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ハサミが切り拓く、未知の「モチザク」体験 聖水で出会う進化系スイーツ、〝ドチョンク〟ジェラート

  • 2026.4.25
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marina『まりなイムニダ』(25)【連載】

トレンドの最前線を走る街、ソウル・聖水洞(ソンスドン)。かつて靴工場が立ち並んでいたこの場所は、今や古いレンガ造りの建物と最先端の感性が混ざり合う、独特の熱気を帯びています。

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その迷路のような路地裏で、今一番人気を集めている場所があります。職人技と実験的な試みが同居するジェラートショップ、「Maman Gelato(ママンジェラート)」です。

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ママンジェラート

ここで今、世界的なブームを巻き起こしているドバイチョコレートを、驚きのアイデアで再解釈した「ドバイ・チョンドゥク・クッキー・ジェラート」が、大人気になり、看板メニューです。

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ママンジェラート

店内に一歩足を踏み入れると、そこはまるで「スイーツの実験室」。白衣のようなユニフォームに身を包んだスタッフが、真剣な表情でアイスクリームに向き合っています。

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店内の様子

この知的な遊び心が漂う空間で、その瞬間は訪れます。注文したのは、1日3回(12時、14時、16時)という限られた時間にしか出会えない、数量限定の看板メニューです。(ドチョンクのみ時間・数量限定)

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ジェラートを作る店員

これまでのジェラートの常識を覆す佇まい。濃厚なピスタチオジェラートとその周りの繊細なカダイフを包み込んでいるのは、分厚いチョコでもお餅でもなく、とろけるマシュマロを独自の技法で練り上げた、驚くほど弾力のある「チョンドゥク(韓国語でモチモチという意味)」な生地。メニュー名にある「チョンドゥク(쫀득)」の正体は、まさにこの層にあります。ここからが、この店ならではのパフォーマンスの始まりです。

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ハサミを手に取る店員

スタッフが大きなハサミを手に取り、そのマシュマロ生地とカダイフに「チョキ、ザク」と軽快に切れ込みを入れていきます。その音と共に、中から鮮やかなピスタチオの色彩と、ドバイチョコの核心であるピスタチオペーストに絡まったカダイフのクッキーチャンクが顔を覗かせる瞬間。その視覚的なインパクトに、周囲からは思わず感嘆の声が漏れます。

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モチザクの食感が最高

一口頬張れば、マシュマロ生地の「モチッ」とした柔らかな食感に続き、中のが放つ「ザクッ」としたこの「モチザク」という相反する食感の調和は、まさに職人の緻密な計算が生んだ、洗練された「大人の中毒性」を秘めています。

価格は18,000ウォンと少し贅沢ですが、その一杯には、聖水という街が持つクリエイティビティと、素材への飽くなき探究心が凝縮されています。SNSの画面越しでは決して味わえない、ハサミが刻むリズム、マシュマロ生地の弾力、そして溶け合う香りのハーモニー。

もしあなたが、今のソウルを象徴する「最高にエモい一口」を探しているのなら、聖水の喧騒を抜けてこの実験室の扉を叩いてみてください。そこには、あなたの想像を鮮やかに裏切る、甘く、そして驚きに満ちた発明が待っているはずです。

(不定期連載)

【プロフィル】marina

韓国在住のmarina(インスタグラム:k9k.marina)です。ヘアメイクアップアーティストとして日韓を拠点に活動しており、日本では12年間芸能人にメイクをしたり、CMや広告でメイクを担当したりするかたわら、たまにTVや雑誌にも出演していました。韓国滞在は8年目になり、現在は上記取り組みのほか韓国化粧品ブランドのコンサルや貿易にも携わっています。日本語・韓国語・英語の3カ国語に精通しており、文化や言葉の壁を越えて心をつなぐ〝感性の翻訳者〟を目指して活動しています。ちなみに連載タイトルの「イムニダ」は日本語で「です」という意味です。

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