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100年先も、青空の下でサッカーボールを蹴るために。コールマン×JFAが新プロジェクト始動、その狙いとは?

  • 2026.3.28

2026年3月13日、東京ドームシティ内にあるJFAサッカー文化創造拠点「blue-ing!」(東京都文京区)にて、日本のスポーツ界とアウトドア界の新たなスタンダードを予感させるパートナーシップの発表が行われた。キャンプ・アウトドア用品の大手ブランド「コールマン」を展開するニューウェルブランズ・ジャパン合同会社と、公益財団法人日本サッカー協会(JFA)は、2026年1月1日付で「JFAソーシャルバリューパートナー」契約を締結。単なるブランドロゴの露出を目的としたスポンサーシップではなく、双方が持つアセット(強み)を融合させて社会課題の解決を目指す「価値共創」の歩みを本格化させるという。本記事では、このコラボレーションが生まれた背景や、彼らが描く未来のスポーツシーンについて、会見の様子とともにレポートする。

コールマンとJFAが「JFAソーシャルバリューパートナー」を締結
コールマンとJFAが「JFAソーシャルバリューパートナー」を締結

なぜ「コールマン×JFA」なのか?共通する“心のつながり”と新指針「アスパス!」

【写真】登壇したJFA・専務理事の湯川和之さん(写真左)と、ニューウェルブランズ・ジャパン合同会社コールマン事業部・社長の中里豊さん(写真右)
【写真】登壇したJFA・専務理事の湯川和之さん(写真左)と、ニューウェルブランズ・ジャパン合同会社コールマン事業部・社長の中里豊さん(写真右)

発表会には、JFAの湯川和之専務理事と、コールマンの中里豊社長が登壇。冒頭、湯川さんが語ったのは、JFAが2023年春から舵を切った新しいパートナーシップの在り方だった。「これまでは、代表戦でのロゴ露出といった『宣伝・広告』を主眼とした支援を多くの企業からいただいてきました。しかし2023年春、新たに『JFA PARTNERSHIP PROJECT for DREAM』を始動させました。そこで私たちが最も重視しているのが、単なる資金援助に留まらず、お互いのアセットを出し合って社会に貢献する『価値共創』という考え方です。今回、親しみを込めて『コールマン』と呼ばせていただきますが、コールマンとのパートナーシップ契約は、まさにこの理念を体現する『ソーシャルバリューパートナー』。つまり、単に名前を出すだけでなく、社会貢献や普及活動を“共に創り、進めていく”対等なパートナーとして歩んでいくものです」

「心のつながり、心身の健全な発達を大切にしていくというところで、社会の発展に貢献していく最良のパートナーになるのではないかと感じている」(湯川さん)
「心のつながり、心身の健全な発達を大切にしていくというところで、社会の発展に貢献していく最良のパートナーになるのではないかと感じている」(湯川さん)

JFAは現在、社会貢献の指針「アスパス!」として、環境・人権・健康・教育・地域の5つのテーマを掲げ、次の100年もサッカーが健全に、安全に楽しまれる社会を目指している。この理念を具現化する存在として、コールマンとの提携は必然だったという。

 「アスパス!」 “地球(earth)の未来(明日)のために私たち(us)がつなぐパス”の意を込めた造語で、サッカーファミリーが世代や時代を超えて“パスをつないでいく”という強い決意を表現している
「アスパス!」 “地球(earth)の未来(明日)のために私たち(us)がつなぐパス”の意を込めた造語で、サッカーファミリーが世代や時代を超えて“パスをつないでいく”という強い決意を表現している

これを受け、コールマンの中里さんも、ブランドが歩んできた半世紀の歩みと、これからのビジョンを重ね合わせた。「コールマンは1976年に日本でスタートし、今年で50周年を迎えます。この50年間、我々はキャンプを通じて、家族や仲間、そして自然との触れ合いから生まれる『心のつながり』や『心身の健全な発達』を大切にしてきました。これはJFA様が目指しておられる、サッカーを通じた豊かなスポーツ文化の創造や、心身の健全な発達という理念と驚くほど重なっています」

「我々は主役ではなく“ホペイロ(用具係)”のような存在でありたい。サッカーをする人だけでなく、見守る家族も含めて環境を支えたい」(中里さん)
「我々は主役ではなく“ホペイロ(用具係)”のような存在でありたい。サッカーをする人だけでなく、見守る家族も含めて環境を支えたい」(中里さん)

続けて中里さんは、キャンプ場というフィールドを超え、日本で広く親しまれているサッカーの現場において、アウトドアブランドとしての知見を社会の発展に役立てたいという決意を表明。

湯川さんもこれに呼応し、「サッカーの現場に行けば、多くの保護者の皆様がコールマンのシェードやチェアを日常的に使っていらっしゃるのを目にします。すでに現場での親和性は証明されており、今回の提携はその絆をより強固なものにするものです」と、ブランドへの深い信頼を寄せた。

