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「そんな…」病院代12万・薬代3万を申請しようとした50代女性、両方控除を受けられるはずが…確定申告で知った“想定外の事実”

  • 2026.10.2
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、家計・資産形成・相続など、お金に関するご相談をお受けしている、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

家族の通院が増えた年には、病院の領収書だけでなく、ドラッグストアのレシートも確定申告に使えることがあります。

ただし、「病院代は医療費控除、市販薬はセルフメディケーション税制」と分ければ、両方の控除を受けられるわけではありません。同じ年分では、どちらか片方を選びます。

今回は、医療関係の支出が合計15万円になった50代女性のケースを見ていきます。

「レシートを2種類に分けても控除は2つ使えない」50代女性が気づいた誤算

会社員のKさん(仮名)は52歳。夫と高校生の娘と暮らしています。総所得金額等は200万円以上です。

翌年2月、Kさんは確定申告に向けて、前年の領収書を整理していました。

夫は春から腰痛に悩まされ、整形外科で検査や治療を受けています。通院は数カ月に及び、診察料のほか、処方薬の代金もかかりました。

夏には夫の歯科治療も始まります。娘も秋に高熱を出し、別の日には腹痛で受診しました。

家族3人分を集計すると、医療機関や歯科などに支払った額は約12万円です。

Kさんは、支払いのたびに領収書をファイルへ入れていました。医療費が10万円を超えれば、確定申告で控除を受けられると考えていたためです。

一方、軽い不調では市販薬も使っていました。夫の鎮痛薬、Kさんの頭痛薬、娘の風邪薬、家族用の胃腸薬などです。

薬局のレシートを確認すると、セルフメディケーション税制の対象となる市販薬の購入額は、年間約3万円でした。レシートには、対象医薬品であることを示す記載があります。

Kさんは勤務先の定期健康診断を受けており、セルフメディケーション税制に必要な「一定の取組」の要件も満たしていました。

そこで、病院などに払った12万円から10万円を引き、通常の医療費控除は2万円と計算します。

市販薬については、3万円から1万2,000円を除いた1万8,000円が、セルフメディケーション税制の控除額です。

「2万円と1万8,000円で、合計3万8,000円を所得から引ける」

Kさんはそう判断し、領収書とレシートを別々にまとめていたそうです。

しかし、申告方法を調べると、この2つは併用できないことが分かります。支払先や費用の種類が違っていても、同じ年分で選べる制度は一方のみです。

「そんな…」

Kさんは、市販薬3万円を通常の医療費控除に含められるか確認しました。

購入した市販薬は、いずれも病気やけがの治療に使うためのものです。そのため、病院や歯科に支払った12万円と、市販薬代3万円を合算して計算できました。なお、今回の医療費を補う保険金や給付金は受け取っていません。

通常の医療費控除では、合計15万円から10万円を差し引くため、控除額は5万円です。

一方、セルフメディケーション税制を選ぶ場合は、市販薬代3万円から1万2,000円を差し引き、控除額は1万8,000円になります。

2つを比べると、通常の医療費控除の方が、所得から差し引ける金額は3万2,000円多くなるのが分かったのです。

薬局で買ったかではなく、使用目的で判断する

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

今回の事例では、購入金額の3万円が対象になりましたが、市販薬のすべてが、通常の医療費控除に使えるわけではありません。

対象になり得るのは、病気やけがを治療するために購入した薬です。健康づくりや予防のみを目的とする商品は含まれません。

また、セルフメディケーション税制の対象品目は変更されることがあります。レシートの表示だけでなく、申告する年の最新一覧も確認しましょう。

先に制度を決めず、家族分を一度まとめる

通常の医療費控除では、自分に加え、生計を一にする家族のために負担した医療費も計算に入れられます。

医療費から、それに対応する保険金や給付金を除き、原則10万円を差し引きます。総所得金額等が200万円未満なら、差し引く金額は総所得金額等の5%です。

セルフメディケーション税制では、対象品目の購入費から1万2,000円を引きます。控除額の上限は8万8,000円です。

なお、控除額と実際に戻る税金は同額ではありません。所得から控除額を差し引き、税額を計算し直す制度だからです。

一方を適用した後で、もう一方へ変更することもできません。申告前に医療費と治療用の市販薬代を集計し、2通りの控除額を比べてから判断しましょう。

※事例はプライバシー保護のため、内容を一部変更しています。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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