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だからセールで服を買ってはいけない…トップスタイリストがそう断言する「安かろう悪かろう」以外の理由

  • 2026.3.28

人から信頼されるビジネスパーソンは、どこで服を買っているのか。エグゼクティブスタイリストの長友妙子氏は「どこで服を買うか迷うなら『セレクトショップ』がおすすめ。プロの目が入っているからこそのメリットがある」という――。

※本稿は、長友妙子『信頼を着る 第一印象で選ばれる女性の「装い戦略」』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

セールの服
※写真はイメージです
服選びの強い味方「セレクトショップ」

人から信頼を集めるためのワードローブづくりを始めるとき、多くの方が最初につまずくのが「どこで買えばいいのかわからない」という問題です。

ブランドショップだと緊張してしまう。かと言って、百貨店は広くて迷ってしまう……。そんな声を、私はこれまで何度も聞いてきました。

そこでおすすめしたいのが、「セレクトショップ」です。

ショップには自社ブランドだけを扱うブランドショップと、さまざまなブランドから厳選した商品で構成しているセレクトショップがあります。

セレクトショップとは、複数のブランドをバイヤーの目利きで選び、独自の世界観で構成している場所。いわば、“完成度の高いワードローブ”のような存在です。

自分ひとりで何百着もの服のなかから選び抜くのは至難の業ですが、セレクトショップでは、すでにそのショップのコンセプトに合ったアイテムだけが並んでいます。

そのなかから選ぶだけで、失敗の確率は大きく下がります。

ラグジュアリーな世界観を体感できるという点では、ハイブランドの旗艦きかん店なども非常に魅力的です。ただ実際には、初心者には少しハードルが高いかもしれないので、いわばアートギャラリーにでも行く感覚でブランドショップを楽しみ、実際のショッピングはセレクトショップに行くというのが実践しやすいと思います。

人気ブランドや新進デザイナーなど、プロの目利きの買い付けで商品構成をしているので、ディスプレイのコーディネートなども参考になるはずです。

セレクトショップを使い分ける

セレクトショップのスタッフは、取り扱っている商品についてよく把握しているスペシャリストでもあります。TPOなど用途を伝えれば、ある程度的確に提案してくれるため、信頼を装うスピードも速まるでしょう。

ここで、私がおすすめするセレクトショップを一部紹介します。それぞれコンセプトが異なるので、実際に足を運んでみることをおすすめします。

信頼をまとうワードローブづくりにおすすめのセレクトショップ一覧


・BARNEYS NEW YORK(バーニーズ ニューヨーク):洗練された大人のためのラグジュアリー
ハイエンド志向で、海外のデザイナーズブランドを多く取り揃えている。オリジナル商品が充実している

・ESTNATION(エストネーション):都会的でクール、ラグジュアリー寄りのハンサムスタイル
キャリア女性と相性がいいテイストが揃う。程よいトレンドを取り入れたオリジナル商品が多彩

・DRAWER(ドゥロワー):上質な日常着、華やかさと知性の両立
ユナイテッドアローズのハイエンドブランド。ラグジュアリーなアイテムを揃える

・TOMORROWLAND(トゥモローランド):エレガントで柔らかなモードベーシック
上質な素材にこだわり、柔らかく女性らしい世界観を表現

・BEAMS(ビームス):トレンド感、ライフスタイルの総合提案ショップ
きれいめ~エッジの利いた幅広いラインナップ

・UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ):上品で知的な都会派ベーシック
王道のきれいめファッションで、「誰でも明日から着られる上品さ」を提案

最初の「10着」にこだわる

同じセレクトショップでも、都心の旗艦店や新しい大型テナントに出店している店舗ほど、商品構成が洗練されている傾向があります。

たとえば「ユナイテッドアローズ」なら、東京港区の「六本木ヒルズ」や、「麻布台ヒルズ」などでショップの空気感だけでも体験してみると、よい刺激になるでしょう。

目で見て、空間で感じる。それがセンスを磨くトレーニングにもなります。

しかし、地方にお住まいの方にとって、頻繁に東京へ足を運ぶのは現実的ではない場合もあるでしょう。その場合は、日常的に感度を高める習慣を持つことが大切です。

ファッション誌に目を通す、洗練されたスタイリングを発信している人をSNSでフォローするなど、小さな積み重ねが確実に審美眼を育ててくれます。

最初の10着は、「信頼をまとう装い」の土台となる大切な投資。だからこそ、安易に妥協せず、できる限りよい環境で選んでいただきたいのです。

ラックにぶら下がっている服
※写真はイメージです
「セール服」を買ってはいけない理由

信頼をまとうファッションには、「一貫性」が必要不可欠です。

どれほど一着一着が素敵でも「会うたびに印象がばらつく人」は、相手にとってつかみどころのない存在になってしまうからです。

信頼をまとうためのワードローブ作りでは、まず理想の自分に通じる「自分軸」を定めることが大切ですが、これも自分に一貫性をつくるためでした。そして同じ理由から、「セール」に行くこともおすすめしません。

