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「墓場まで持っていくと諦めていた」ハナコ・秋山寛貴、2匹の猫と子どもたちと暮らす“想像しなかった人生”

  • 2026.4.28
ハナコ・秋山寛貴さんと愛猫のキキちゃん(三毛)、ググちゃん(白黒)。

お笑い芸人さんに一緒に暮らすペットを紹介してもらう「お笑い芸人の“うちの子”紹介」。第51回は、ハナコ・秋山寛貴さん。現在、ハチワレの姉妹・ググ(白黒・5歳)とキキ(三毛・5歳)と暮らしています。

小さい頃から動物との暮らしに憧れがあったという秋山さん。「この気持ちは墓場まで持っていくだろう」と諦めていたところ、偶然、知り合いから子猫を譲り受けます。トトと名付けられたその子は残念ながら6カ月で旅立ってしまったそうですが、猫との暮らしをもう一度したいという思いから、2匹と出会いました。

「想像しなかった人生を歩んでいる」と話す秋山さんの、静かな幸せを噛み締めるような笑顔が印象的なインタビューとなりました。


6カ月で別れた愛猫、その後に出会った“離せなかった2匹”

秋山寛貴さんの愛猫・キキちゃん(三毛)、ググちゃん(白黒)。

――ググちゃんとキキちゃんと暮らし始めたいきさつを教えてください。

ググとキキと出会う前に、猫を1匹飼っていたんです。2020年に奥さんの職場の知り合いから、子猫が生まれて引き取り手を探していると連絡があって。僕はそれまでペットと暮らしたことはなかったんですけど、奥さんは実家で猫を何匹か飼っていたこともあったので大丈夫だろうということで、生後2カ月くらいの子猫を引き取りました。それがトトというオスです。

あの頃ってコロナがどういうものかもわからず、みんな、不安だったじゃないですか。僕もそうだったこともあり、ハッピーなことにすがるような気持ちで迎え入れたんですが、6カ月で亡くなってしまったんです。

秋山さん。

あまりにもショックで、奥さんは悲しみを紛らわすようにネットで保護猫を見ていたりして。トトがいなくなった心の隙間を、ほかの猫で埋めるのは違う気もするなと思いつつ、ふたりともあまりにも喪失感がすごかったので、新たに猫を受け入れることも悪いことじゃないだろうと考えていました。

その後、奥さんはひとりで保護猫施設に見に行ったり、僕も一緒に行ったりする中で、保護猫施設で紹介してもらったのがググとキキだったんです。当然、2匹飼うなんて想像してなかったんですけど、引き離せないなと思って、2匹とも迎え入れました。それが2020年の12月のことです。

――初めて2匹と出会った時、どんなことを感じましたか。

出会った当初からかわいいんですけど、印象に強く残っているのは顔が変わってきた頃のこと。迎え入れたのが生後4カ月くらいで……そこから半年くらい経った時、当時の写真を見返したら顔つきが全然違ったんです。当時は不安だったんでしょうね。今は「我が家です!」みたいな感じで堂々としてますし、2匹ともすごく懐っこいので「ワンちゃんみたいだね」とよく言われます。

秋山さんの膝でくつろぐググちゃん。

2匹とも座った人の膝に乗るのが好きなんです。初めて来た人の膝の上にも乗りますし、僕がご飯を食べる時もよく膝に乗っています。トイレに入っていると、中に入ってくることも。外からガンガンとノックされてドアを開けると、膝の上に乗ってくるんです。乗られると嬉しいから、用は終わってるのに、ついつい長居してしまうこともありますね。

――かわいらしいですね。

ただ、2匹同時には来ないんです。どちらか膝の上に乗っている時、もう1匹は近くにいるわけでもないんですよね。気にしていないように見せて、実は気にしているのかなぁ。代わってと訴えるわけでもなく、1匹が膝から降りたら、もう1匹が膝の上に乗ってくるので、お互いに時間の配分があるのかもしれないですね。

“飼わないと決めていた”少年時代から一転、家族が増えた今

秋山さんにくっついてくつろぐキキちゃん。

――実際、初めての動物との暮らしはいかがですか?

