました。

Aさんは事前に、退職所得控除について調べていました。勤続35年なら、800万円に20年を超える15年分の70万円ずつを加えて、1,850万円までは税金がかからない計算です。iDeCoについても、加入期間15年なら40万円×15年で600万円の控除が使えると考えていました。

「退職金1,500万円は1,850万円の枠内、iDeCoの500万円も600万円の枠内。どちらも非課税で受け取れるはず」
Aさんはそう理解していました。

明細を見ると、税金が引かれていた

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ところが、実際に受け取った明細を確認すると、所得税と住民税が差し引かれていました。合計で11万円ほどです。

「一体なぜ?!どちらも控除の範囲内のはずなのに、税金がかかっている…」

不思議に思ったAさんは、資産運用の相談で窓口を訪れた際、この話を担当者にしてみました。

担当者からは、退職金とiDeCoの一時金を同じ年に受け取った場合、それぞれの控除を別々に使えるわけではないという説明がありました。会社の勤続期間とiDeCoの加入期間が重なっている部分については、控除の計算から除かれる仕組みになっているというのです。

Aさんの場合、iDeCoに加入していた15年間は、すべて会社に勤めていた期間と重なっていました。そのため、使える退職所得控除は勤続35年分の1,850万円のみ。受け取った合計2,000万円との差額150万円が課税対象となり、その2分の1にあたる75万円に対して所得税と住民税がかかっていたのです。

「別々の制度だから、控除も別々に使えると思い込んでいました」Aさんはそう驚いた様子でした。

受け取る時期をずらす方法も、今は難しくなっている

担当者からは、こうした場合に受け取る時期をずらすという考え方があることも紹介されました。ただし、2026年1月からルールが変わり、以前より調整の対象になる期間が長くなっています。

iDeCoを先に受け取ってから退職金を受け取る場合、退職金を受け取る年の前年以前9年以内にiDeCoの一時金を受け取っていると、重複期間の調整が行われます。実務上、10年以上の間隔を空ける必要があるため「10年ルール」と呼ばれています。逆に退職金を先に受け取る場合は、前年以前19年以内が対象となるため、20年以上空ける必要があります。

「60歳でiDeCoを受け取って、65歳で退職金というパターンも、間隔が5年しかないので調整の対象になります」
そう説明を受けたAさんは、時期をずらすのは現実的に難しいと感じたといいます。担当者からは、一時金ではなく年金形式で受け取れば公的年金等控除の対象になるため、そちらを検討する方法もあると案内されました。ただし、実際にどの受け取り方が有利かは、公的年金の額や他の所得によって変わるため、税務署や税理士に確認したほうが確実だとのことでした。

退職金とiDeCoを受け取る前に確認しておきたいこと

Aさんのように、退職所得控除の仕組みを誤解していると、想定していなかった税負担が生じることがあります。以下の点を押さえておきましょう。

  • 同じ年に受け取ると、重複期間は控除から除かれる
  • 勤続期間とiDeCoの加入期間が重なっていれば調整の対象になる
  • 2026年1月から「5年ルール」が「10年ルール」に変わった
  • iDeCoを先に受け取る場合は10年以上空ける必要がある
  • 退職金を先に受け取る場合は20年以上空ける必要がある
  • 一時金ではなく年金形式で受け取る選択肢もある
  • 有利な受け取り方は他の所得によって変わるため専門家に確認する


「別々の制度だから控除も別々」と思い込む前に、勤続期間と加入期間が重なっていないかを確認しておくことが、想定外の税負担を避ける第一歩です。退職金とiDeCoの受け取り方で迷ったときは、所轄の税務署や税理士に相談してみてください。


参考:
No.2732 退職手当等に対する源泉徴収(国税庁)

執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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