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「もっと応援したい」男性アイドルに“200万円”つぎ込んだ40代女性→後日、自宅に届いた“1通の通知”に「どうしてこんなことに…」

  • 2026.5.12
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。アディーレ法律事務所の弁護士、谷崎です。

近年、「推し活」をきっかけに思わぬ借金を抱えてしまうケースが増えています。好きなアイドルを応援する気持ちは自然なものですが、その熱量が過度になると、生活や金銭感覚に影響を及ぼすこともあります。

今回は、男性アイドルの推し活にのめり込み、多額の借金を抱えてしまった例をご紹介します。

日常を支えてくれた「推し」の存在

スーパーでパート勤務をしている40代・女性のBさん(仮名)は、家庭と仕事に追われる日々。

ある時、ふと目にした駅のポスターで人気男性アイドルグループの存在を知りました。

動画や SNS を通じてメンバーの人柄や努力に触れるうちに、「この人たちに元気をもらっている」と感じるようになり、次第に生活の中心が「推し活」へと移っていきました。

最初はCDを購入したり、自宅でライブ配信を楽しむ程度でしたが、やがて「もっと応援したい」という気持ちが強くなります。しかもSNSではアイドルの熱心なファンたちが限定グッズやシークレットライブに参加した写真をアップしています。

Bさんも負けられないという気持ちが強くなり、煽られるように特別版DVDの購入や、アクリルスタンド、ペンライトといったグッズの大量購入、やがて遠方でのライブ遠征にも参加するようになりました。

気づけば膨らんでいた借金

Bさんにはちょっとした預金があったため、最初は手持ち資金の範囲で活動していました。

しかし、イベント参加には「CDの複数購入」が前提となることも多く、全国ツアーに複数参加するとなれば、交通費や宿泊費まで必要になります。徐々に手元資金では足りなくなり、Bさんはクレジットカードのリボ払いや、キャッシングを多用するようになりました。

「来月の給料で何とかなる」、「自分がこのグループを支えてあげないと」と自分に言い聞かせながら支出を重ねるうちに、返済額は増加。さらに、新たなイベントや限定グッズの販売情報が出るたびに、「ここで買わないと後悔する」という心理が働き 、借入は拡大していきました。

最終的には消費者金融にも手を出し、気づけば借金は約200万円にまで膨れ上がっていました。

返済不能に陥り、生活が破綻

毎月の返済額はBさんの収入を大きく上回り、やがて支払いが滞るようになります。

督促の電話や通知が届くたびに強い不安を感じるようになり、しかも借金の理由が理由なので、家族に相談する決心もつきません。

次第にBさんは、精神的にも追い詰められていきました。「推し活は自分の支えだったはずなのに、どうしてこんなことに」と後悔する一方で、誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまっていたのです……。

弁護士に相談し「任意整理」へ

限界を感じたBさんは、勇気を出して弁護士に相談しました。弁護士は、これまでの経緯を丁寧に聞き取ったうえで、返済可能性や収支状況を検討し、「任意整理」という手続きを提案しました。

Bさんは当初、「債務整理をしたら借金が家族にバレるのではないか」と抵抗を感じていました。しかし、「任意整理」という手続は裁判所をつかうものではなく、返済を続けられている限り家族にバレる可能性は低いこと、このままだと支払いが滞り業者から裁判を起こされ、自宅に裁判所からの手紙が届く可能性があることを弁護士から説明され、手続を進める決意をしました。

弁護士がカード会社と交渉した結果、毎月の返済額は何とかパート収入の範囲内に収まり、Bさんは現在も順調に返済を継続しています。

「好き」とお金の距離感を見直す

この事例から学べるのは、「好き」という気持ちとお金の問題は切り分けて考える必要があるという点です。

推し活そのものは人生を豊かにするものですが、支出がコントロールできなくなったとき、それはリスクに変わります。
特に、クレジットカードや借入を利用してまで支出を続けている場合は、すでに危険信号です。「今月だけ」「私が推しを支えなければ」といった考えが続く場合は、一度立ち止まって収支を見直す必要があります。

そして、返済が苦しくなった場合には、決して一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談することが重要です。債務整理には任意整理や個人再生、自己破産など複数の方法があり、状況に応じた適切な解決策を選ぶことができます。

お金の問題は誰にでも起こり得るものです。しかし、適切な手続きを踏めば、再スタートを切ることは可能です。同じように悩んでいる方は、ぜひ一歩踏み出して相談してみてください。


※実際の事例を参考に構成したストーリーです。

監修者:弁護士 谷崎 翔(アディーレ法律事務所)
早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。アディーレ入所後、2012 年より新宿支店長、2016 年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタ
ビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。