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不意打ちだらけ!? 謎の生き物のかわいさに読者もキュンとする『超常!未知との遭遇!?』

  • 2026.3.26

気がつくと人里離れた山中で、首まで埋められていた半グレ男・鬼怒(きど)。絶体絶命と思いきや、不思議な生き物が彼を助けようとしてくれて…。パンチの効いたシチュエーションで幕を開ける、石川チカさんの本作。

大事にしているのはテンションが最も上がるネームを描くこと

「最初のアイデアは、謎解きの達人とコミュニケーションをとれない動物が部屋に閉じ込められる…という設定でした。キャラの組み合わせや内容を練り直して今の形になったのですが、もともとは1話完結の読み切りで発表した作品だったので、瞬間的な面白さを意識していました」

石川さんが親しみを込めて“アイツ”と呼ぶ謎の生き物は、モフモフで頭に触角らしきものが生えている。そして潤んだ瞳は、鬼怒が生き埋めにされる前まで一緒にいた、消息不明の相棒・ヤスとどこか似ている。

「昔から生き物や物事のヘンテコな部分が好きで、そういうところを寄せ集めたキャラクターにしてみました。毛の表現がすごく楽しくて、つい描き込んでしまいます(笑)」

石川チカ『超常!未知との遭遇!?』1。命を助けてもらった未知の生物を、連れて帰ってきた鬼怒。進化と退化を行ったり来たりする姿に翻弄されつつ、ときどきほっこり。そして新たな真実が!? 一迅社 825円 Ⓒ石川チカ/一迅社

Ⓒ石川チカ/一迅社

優しい言葉をかけられたり、ヤスの好物だったからあげを食べたりなど嬉しいことがあると進化して、悲しいことがあると退化する。ヤスの行方を知りたい鬼怒は自由に(?)変幻する様に驚きつつ、正体を突き止めようとするが、見た目も行動も不意打ちだらけ。鬼怒と同様、読者もキュンとほだされてしまう。

「こういうことをされると弱いでしょ!? っていう部分を無意識に刺激するような、“アイツ”であってほしいと思っていますが、なかなか難しくて。信号が青になったら進む車をただ描くような予定調和はつまらないので、毎回何かしらドラマを作ろうとするのですが、狙い通りにキャラが動いてくれないこともよくあります。ギャグ的要素で大事にしているのは、自分のテンションが最も上がるネーム(設計図)を描くこと。大変だからこそ、うまく決まったときの高揚感は大きいですね」

1巻の後半では新キャラが登場して、物語はさらなる展開へ。はたして“アイツ”はヤスなのか、それとも本当に“未知との遭遇”なのか…。

「イメージとしては、ミルクボーイさんの『○○やないか!』『ほな○○とちゃうか~』っていう漫才みたいなノリです(笑)。このふざけたやり取りのなかに、もしかしたら真実が隠されているかもしれない、いやどうだろうっていう駆け引きを楽しんでいただければと思います」

“アイツ”のかわいさ、そして得体の知れなさから、目が離せない!

石川チカ

いしかわ・ちか マンガ家。著作に『KOBAN』『大安仏滅』『metro ex』(すべて幻冬舎コミックス)など。本作はWebマンガ誌「comic HOWL」で連載中。

information

『超常!未知との遭遇!?』1

命を助けてもらった未知の生物を、連れて帰ってきた鬼怒。進化と退化を行ったり来たりする姿に翻弄されつつ、ときどきほっこり。そして新たな真実が!? 一迅社 825円

写真・中島慶子 インタビュー、文・兵藤育子

anan 2488号(2026年3月18日発売)より

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