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「機動警察パトレイバー」新作に“シゲさん”千葉繁が降臨 出渕裕監督「長い間お待たせしました!」と感無量

  • 2026.4.24

「機動警察パトレイバー」シリーズの新作アニメーション作品『機動警察パトレイバー EZY』の完成披露舞台挨拶が4月23日に新宿ピカデリーで行われ、出渕裕監督、上坂すみれ(久我十和役)、戸谷菊之介(天鳥桔平役)が出席。シリーズには欠かせない存在である千葉繁(斯波繁男役)もサプライズで登場し、『EZY』にも出演していることが明かされた。

【写真を見る】千葉繁がサプライズ登場!「“千葉繁”に似ていると言われている“斯波繁男”です」とあいさつ

“レイバー”と呼ばれるロボットを使った犯罪に立ち向かう「特車二課(特殊車両二課)」=通称“パトレイバー”たちの活躍を描く「機動警察パトレイバー」シリーズ。新作の舞台は、AI技術による自動化が進んだ2030年代の日本。かつて最先端技術だった“レイバー”は、社会基盤を支える一部として定着。人が搭乗するスタンドアローン型の“レイバー”は、自立型ロボットへの代替が進み、もはや時代遅れとなりつつあった。だが時代が変わろうとも、特車二課の仕事は変わらない。第二小隊は、人と街を守るべく、新たなテクノロジー犯罪に立ち向かっていく。

出渕裕監督
出渕裕監督

本作については2017年に製作決定が発表され、2022年にパイロットフィルムがイベントにて公開。2024年9月に「2026年プロジェクト始動」が発表されていた。新作を楽しんだ興奮に包まれた上映後の会場に姿を現した出渕監督は「長い間、お待たせしてしまって申し訳ございません!」と声をあげ、「時間がかかった分だけ、楽しい作品になっているんじゃないかと思います」と挨拶。観客は大きな拍手で応えた。

上映後の熱気に包まれるなか、舞台挨拶がスタート!
上映後の熱気に包まれるなか、舞台挨拶がスタート!

熱い反応を浴びた出渕監督は「昔のメンバーを愛してくださった、皆さんだと思います。変わっても、変わらず、『パトレイバー』であるという形の作品を目指しました。3本まとめて観ていただくのは、皆さんが初めて。満杯のお客さんに入っていただいて、胸をなでおろしています」と安堵の表情を見せながら、「感無量」だと胸を熱くした。1988年に発表されたOVA「機動警察パトレイバー」からは、約40年が経った。出渕監督は「思えば遠くへ来たもんだ」としみじみとし、「40年、付き合っていただいた方もいると思う。ありがとうございます」と筋金入りのファンに感謝しきり。上坂が「大きくなったね」と会場を見渡して観客の笑いを誘うなか、出渕監督は「もう1回、羽ばたくことができてよかった」と改めて感慨を口にしていた。

【写真を見る】千葉繁がサプライズ登場!「“千葉繁”に似ていると言われている“斯波繁男”です」とあいさつ
【写真を見る】千葉繁がサプライズ登場!「“千葉繁”に似ていると言われている“斯波繁男”です」とあいさつ

この日は、斯波繁男(シバシゲオ)を演じる千葉が、サプライズ登場を果たした。通称“シゲさん”は、これまでのシリーズにも登場し、ファンにとっても思い入れの深いキャラクター。千葉がお目見えすると、万雷の拍手が沸き起こった。千葉は「最近、“千葉繁”に似ていると言われている“斯波繁男”です」とジョークを飛ばして、会場も大笑い。続けて「特車二課に就職してよかったな!」と喜んだ千葉は、「『パトレイバー』は今回の作品もそうですが、なにも考えなくていい!すんなり入ってくる。レイバーがまったく活躍しない。最高です。観ていて、本当に楽しかった。おもしろかったでしょう?」と観客に問いかけて拍手を浴びながら、「病気の人も治っちゃう。健康にいいですよ」と本シリーズにたっぷりと愛情を傾けていた。

千葉繁、上坂すみれ&戸谷菊之介を絶賛!『機動警察パトレイバー EZY』完成披露舞台挨拶の様子
千葉繁、上坂すみれ&戸谷菊之介を絶賛!『機動警察パトレイバー EZY』完成披露舞台挨拶の様子