自分軸がまだ十分に定着していない段階でセールに足を運ぶと、「似合うか」「必要か」よりも、「安い」という判断基準にベクトルが向きます。

すると、冷静な判断がしづらくなり、本来の目的とは関係のない服を買ってしまいます。これにより、再びクローゼットの統一感が崩れてしまうのです。

結果として「着ない」「合わない」服が増え、時間もお金もエネルギーも消耗し、後悔しか残りません。

そもそも、なぜセールが行われるかというと、定価では売れなかった商品を次のシーズンまで持ち越さないため。つまり多くの場合、「消費期限が近づいた服」を値下げして売ろうとしています。

もちろん、ごくまれに定番品や長く使えるアイテムに出合うこともあります。

しかし、それを見極めるには、経験と目利きが必要。私も今でこそ失敗をしなくなりましたが、以前は失敗したものでした。ワードローブづくりの初期段階では、「投資」のつもりが「浪費」になる可能性が高いので、足を踏み入れないことが得策です。

静かでゆったりとした雰囲気のなか、落ち着いてじっくりと吟味できたほうが、「自分軸」に合ったものを選ぶことができて、ずっと気分もいいはずです。

服を買う際の「5つのポイント」

ショッピングに出かける前に、ひとつだけお伝えしておきたいことがあります。

信頼をまとう服は、「何となく」では決して手に入りません。最後に必要なのは、「選び切るための視点」です。

店頭で「これ、欲しい」と感じた瞬間、少し立ち止まりましょう。

その一着が、本当にあなたの未来にふさわしいかどうか。

次の5つのポイントを確認してみてください。

① 今の自分にふさわしいか?

・ その服は、今の自分の年齢や立場に合っていますか?
・ 無理な「若づくり」になっていないでしょうか?
・ 他人がその服を着たあなたに出会ったとして、「この人は信頼できる」と思えるでしょうか?

② 未来の自分にも通用するか?

・ その服は、「3年後、5年後の自分」も着ていたいと思えますか?
・ 素材や縫製に、安っぽさはありませんか?
・ 一時的なトレンドに、流され過ぎていませんか?

③「手持ちの服」とコーディネートできるか?

・ その服は、「自分軸」に沿ったワードローブに馴染みますか?
・ 手持ちの服と合わせたときに、「最低でも3パターン」のコーディネートが可能でしょうか?
・その服単体の魅力に目を奪われていませんか?

④ 試着した瞬間に「私、素敵!」と思えたか?

・ その服を着てみた瞬間、テンションが上がりましたか?
・ 鏡の前で背筋が伸びる感じがしましたか?
・ その服を着た自分が、自信を持って人と会っているシーンが鮮明にイメージできたでしょうか?

⑤「値段」で判断しようとしていないか?

・ その服を買おうとする理由が、「安い」「高い」などの金額になっていませんか?
・ その価格に見合う価値を、自分自身が感じていますか?
・ 納得してその価格を支払えますか?

真剣な服選びは「投資」になる

「こんなに考えながら服を選ぶのは大変そう」と思ったかもしれません。けれど実は、このプロセスこそが、装いを「消費」から「投資」へと変えていく分岐点です。

長友妙子『信頼を着る 第一印象で選ばれる女性の「装い戦略」』(三笠書房)
長友妙子『信頼を着る 第一印象で選ばれる女性の「装い戦略」』(三笠書房)

特に最初の10着は、時間をかけて吟味してください。ショップスタッフさんとコミュニケーションをとり、試着を重ね、鏡の前で自分と対話しながら、一着一着を選ぶ。

それは、単なる買い物ではなく、「自分の未来をつくる時間」です。

確かな土台さえ構築してしまえば、後は時代や気分に合わせて、しなやかにアップデートしていくだけです。

積み重ねるほどに、ぶれない「自分軸」が確立されていく。鏡の前で自信を持てるその瞬間こそが、ファッション本来の楽しさを教えてくれるのです。

長友 妙子(ながとも・たえこ)
ファッションコンサルタント/エグゼクティブスタイリスト
1983年、スタイリストデビュー。「流行通信」でディレクション&スタイリングを担当。竹内まりや本人からCDジャケットのスタイリングをオファーされたことを機に、芸能界からの依頼が殺到。その後、『CLASSY.』(光文社)、『Precious』(小学館)、『家庭画報』(世界文化社)などの有名女性ファッション誌で表紙や巻頭特集を担当。テレビ・CM・広告・イベントでも第一線のスタイリストとして活躍。2021年に共著『繊細な人の仕事がうまくいくファッションのルール』(光文社)出版。2022年より「長友スタイル~ビジネスが成功する着こなし~」講座をスタート。

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