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ホタル族「ベランダで吸って何が悪い」隣の煙で窓が開けられないのに…「理事長と副理事長も喫煙者だった」

  • 2026.3.27
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わってきた、マンション管理士のライターS.Kです。

マンションのベランダから漂ってくるタバコの煙に、悩まされた経験はおありでしょうか。隣人のタバコのせいで洗濯物に臭いがつくと怒る非喫煙者と、自分の家で吸って何が悪いと主張する喫煙者の対立は絶えません。

今回は私がフロント担当時代に経験した実例を交えて、マンションにおける喫煙問題のリアルをお伝えします。

バルコニー喫煙のグレーゾーンと法的現実

大前提としてバルコニーは、特定の居住者に専用使用権が与えられた共用部分です。近年分譲された新築マンションなどでは、最初から管理規約で喫煙禁止と明記されるケースが増えてきました。しかし築年数が経過した物件では、タバコに関する明確な記載がないことが少なくありません。

規約に火気厳禁とあっても、喫煙者から「タバコは火気に当たらない」と反論されれば、強制的にやめさせるのは困難といえるでしょう。受忍限度を超えたとして数万円程度の損害賠償が認められた判例もありますが、裁判の労力を考えると根本的な解決には結びつきにくいのが実情です。

完全禁煙化を阻む高い壁と理事会での実態

こうしたグレーゾーンを解消するためには、規約を改定してマンション全体を完全禁煙にするしかありません。私がフロント担当だった時代にも、非喫煙者の居住者からお困りの声とともに「バルコニーを禁煙化できないか」という要望を理事会へ伝えたことがありました。

しかし、当時の理事長と副理事長自身が喫煙者であり「ベランダで一服できなくなると困りますね…」と苦笑いされたのです。結果として議論はそれ以上進むことなく、立ち消えになってしまいました。既存の権利を後から制限するのは、想像以上に難しいのが現実です。

規約変更のハードルと購入前の確認

そもそも管理規約を変更するためには、区分所有法に基づく特別決議が必要になります。これは区分所有者総数および議決権の各4分の3以上の賛成が求められる、非常に厳しい条件といえるでしょう。

総会に出席した人の4分の3ではなく、不在者も含めた全区分所有者の4分の3であるため、非常に高いハードルとなって立ちはだかるのです。タバコの煙に敏感な方は、物件購入の際に事前に管理規約を確認してみることをおすすめします。バルコニーでの喫煙禁止が明文化されているかチェックしておけば、後々のトラブルを避ける安心材料になるはずです。

トラブル発生時の防衛策と組織的対応

もし現在住んでいるマンションでトラブルが発生した場合、直接当事者に注意しに行くのは絶対に避けるべきです。当事者同士の直接交渉は感情的な対立を生みやすく、無用なトラブルへと発展するリスクが高いためです。

必ず管理組合や理事会に対して書面で相談し、組織としての対応を求めてください。遠回りに見えるかもしれませんが、第三者を介して冷静に交渉を進めることが安全な解決策となります。

快適な住環境を守るためにも、ルールと組織を味方につけた賢い対応を心がけましょう。

※20歳未満の者の喫煙は、法律で禁じられています



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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