驚いたこともたくさんありましたけど……いやぁ、いいもんですね。すごくいいです。ググとキキが来て、子ども2人も生まれて……怒涛のスピードで家族のパーティ編成が変わっている。こんな人生、想像してなかったです。

小さい頃、実家は貧乏だと教えられていて。実際はゲーム機とかも買ってもらってましたし、裕福なほうだったと思うんですけど、親は節約精神があったんでしょうね。

犬や猫との暮らしに憧れた時期、親に「飼えないんですか?」と聞いたら「うちは動物病院に行かせるお金はありません。何かあった時、苦しむ姿を見ることになるかもしれません。それでもあなたは飼いますか?」と言われて。「それなら飼いません」と決めたので……封じてました、動物と暮らしたいという思いを。墓場まで持っていくつもりだったんですけど、トトと出会って。しかも探したわけじゃなく、縁があって引き取ることになって、その縁がググとキキとの出会いにも繋がったので、トトには本当に感謝してますね。

秋山さん。

――日常のどんな瞬間に猫がいる喜びを感じますか?

僕は犬派も猫派もわからないくらいだったんですけど、毎秒かわいいです。かわいくない仕草や瞬間がなくて、そりゃあ、癒されるなと。そんな生き物と生活できるなんてね?

――豊かですよね。

そうなんですよ。すごく不思議な体験もあって。子どもが生まれるとなって病院に向かおうと家を出る瞬間、ググが子どものために買ってあったベビーベッドにおしっこをしたんです。家に来て、トイレを覚えてからは失敗したことなんて一度もないのに。

家族に何か変化が訪れようとしている。それが自分にとっていいことなのか悪いことなのかわからず、とにかく引き留めようとしたのかもしれないなと思いました。

秋山さんの愛猫・キキちゃん(三毛)、ググちゃん(白黒)。

――メスのほうが縄張り意識は強いと聞いたことがありますから、何かしらを感じ取っていたのかもしれませんね。

それもあって家族が増えてどうなるのか心配してましたが、大丈夫でした。最初は一定の距離を保ちながら子どもの近くを回ってみたりしてましたけど、肌が触れるくらい近くに座っていた時はもう……! 嬉しかったですね。

人懐っこいキキと慎重なググ、正反対な2匹のかわいさ

秋山さんの愛猫・キキちゃん(三毛)、ググちゃん(白黒)。

――2匹の性格はそれぞれ違いますか?

どちらかと言うとキキのほうが人懐っこいです。知らない人が来た時も近くをうろちょろしていますけど、ググは警戒してしばらくは姿を現さずに様子を伺ってますね。

それで1、2時間経って、大丈夫だと思ったら現れます。けど、子どもの相手をしてくれるのはググですし、人の足がすごく好きです。靴下が好きなのかな? 足にまとわりつくんですけど、爪を立てると痛いので、来客があった時は「痛いから気をつけて」って注意してます。

後輩芸人のこたけ正義感がうちに遊びに来た時、足にじゃれていて。後日「ちょっと爪が当たって」って言われて……怖かったです。訴えられたらどうしようって。

秋山さん。

――(笑)。こたけ正義感さんは弁護士芸人ですからね。

よりによって厄介な後輩に、と思いました(笑)。こたけが優しいから黙っててくれたんでしょうけど、「その場で言ってね?」って伝えました。それくらい足が好き。お客さんの靴を抱きしめていたこともありましたね。

あとね、キキは調理を見るのが好きで、僕が台所で包丁を使って何かを切っていると、台に登ってきて隣で見てます。それが、切り方を覚えようとしているような距離なので、いつか作る気なんじゃないかと思っちゃいますね。

キキは気まぐれなんですけど、一緒に寝たい時は近くに来るので、僕は(布団の中に)誘い込みたくて、掛け布団をめくって待っています。どうするかじっと考えているので、僕もシーツをポンポンと叩いたりして。スーッと入ってきてくれた時はもちろん、旋回して腕に手を置いてくれた時は「よっしゃー!」って心の中で思ってます。今までは股の間とか腰元で寝てたんですけど、1年くらい前から腕のところに来てくれるようになって嬉しいです。