千葉との共演について、戸谷は「本物がいる」と素直な胸の内を語り、もともとシリーズの大ファンである上坂は「本物の『ヘッロウ』が聴けて、幸せです」と印象的なセリフをあげながら大感激。「アフレコの雰囲気は、和やかで本当に楽しい。皆さん、生き生きとやっていらっしゃる」と振り返った千葉は、キャラクターについて「違和感はない。いま年相応の感覚でアフレコに臨むことができるので、プレッシャーはないです」と語りつつも、「老眼がきつくなってしまって。台本が読めなくなっちゃったりするので、セリフをとちっちゃったりする」と苦笑い。「それも含めて、楽しみながらアフレコをやらせていただいています」と目尻を下げた。

久我十和役の上坂すみれ
久我十和役の上坂すみれ

アフレコ現場の様子に話が及ぶと、戸谷は「上坂さんが、十和をめちゃくちゃ思いきりやってくれる。すごく返しやすかったです。2人のコンビネーションが、やっていてもうれしい」と充実の表情を見せた。千葉が「2人の会話って漫才みたいですよね。パワーがあるし、セリフがナチュラルでいいんですよ。僕には絶対にできない」と2人の演技を称えると、戸谷は「千葉さんのアフレコにワクワクした」と刺激を受けている様子。上坂は「レイバーに乗っている時のアドリブやオフ台詞など、監督から『好きなだけ暴れなさい』とお達しをいただいた」そうで、「『こら!こっちは警察だぞ!』と思う存分、言っていた。そうするとどんどん太田さんの気持ちがわかってきた」とシリーズのキャラクターの名前をあげるなか、出渕監督は上坂のアドリブ力を絶賛していた。

天鳥桔平役の戸谷菊之介
天鳥桔平役の戸谷菊之介

また出渕監督が、裏話としてこだわりを明かす場面もあった。「エンディング、最後まで席を立たずに観てほしい」と願った出渕監督は、映画監督の樋口真嗣が絵コンテに参加していると吐露。「シナリオではちゃんとした予告編ぽいものがついていた。しんちゃん(樋口監督)に任せて、あがってきたのをみたら『これは、どっかで観たことがあるな…』と思った」と押井守監督作品の予告編の完コピであることに気づいたという。「押井さんに『樋口くんがこれをやっちゃった。この予告編、いいですか?』と人づてに聞いたら、承諾していただいて。エンディングには、最後のほうに押井さんの名前も入っています。肩書きは、“予告編承諾”」と前代未聞のクレジットについて紹介して会場を笑わせながら、「再出発するにあたって、HEADGEARのメンバーの名前を全員、載せたかった。押井さんも入れて、これで5人全部入った」と明かすと、その気概に会場から大きな拍手があがっていた。

ファンから熱い声援を浴びた
ファンから熱い声援を浴びた

上坂は「皆さんの応援があれば、無限に作られるはず」と今後の広がりにも期待をにじませた。『機動警察パトレイバー EZY File 1』の劇場公開を記念してYouTubeで「パトレイバー」シリーズを1日1本限定公開する「毎日パトレイバー」を「ちょこちょこ観ちゃう」という出渕監督は、「自分たちで作っていてなんですが、やっぱりおもしろいなと思った」とにっこり。上坂の「無限に」という言葉に「たしかに」とうなずいた。

「近所の飲み屋で、店主とYouTubeを観ていた。そうしたらちょうど自分が絵コンテとシナリオをやった『雪のロンド』という回だった。『頑張ったよな、俺』と思った」と想いを馳せながら、「『パトレイバー』ってパロディであろうが、ファンタジーであろうが、ハードな話、ソフトな話、ウエットな話。いろいろなアプローチができる。昨今の昨日は、連続性のあるものが多くて、読切感のあるものは少ないような気もする。そういう意味では、新しい人、若い人にも新鮮に受け止めてもらえるとうれしい」と願い、イベントを締め括った。最後にはステージに残り、ファンの撮影タイムに応じた出渕監督。会場のあちこちから「おもしろかった!」「ありがとう!」と声援が集まるなど、熱気に満ちた一夜となった。

『機動警察パトレイバー EZY』は、5月15日(金)より全3章構成で順次劇場公開。

取材・文/成田おり枝

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