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「結局、ほとんど使っていない」ファミリークローゼットの落とし穴…10年後に後悔しない"間取り選びの鉄則"

  • 2026.3.27
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、元注文住宅営業マンのホリカワです。

近年、注文住宅で「ファミリークローゼット」が注目されています。

「衣類の収納を1か所に集約し、生活動線を短くできる」「着替えから身支度まで1か所で完結する」――そんな利便性が、多くの共働き家庭に響いているようです。

しかし実際には、「つくってよかった」という声がある一方で、「朝の支度がかえって大変になった」「結局、ほとんど使っていない」という後悔の声も少なくありません。

皮肉なことに、もっとも恩恵を受けるはずの共働き家庭ほど、このリスクに注意が必要です。いったい、なぜそんなことが起きるのでしょうか。

「収納を1か所に集める」の落とし穴

収納を1か所に集めると、便利になる反面、じつは注意点も生まれます。

便利な収納が「朝のイライラ」に変わる瞬間

ファミリークローゼットの「収納が簡単」「動線が短い」というメリットは、家族全員の衣類を1か所に集約することで生まれます。

しかし、その裏を返せば「家族全員が同じ場所に集まりやすくなる」ということでもあります。

共働き家庭の多くは、朝の出発時間が重なりやすく、家族が同じ時間帯に着替えをおこなう場面が増えがちです。そのため、ファミリークローゼット内で混雑が起きやすくなります。

体がぶつかる、鏡の取り合いになる、引き出しを開けたくても誰かがいて開けられない――便利なはずの間取りが、朝のイライラを生む原因に変わる瞬間です。

「10年後の家族」を想像できているか

さらに見落とされがちなのが、「子どもが思春期を迎えたあと」のことです。

親と同時にクローゼットを使うことに抵抗を感じるようになり、着替えの順番待ちが発生したり、結局は自分の部屋に服を持ち込んで着替えたり――というケースも少なくありません。

そうなれば、ファミリークローゼットをつくった意味が薄れてしまいます。

間取り図を見て「便利そう」と感じるのは、無意識に「自分1人が使う場面」を想像しているからかもしれません。

「朝の渋滞」を避けるための設計のポイント

ファミリークローゼットを検討する際にまずやってほしいのが、「家族全員が同時に使う朝のシーン」の具体的なシミュレーションです。

「何人が同時に入るか」から広さを決める

具体的な広さを決める際は、収納量だけでなく、同時使用する人数も考慮しましょう。

目安として、2畳では3人以上の同時使用は窮屈になりやすいでしょう。4人家族であれば最低3畳、できれば4畳以上を確保したいところです。

また、面積だけでなく、人がすれ違える通路幅(可能であれば90cm以上)が確保されているかも重要なチェックポイントです。

通り抜けられると、混雑が和らぐ

また、入口と出口を分けたウォークスルー(通り抜け)タイプにすると、一般的に収納量は減りますが、混雑が緩和されやすくなります

一方通行ではなく、流れるように動ける設計は、朝の時間帯に大きな差を生んでくれるでしょう。

なお、間取りや敷地条件によって設置できるかどうかが変わるため、担当の設計者に相談してみてください。

「1か所に集める」にこだわらない

子どもが思春期を迎えている、またはいずれそうなる家庭では、クローゼットを1か所に集約しない「分散型」の設計も検討してみてください。

子ども部屋にもミニクローゼット、あるいはワードローブが置ける場所を設けて収納を分散しておくことで、親子それぞれのプライバシーを守りやすくなります。

将来的にリフォームで子ども部屋の収納を追加したい方は、あらかじめ配置や床・壁の補強などを設計段階で相談しておくことが重要です。

ファミリークローゼットの成功のカギは「渋滞緩和」と「10年後」

ファミリークローゼットは、正しく設計できれば動線が短くなり、洗濯物の片づけもラクになる優秀な間取りです。

ただし、家族がストレスなく使えるか、10年後の親子の距離感にも対応できるか――そういった視点まで含めて検討することが、後悔の回避につながります。

共働き家庭こそ、ファミリークローゼットの設計に時間をかけ、ぜひ成功させてほしいと思います。


ライター:ホリカワ ダット
注文住宅の建築会社に営業職として従事したあと、SEOライターとして独立。500組以上の家づくり相談に携わった経験をもとに、「マイホーム取得を少しでもラクに」をテーマに、住宅ジャンルの記事を幅広く執筆中。インテリアコーディネーター/1級カラーコーディネーター(商品色彩)資格保有。


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