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ラムダン・トゥアミが仕掛ける“24時間だけ存在するTシャツ”プロジェクト『24-HOUR PROPOSITION PROJECT』

  • 2026.6.24
〈ワーズ サウンズ カラーズアンドシェイプス〉でのプロジェクトの発表イベントの様子

すべてのデザインは24時間限定販売。その後は、永久に廃番となる

2025年に雑誌『BRUTUS』が特集した「センスがいい仕事って?」。新進気鋭のグローバル企業や、世界的なクリエイターの仕事ぶりに迫る一冊を制作するにあたり、編集部が特命編集長として迎えたのは、実業家のラムダン・トゥアミ氏だった。その彼が、またひとつ大胆なプロジェクトを仕掛けてきた。

ヨーロッパと日本を代表する15以上のデザインスタジオとデザイナーを集結させて、「山」と「自然」をテーマにした全60種類のTシャツコレクションを制作。2026年7月1日から約2カ月間にわたり、毎日1デザインずつオンラインで発表・販売する。

Tシャツデザインを手がけるのは、Frank OceanのマガジンやVirgil Ablohの書籍のクリエイティブ/アートディレクションを手掛けたロンドンのZak Groupや、Balenciagaのロゴデザインで知られるドイツのBureau Borscheをはじめ、世界のデザインシーンを牽引するクリエイターたちだ。

しかし、このプロジェクトにはひとつのルールがある。すべてのデザインは24時間限定で販売され、その後は永久に廃番となるのだ。この機会を逃せば、このTシャツたちはどれも二度と手に入らない。

販売するのはラムダン・トゥアミ(写真左)が手がけるコンセプトショップ〈ワーズ サウンズ カラーズアンドシェイプス〉。6月11日、東京・中目黒の店舗でプロジェクトの発表イベントが行われた。

モノが溢れる時代において、ほんの一日しか手に入らないものが、どれほどの引力を生み出すのか。これはラムダンによる実験的な新しいプラットフォームである。

「なぜ、こういう一瞬で消えてしまうものに興味があるかって? それは一日しか咲かない花みたいなものだよ。その瞬間を逃したら終わり。そこに美しさがあると思うし、その感覚が好きなんだ。

昔よく道で、偶然マイケル・ジャクソンのライブTシャツを着ている人を見かけて『いいなあ!欲しいなあ!』と思ったことがある。でもそれはそのライブに行ってないと決して手に入らない。そういうどうしても欲しい!と思う気持ち、ワクワクする買い物の楽しさをどうやったら今生み出せるだろうかとずっと考えてたんだ」(ラムダン・トゥアミ)

毎日1デザインが発表され、何枚でも希望数を購入可能。注文後、ラムダンが所有するパリのスクリーンプリントで1枚ずつプリントされたTシャツは、約10日後に発送される。

デザインの大学でもあり、コミュニティでもある。新しいショッピング体験

アイデアとして似たようなことを考えた人はいるかもしれない。しかし、アイデアを持つことと、それを実現することはまったく別の話だ。3年以上前から構想していたというこの突飛で荒唐無稽に思えるプロジェクトも、現実のものとして形にしてしまう。その実行力こそがラムダンの真骨頂である。

「毎日、新しいTシャツデザインを発表するだけでなく、参加している世界中のデザインスタジオも紹介する。『このスタジオはどんな仕事をしてきたのか?』『どんなデザインを作っているのか?』。若い人たちは世界中のデザイナーについて毎日学ぶことができるし、参加デザイナー同士もお互いの仕事を発見できる。だから、これはTシャツを通した巨大な“デザイン大学”みたいなものでもあるんだ」

24-HOUR PROPOSITION PROJECT/MAXIMAGE
24-HOUR PROPOSITION PROJECT/MAXIMAGE
24-HOUR PROPOSITION PROJECT/MAXIMAGE
24-HOUR PROPOSITION PROJECT/MAXIMAGE
24-HOUR PROPOSITION PROJECT/MIN-NANO
24-HOUR PROPOSITION PROJECT/MIN-NANO
24-HOUR PROPOSITION PROJECT/STUDIO TEMP
24-HOUR PROPOSITION PROJECT/STUDIO TEMP
24-HOUR PROPOSITION PROJECT/STUDIO TEMP
24-HOUR PROPOSITION PROJECT/STUDIO TEMP

さらに彼が密かに期待しているのは、このプロジェクトから自然発生的な二次市場やコレクターコミュニティが生まれることだ。購入者には「他の購入者と連絡を取りたいですか?」と問いかけ、参加者同士のつながりを促していく予定だという。

「人が買い、売り、また買い、そしてまた売る。このプロジェクトでは、デザイナー、コレクター、ファンが交差する。そしてその先には、このプロジェクト独自のコミュニティが形成されるかもしれない。限定性がどのように欲望を刺激し、人々を動かすのか。その反応そのものまでを含めた、壮大な実験なんだ。そしてキャピタリズムをジョークにしてやろうと思った企画でもある。これは単なるTシャツ販売ではなく、“新しいショッピング体験”なんだよ。だからタイトルも『プロポジション(提案)』なんだ」

つまりこれは、参加者全員を巻き込んだひとつの社会実験であり、体験型のアートプロジェクトでもある。“儚さ”に着想を得たこの試みは、「所有すること」の価値だけでなく、「その瞬間に立ち会うこと」の価値を問いかける。アートプロジェクトに参加するような感覚で、毎日Instagramやウェブサイトを覗いてみるのも面白いかもしれない。その日に現れたデザインは、明日にはもう存在しないアイテムとなるのだから。

そして、この24時間限定というフォーマットは今回限りで終わるものではない。今後も毎年異なるテーマのもと、新たなクリエイターたちを迎えながらシリーズ化し、24時間限定のプロダクトを発表していく構想もあるという。もしそうなれば、「24-HOUR PROPOSITION PROJECT」は単なるTシャツ企画ではなく、クリエイター、コレクター、ファンをつなぐ新しい時代のクリエイティブ・プラットフォームへと進化していくのかもしれない。

Information

WORDS, SOUNDS, COLORS & SHAPES JAPAN

住所:東京都目黒区青葉台2-16-7|地図
営業時間:12時〜19時
休:月曜日
HP:https://wscs.jp/
Instagram:@wordssoundscolorsandshapes_jp

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