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修学旅行を引率する先生、宿泊費は“自腹”? 元教員が明かす「本番より負担だった」意外な費用

  • 2026.10.8
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出典元: photoAC(画像はイメージです)

学校生活の大きな行事のひとつである修学旅行。児童・生徒にとって楽しみなイベントである一方、教員は引率者として数日間にわたって同行し、子どもたちの安全を見守ります。

そんななか、SNSでは「修学旅行を引率する先生の宿泊費は誰が払っているの?」「先生も自腹で参加している?」といった疑問の声も。児童・生徒の旅行費用については保護者が負担するのが一般的ですが、仕事として同行する先生の宿泊費や交通費、食費などがどのように扱われているのか、知らない人も多いのではないでしょうか。

では、修学旅行を引率する教員は、実際にどのような費用を負担しているのでしょうか。宿泊費や交通費の扱いから、意外なところで発生していた自己負担まで、元公立小学校教員の風間千歌さんに詳しくお話を伺いました。

修学旅行を引率する先生、宿泊費や交通費は「自腹」なの?

---先生が修学旅行に引率する際、宿泊費や交通費などは自分で支払うのでしょうか? 実際に引率された際の費用負担について教えてください。

風間千歌さん:

「自治体によって旅費の規定や扱いには違いがあると思いますが、私が公立小学校の教員として、小学6年生の修学旅行を引率した際には、交通費や宿泊費などを教員が全額自腹で負担することはありませんでした。

ただし、最初から学校や自治体が旅行会社へ直接支払う形ではなく、私の場合は事前に数万円をいったん自分で振り込む必要がありました。その後、修学旅行終了後に精算され、給与とあわせて旅費として支給される形で返ってきました。

1泊2日の修学旅行でしたが、私自身が負担したのは、当日のお弁当代として差し引かれた1,000円程度だったと記憶しています。それ以外の宿泊費や交通費などについては、基本的に支給されました。

SNSなどでは『修学旅行の引率費用を教員が自腹で支払った』という声を目にすることもあり、私は少し驚いています。修学旅行は、教員にとって家族旅行のように楽しむことを目的としたものではありません。子どもたちの安全を確保しながら、学びのある行事になるよう指導・支援するという、あくまで職務の一環です。

そのため、食事代など一部に自己負担が生じるケースはあるとしても、宿泊費や交通費など、業務上必要となる費用まで教員が負担することには違和感があります。少なくとも、私が勤務していた学校では『修学旅行だから教員も自腹』という扱いではありませんでした。」

「お弁当代」は自己負担だった…学校行事の費用はどこまで支給される?

---修学旅行の費用負担は、学校や自治体によって異なるのでしょうか? また、宿泊費や交通費以外に、先生が自分で支払うことのある費用について教えてください。

風間千歌さん:

「公立と私立では仕組みが異なる場合がありますし、公立学校でも自治体によって費用負担の扱いには違いがあるようです。SNSなどでさまざまな事例を目にすることからも、自治体や、公立小中学校を所管する教育委員会ごとの旅費規定などによって差があるのではないかと感じています。

私自身が修学旅行を引率した際には、先ほど述べたように、宿泊費や交通費などは最終的に支給されましたが、昼食のお弁当代として1,000円程度は自己負担でした。このように、食費など一部の費用については教員自身が支払うケースもあると思います。

また、修学旅行ではありませんが、小学校5年生では宿泊を伴う自然体験学習を行う学校も多くあります。こうした行事では、軍手やごみ袋、調理に使う食材、掃除用具など、現地で必要になるものが数多くあります。私が勤務していた学校では、それらを教員が個人的に購入するのではなく、学年で必要な物品を事前に洗い出し、事務職員を通して学校の予算で購入してもらっていました。

そのため、少なくとも私の経験では、行事の運営上必要なものまで教員が自腹でそろえるということはありませんでした。ただし、どこまでを公費で負担し、どこからを個人負担とするかについては、学校や自治体によって違いがあると考えたほうがよいでしょう。」

修学旅行本番より負担だった「下見」…休日を使って交通費も自腹に

---修学旅行などの学校行事で、先生が費用面や時間面で負担に感じることはありましたか?

風間千歌さん:

「修学旅行そのものの宿泊費や交通費を負担することはありませんでしたが、私が教員時代に負担に感じていたのは、旅行前の『下見』にかかる費用です。

修学旅行や宿泊学習は、子どもたちの命を日をまたいで預かる、とても責任の重い行事です。そのため、事前に現地へ足を運び、移動経路や施設の様子、危険箇所、所要時間などを確認したうえで、細かなスケジュールを組む必要があります。

しかし、下見は授業のある平日の勤務時間中に行くことが難しく、私の場合は土日を使って出かけることがほとんどでした。行き先も遠方になることが多いため、丸一日かかることもあります。それに加えて、現地までのガソリン代や交通費、施設によっては見学に必要な費用なども自己負担でした。

施設の入場料については、『修学旅行の下見です』と伝えることで免除していただけることも多かったのですが、すべての施設がそうとは限らず、自分で支払う場合もありました。

下見は教員が個人的に楽しむために行くものではなく、安全に行事を実施するために必要な業務です。そのため、少なくとも交通費など、業務上必要となる費用については学校や自治体から支給される仕組みがあればよいのに、と当時から感じていました。」

宿泊費や交通費は支給、一方で自己負担が生じるケースも

今回お話を伺った元教員の場合、修学旅行本番の宿泊費や交通費は最終的に旅費として支給され、全額を自腹で負担することはなかったそうです。一方で、昼食のお弁当代として1,000円程度を負担したといいます。

さらに、修学旅行や宿泊学習の「下見」では、休日を使って現地へ足を運び、ガソリン代や交通費などを自己負担することもあったとのことです。

ただし、教員の費用負担については、学校や自治体などによって扱いが異なる可能性があります。修学旅行本番だけでなく、その準備にもさまざまな費用や時間がかかっていることがうかがえます。


監修者:風間千歌

小学校教諭として10年以上、公立小学校に勤務したのち、2人目の妊娠を機に退職。現在はフリーランスライターとして、教員経験を活かした教材制作や入試問題の解説のほか、育児・教育分野のウェブメディアで執筆やSNS運用を行っている。

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