1. トップ
  2. たった『3つの視点』で決算書を攻略! 転職先や取引先の経営状態を見抜くポイント

たった『3つの視点』で決算書を攻略! 転職先や取引先の経営状態を見抜くポイント

  • 2026.8.14

親しみやすいマンガで決算書を学べる『マンガでカンタン!決算書は7日間でわかります』(Gakken)は、決算書に苦手意識を持つ会社員・ミズタニが、公認会計士の小山先生から7日間で決算書の読み方を学ぶ入門書です。

本書では、決算書を学ぶメリットから、損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)、キャッシュフロー計算書(C/S)といった財務3表の基礎まで、マンガを交えながらわかりやすく解説しています。

今回は、決算書分析で押さえておきたい「収益性」「成長性」「安全性」の3つの視点と、キャッシュフロー計算書の活用方法について紹介します。

【本記事は、『マンガでカンタン!決算書は7日間でわかります』(Gakken)より一部抜粋して掲載しています。】

決算書分析は「収益性」「成長性」「安全性」の3つで考える

小山先生は、決算書分析とは、決算書に書かれた数字から会社の状態をできるだけ正確に読み取ることだと説明します。

決算書分析は投資家だけのものではありません。転職先の経営状況を調べたり、取引先の信用力を確認したり、自社の経営状況を把握したりと、さまざまな場面で役立ちます。

本書では、決算書分析は「収益性」「成長性」「安全性」の3つの視点で考えると紹介されています。

収益性は「どれだけうまく儲けているか」、成長性は「どれだけ成長しているか」、安全性は「つぶれる可能性がどれだけ低いか」を確認するための視点です。

収益性は利益率とROE・ROAで確認する

収益性を見るときは、まず損益計算書(P/L)を使います。

売上高に対してどれだけ利益を残せたかを確認する4つの利益率を紹介します。

・売上高総利益率=売上総利益÷売上高×100

・売上高営業利益率=営業利益÷売上高×100

・売上高経常利益率=経常利益÷売上高×100

・売上高当期純利益率=税引後当期純利益÷売上高×100

利益率は金額だけを見るよりも、会社同士を比較しやすいことが特徴です。同じ売上規模でなくても、どちらが効率よく利益を生み出しているかを判断できます。

さらに、経営効率を見る指標として「ROE」と「ROA」も紹介しています。

ROE=税引後当期純利益÷自己資本×100

ROA=税引後当期純利益÷総資産×100

ROEは株主から預かった資金をどれだけ効率よく利益につなげたかを示し、ROAは会社が持つ資産全体をどれだけ有効活用できているかを見る指標です。

一般的にはROEは8~10%、ROAは5%前後くらいあるとよいとされていると説明しています。

成長性は前年との比較で読み解く

会社が成長しているかを判断するには、1年分の決算書だけでは十分ではありません。

成長性を調べる最も基本的な方法は、最新の決算書と前の期の決算書をそろえて、どの数字がどれほど伸びているか増加率を出すことです。

代表的な指標が「売上高増加率」です。

売上高増加率=(当期売上高−前期売上高)÷前期売上高×100

また、会社全体の規模がどれだけ大きくなったかを見るには「総資産増加率」を使います。

総資産増加率=(当期総資産−前期総資産)÷前期総資産×100

ただし、前期からの増加率で判断するのではなく、数年にわたる推移や同業他社との比較も重要です。こうした比較を行うことで、その会社が安定して成長しているのか、一時的な伸びなのかを見極めやすくなります。

安全性は貸借対照表で確認する

会社の財務基盤を見るには、貸借対照表(B/S)が重要になります。

安全性は次のような指標で確認できます。

自己資本比率=資本(純資産)÷(負債+資本)×100

会社がどれだけ自己資金で経営しているかを示す指標です。一般的には40〜50%程度あると望ましいとされています。

流動比率=流動資産÷流動負債×100

短期的な支払い能力を確認する指標です。一般的には200%以上が安心の目安とされています。ただし、流動比率が高ければよいとは限りません。現金を多く保有するよりも、設備投資などへ資金を活用して利益を伸ばしたほうが、企業価値の向上につながる場合もあります。

当座比率=当座資産÷流動負債×100

現金や預金、売掛金など、すぐに現金化できる資産だけで支払い能力を確認する指標です。一般的には100%以上が望ましいとされています。

固定比率=固定資産÷資本(純資産)×100

設備投資などを自己資本でどれだけ賄えているかを見る指標です。一般的には100%以下が望ましいとされています。

これらの指標は、業種によって適正な水準が異なります。そのため、一つの数値だけで判断するのではなく、同業他社や過去の推移と比較しながら分析することが大切だと紹介されています。

キャッシュフロー分析で会社の状態を読み解く

小山先生は、キャッシュフロー計算書(C/S)の分析方法についても紹介しています。

営業キャッシュフローは本業で稼いだ現金、投資キャッシュフローは設備投資などによる現金の増減、財務キャッシュフローは借入や返済など資金調達による現金の動きを表します。

営業キャッシュフローがマイナスであれば、本業で現金を生み出せていない状態です。

また、投資キャッシュフローがプラスなら固定資産を売却したことを、マイナスなら設備投資などで固定資産を取得したことを意味します。

さらに、財務キャッシュフローがプラスなら借入などで資金を調達し、マイナスなら借入金の返済などを行ったことが分かります。

このように、3つのキャッシュフローのプラス・マイナスの組み合わせを見ることで、会社のおおまかな経営状況を読み取ることができるのです。

さらに、本書では「フリーキャッシュフロー(FCF)」も重要な指標として紹介しています。

FCF=営業キャッシュフロー+投資キャッシュフロー

フリーキャッシュフローは、本業で生み出した現金を設備投資に回したあとでも、企業の手元に自由に使える資金がどれだけ残るかを示す指標です。一般的にはプラスになっていることが望ましいとされています。 

決算書は数字を比較すると会社の特徴が見えてくる

今回は、決算書分析で確認したい「収益性」「成長性」「安全性」の3つの視点について紹介しました。

利益率やROE・ROAからは会社の稼ぐ力、売上高増加率や総資産増加率からは成長の勢い、自己資本比率や流動比率からは財務の安定性を読み取ることができます。

さらに、キャッシュフロー計算書もあわせて確認することで、お金の流れや資金繰りまで把握でき、会社の経営状況をより多角的に分析できるようになります。

決算書は数字を眺めるだけではなく、過去の推移や同業他社と比較しながら分析することで、企業の強みや課題がより見えてくるでしょう。


【本記事は、『マンガでカンタン!決算書は7日間でわかります』(Gakken)より一部抜粋して掲載しています。】

クリエイター情報

Gakken

まだ説明はありません。

の記事をもっとみる
おすすめ連載マンガ

注目コンテンツ