秋山さんとググちゃん。

――日常に嬉しい瞬間がたくさんあるんですね。

本当にそうですね。僕が座ってテレビを見たり、スマホを見たりしていると、ググが隙間から入ろうと体を近づけて待っている時もあります。で、気づいて膝の部分を開けると乗ってきて、ニャーっと鳴く。その瞬間はかわいいし、嬉しいですね。キキは待たずに、ぐいっと少し強引に膝の上に乗ってきます。

最近、引っ越して家が広くなったので、キャットタワーを大きくしました。ほかはあまり増やせてないんですけど、日当たりのいい場所ができて、そこにググとキキがいるのを見ると……「その部屋、いいですよね? 気に入ってますか? よかったなぁ」って思ってます。

新しい家は階段があるので、大丈夫かなと思ってたんですけど、2匹ともあっという間に慣れて登り降りするようになりました。

秋山さんの愛猫・ググちゃん。

ただね、リビングのところからその階段が視界に入るんです。テーブルに座っていると、ググが上がって来た時に、黒い影がぼんやりと見えてくるのが人に見えて怖くて。「はぁぁっ!」って毎回驚いてます。

「1年1年を重ねられることが嬉しくて」

秋山さんの愛猫・キキちゃん(三毛)、ググちゃん(白黒)。

――お世話はどうしていますか?

猫って手があまりかからないですよね。ご飯とトイレ……トイレは2匹いるので、3カ所作っています。ググがトイレを嫌がる時期があったというか。おしっこをしたあとに砂を後ろ足でかかず、トイレのボディとか近い壁をかいている時があったんです。

調べると、砂が気に入ってなかったり、汚いから触りたくなかったりする時にそうするらしくて。それが長い間続いたんですけど、引っ越し先で砂を変えて入れてみたら、初めて後ろ足でかくようになって、「あぁ、よかった!」と安心しました。

秋山さん。

――今、2匹は5歳。猫は20年以上生きる子もいますし、ギネス記録の最長は38歳です。腎臓病の新薬の開発も進んでいますし、30歳くらいまで生きるポテンシャルはあるそうですが、2頭との未来について考えることはありますか?

最初に話したように今が想像してない未来ですし、どちらかと言うと1年1年を重ねられることのほうが嬉しいです。トトの経験もありますし、すごいなって。「君らは2歳か!」「もう3歳か!」という喜びを繰り返しています。だから、遠い未来を具体的に想像することはないですけど……どうなるんだろう? 楽しみですよね、やっぱり。

子どもが2匹のことを認識できるようになったら、「生まれた時から猫がそばにいるってどういう気持ち?」って聞いてみたいです。子どもたちはどう答えるんだろう? 覚えていてくれるといいですね。

――最後に、秋山さんにとって、トトくん、ググちゃん、キキちゃんはどんな存在ですか?

秋山さんと愛猫・ググちゃん。

ペットとの暮らしを経験してみると、やっぱり家族だなと思います。料理している時に近くで見ていたり、僕が上の階に上がろうとしてる時に階段ですれ違うとか、日当たりのいい場所にいる時、僕も羨ましくなって合流したりだとか、一緒に暮らしてるなと感じる日常的な瞬間に、家族を感じるんです。

ペットと暮らして初めて、「あぁ、こういう関係性があるんだ」ということにも気づくことができました。不思議ですよね、いないのが当たり前だった僕がこんなことを思うようになるなんて。それくらい素敵な出会いになりました。

秋山寛貴(あきやま・ひろき)

1991年9月20日生まれ。岡山県出身。2014年に岡部大、菊田竜大とお笑いトリオ、ハナコを結成。ワタナベコメディスクール12期生。キングオブコント2018王者。ハナコのネタは、メンバーの岡部 大とふたりで考えている。現在、日本テレビ系『有吉の壁』、フジテレビ系『新しいカギ』他、多数レギュラーに出演中。かが屋の加賀 翔とふたりのトークライブや、ひとりでジェスチャーをし続けるソロライブなども行い、表現の場を広げている。脚本執筆やエッセイ連載など、文筆業にも積極的に取り組むほか、イラスト製作活動にも力を入れている。5/9(土)、10(日)に表参道で初めての単独個展を実施予定。

文=高本亜紀
撮影=佐藤 亘
写真提供=秋山寛貴

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