猛暑から子どもたちを守る。アウトドアの技術を「暑熱対策」のスタンダードへ

提携の具体的なアクションとして、今回のプロジェクトの核となるのが「暑熱対策」である。近年の日本の夏は、もはや酷暑を通り越し、屋外での運動そのものが健康へのリスクを伴うレベルに達している。これは、選手、指導者、審判、そして応援する保護者や観客を含むすべての「サッカーファミリー」にとって、避けて通れない喫緊の課題だ。

サッカー現場に付きまとう暑さ問題。選手だけでなく、応援する家族にとっても「いかに涼しく、安全に見守るか」は切実な課題
サッカー現場に付きまとう暑さ問題。選手だけでなく、応援する家族にとっても「いかに涼しく、安全に見守るか」は切実な課題

続いて登壇した、コールマンのマーケティングディレクター・根本昌幸さんは、今回のサポート領域がJFAの「非大会事業(日本代表戦などの興行ではない、草の根活動の領域)」であることを説明。詳細としては、子どもたちがサッカーと出合う場である「JFAキッズフェスティバル」や、芝生化を推進する「JFAグリーンプロジェクト」といった普及・社会貢献の現場を、独自の高品質なギア投入で支援していく方針を示した。

コールマンのマーケティングディレクター・根本昌幸さん
コールマンのマーケティングディレクター・根本昌幸さん

「特に注目いただきたいのが、弊社独自の『ダークルームテクノロジー』です。日光を90%以上ブロックし、温度上昇を抑えるこの技術を搭載したシェードを現場に導入することで、過酷な夏場でも涼しく、安全に休憩できるスペースを確保します。また、高い保冷力を持つ人気のクーラーボックス、荷物を効率的に運べるワゴンなどを活用して、イベントに参加した子どもたちやご家族が快適に過ごせる環境を作っていきます」

「熱中症ゼロ」を目指すダークルームテクノロジーを駆使したシェード
「熱中症ゼロ」を目指すダークルームテクノロジーを駆使したシェード

さらに、JFAが2008年から継続し、これまで約350ピッチ相当を芝生化してきた「JFAグリーンプロジェクト」との連携についても、「芝生を植える活動の場にコールマンのシェードやチェアを置くことで、誰もが心地よく休憩できる空間が生まれます。スポーツを楽しむ人、応援する人、社会貢献活動をする人などが共に快適に過ごせる環境づくりを、我々の製品を通じて多角的にサポートしていきます」と力説。

ポット苗の植え付けに集まった参加者。芝生の苗を50センチ間隔で植えていく
ポット苗の植え付けに集まった参加者。芝生の苗を50センチ間隔で植えていく

会場には、最新のシェードやクーラーボックスなどが展示され、フォトセッションが行われた。アウトドアの現場で培われた“過酷な環境に対向するための技術”が、今後はサッカースタジアムや地域の練習場でも「安全のスタンダード」として浸透していく。その確かな手応えが感じられるプレゼンテーションとなった。

会場に展示されたコールマンのアイテム。熱中症対策に活躍必至!
会場に展示されたコールマンのアイテム。熱中症対策に活躍必至!

遊びが学びに、学びが絆に。キックオフイベントの開催も!

プロジェクトの本格始動を告げるキックオフイベントとして、2026年3月28日には千葉県・高円宮記念JFA夢フィールドにて「JFA×コールマン キッズフェスティバル」が開催された。このイベントは、サッカー経験の有無を問わず、未就学児から小学校3年生までの子どもたちが“触れる・学ぶ・動く”をテーマに楽しめる体験型フェスティバルで、通常のサッカー教室に加え、アウトドアブランドのコールマンならではのユニークなコンテンツが多数体験できる。

実際のコールマン製品を使った焚き火体験をはじめ、寝袋やクーラーボックスを使ったイベントなど、遊びを取り入れたプログラムが満載
実際のコールマン製品を使った焚き火体験をはじめ、寝袋やクーラーボックスを使ったイベントなど、遊びを取り入れたプログラムが満載
特別ゲストとして元日本代表の本並健治さんと丸山桂里奈さん夫妻も登場予定
特別ゲストとして元日本代表の本並健治さんと丸山桂里奈さん夫妻も登場予定

説明会の締めくくり、湯川さんが発した「社会よし!コールマンよし!JFAよし!」という言葉。このシンプルな“三方よし”の理念に、提携のすべてが凝縮されている。日本上陸50周年を迎えたコールマンと、次の100年を見据えるJFA。この両者がタッグを組んでグラウンドに描こうとしているのは、勝敗の行方を超えた先にある、誰もが笑顔で集える持続可能なコミュニティの姿にほかならない。企業と協会が手を取り合い、子どもたちや地域社会に具体的かつ持続可能なメリットをもたらすこの「価値共創」プロジェクト。酷暑の夏、シェードの下で一息つく親子や緑の芝生でくつろぐ人々の姿…、そんな新しい日常を創り出すこのプロジェクトの今後に、今から期待が高まるばかりだ。

「三方よし」の理念が描く未来図。アウトドアの知見が、サッカーを愛するすべての人に、より快適で持続可能な喜びをもたらしていく
「三方よし」の理念が描く未来図。アウトドアの知見が、サッカーを愛するすべての人に、より快適で持続可能な喜びをもたらしていく

取材・文=水島彩恵

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