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怒鳴らないから余計怖い…高級分譲マンション管理員が震えた"50代男性居住者による"カスハラ手口

  • 2026.3.27
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わってきた、マンション管理士のライターS.Kです。

今回は私が不動産管理会社に勤務していた頃、他部署のフロント担当者から相談を受けた、社会的地位の高い居住者による「カスハラ」の恐怖について解説します。

管理会社の担当者を追い詰める手口や、過度なクレームがマンションの資産価値を毀損する構造的な問題をお伝えしましょう。

理詰めで担当者を追い詰める上品な脅し

地方都市の高級分譲マンションを担当していた他部署のフロント担当者から、50代の男性居住者による執拗なクレームについて話を聞いたことがあります。その方は社会的な地位もあり、苦情を伝える際も大声で怒鳴るような激しい行動はとりません。

しかし、個別の電話やメールで「この対応について御社の本社は把握しているのか」と、理詰めで担当者をじわじわと追い込んでくるのです。さらに悪質なのは「親会社の〇〇さんを知っていますか。今度あなたのことを伝えておくよ」という、人脈をちらつかせた静かな脅しです。暴言がないからこそ周囲からは事態が見えにくく、担当者は精神的に深く傷つけられました。

ストックビジネスの弱みと事態の収拾

マンション管理業は一度契約すれば長く収益が続くストックビジネス(継続課金型のビジネスモデル)であるため、契約を切られることを恐れて会社として強く出られない弱みがあります。

終わりのない過剰な要求に板挟みとなったそのフロント担当者は、ついに心身に不調を来して交代を余儀なくされてしまいました。これ以上の疲弊を防ぐため、最終的には彼の上司が前面に出る決断を下します。

個人的なやり取りを一切やめさせ、「担当者個人ではなく組織として対応する」と毅然とストップをかけて事態を収拾しました。担当者を守るためには、会社が組織の壁となって理不尽な要求を跳ね返す姿勢が不可欠です。

カスハラが引き起こす資産価値の低下

マンション管理への不満を持つこと自体は、居住者の正当な権利です。しかし問題なのは、その伝え方が社会通念上許容される範囲を超え、担当者を追い詰めてしまう場合です。

マンション管理業協会の調査によると、直近3年間で64.7%の担当者がカスハラを経験しており、非常に深刻な問題となっています。理不尽な要求を繰り返すクレーマーの存在は、フロント担当者の離職を招き、結果的にマンション全体の管理品質を低下させます。

つまり過度なクレームは、自身の資産価値を毀損する最大の要因であると認識すべきでしょう。

契約拒絶のリスクと資産を守るための行動

国土交通省も2023年9月の標準管理委託契約書改訂で、カスハラ条項を新設しており、前述のような言動はカスタマーハラスメントに該当し得る行為と考えられます。理不尽な居住者を放置する管理組合に対しては、管理会社側から契約更新の拒絶を突きつけるケースも出てきている状況です。

お金を払っているからといって過剰な要求を繰り返せば、管理を委託できなくなるリスクが高まるでしょう。もしお住まいのマンションで管理員や担当者への過剰な要求を目撃した場合は、理事会に報告し、管理組合として対処を求めることが、住環境と資産価値を守る第一歩となります。良きパートナーとして管理会社を尊重し、快適なマンションを作っていくことをおすすめします。



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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