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「今日の服、これでいいかな?」デート前に恋人に送信しようとしたら、親族に送ってしまった結果【短編小説】

  • 2026.3.30

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

彼との記念日

3ヶ月前から心待ちにしていた、彼との特別な記念日。

朝からクローゼットをひっくり返し、ようやく決めたのは一週間前に新調したばかりのワンピース。

鏡に映るのは、少し背伸びをした大人な自分。

お気に入りのピアスを揺らし、何度も前髪を整えて、準備は万端。

「うん、バッチリ。……たぶん」

自信満々なはずなのに、どうしても最後の一押しが欲しくなる。

彼に「可愛い」と笑ってほしい。その一心で、私はスマホを手に取りました。

鏡越しに、少し照れくさいポーズで自撮りを一枚。

「今日の服、これでいいかな?」

甘えたメッセージを添えて、迷わず送信ボタンをタップ。

……しかし、その瞬間、私の指先は凍りつきました。

最悪な送り先

画面の一番上に表示されていたのは、大好きな彼の名前ではありません。

「親族の集い」という、おじもおばも勢揃いした、総勢十五名のグループチャット。

よりによって、親戚一同に渾身の「あざとい自撮り」を全力投下してしまったのです。

「嘘、やだ、消さなきゃ!」

焦れば焦るほど、画面を叩く指は空回り。

取り消しボタンを探す私の視界を遮るように、無情にも増えていく「既読」の数字。

一瞬にして、私の頭の中は真っ白なパニック状態に陥りました。

すると、静かだったスマホが、これまでにないほど激しく震え始めたのです。

「まあ!とっても華やかで素敵」

お節介なおばさんからの、まさかの大絶賛。

「よく似合っているぞ。どこかへお出かけか?」

普段は仏頂面で厳しいおじさんまで、温かい言葉をかけてくれる始末。

従兄弟からは「めちゃくちゃ気合入ってるじゃん(笑)」と、茶化すような文章が次々に連打されます。

親族全員から寄せられる、痛烈かつ温かい称賛の嵐。

彼にだけ見せるはずだった勝負服は、デート前に親戚一同へ完全公開されるという結果となりました。

スマホの通知が止まらない中、私は恥ずかしさのあまり鏡の前でうずくまります。

その後、真っ赤な顔で彼との待ち合わせ場所に向かったものの、頭の中は親族からの「似合ってるよ!」という合唱でいっぱい。

せっかくの勝負服も、なんだか実家の居間にいるような気分で、そわそわして落ち着きません。

メッセージを送る前の宛先確認。

これだけは、どれほど浮かれていても怠ってはいけないと痛感した、忘れられない記念日の幕開けでした。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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