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新築「4,980万円〜」のチラシを見て来場しても、最終予算が5,980万円に跳ね上がり後悔してしまうワケ

  • 2026.3.27
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産業界歴15年で現在は不動産ライターとして活動している西山です。

新築マンションのチラシなどで「4,980万円〜」といった目を引く価格表記を目にしたことがあるかもしれません。「この価格なら手が届くかもしれない」と期待して、モデルルームへ足を運ぶ方も多いでしょう。

今回は広告の最低価格で販売される部屋の仕組みと、後悔しないための賢い選び方について解説します。デベロッパー(マンションを企画・開発・販売する開発業者)の戦略を理解し、広告の裏側を知ることで、自分に合った住まいを見つけるヒントにしてみてください。

予算が自然と引き上がる比較検討のカラクリ

広告に大きく掲載される最低価格の部屋は、業界内で俗に「キャッチ住戸」や「パンダ部屋」と呼ばれています。これは最も条件が厳しい部屋の価格を抑え、広告に目立つように表示することで検討者の来場を促す正当な広報手法です。

例えば予算5,000万円の方が「4,980万円〜」の広告を見て訪れた場合、実際の図面を見ると半地下や北向きの部屋などで、検討から外れてしまうケースが少なくありません。そこで営業担当者は、日当たりの良い部屋として5,980万円の図面もあわせて提示します。

比較するうちに「一生に一度の買い物だし、35年ローンに直せば月々の差額はわずかだから」と考え方が変わっていきます。結果として予算を引き上げ、条件の良い部屋を選ぶケースは非常に多いです。

あえてキャッチ住戸を選ぶポジティブな選択

販売戦略に乗せられて予算を上げる人が多い一方で、キャッチ住戸が必ずしも避けるべき部屋というわけではありません。日中は仕事で家にいない単身者や共働き世帯にとっては、日当たりを完全に割り切ることで大きなメリットが生まれます。

新築ならではの充実した設備や高いセキュリティに加えて、好立地という恩恵を物件内における最安値で手に入れられるからです。実際に日中ほとんど家にいない共働き夫婦が、浮いた予算でインテリアにこだわった結果、非常に満足しているという声もあります。

自身のライフスタイルと照らし合わせ、日当たりや眺望が本当に必要かどうかを見極めれば、非常に合理的な買い物が成立するでしょう。ただしキャッチ住戸は、広告の目玉として販売時期がコントロールされたり希望者が集中して抽選になったりする場合もあります。そのため、購入を検討する際は早めに営業担当へ意思を伝えておくのが得策です。

モデルルームへ行く前の心構えと優先順位

広告に記載されている最低価格は、あくまでそのマンションを検討するための入り口となる価格であり、平均価格ではありません。モデルルームは豪華な設備や魅力的なオプション仕様にあふれており、検討者の予算が自然と上がりやすい空間として作られています。

だからこそ足を運ぶ前に、自分たちの絶対的な予算の上限をしっかりと決めておくことが重要です。あわせて日当たりや、窓からの景色にいくらまでならお金を出せるかという、優先順位を明確にしておく必要があります。

雰囲気に流されて無理な住宅ローンを組むことのないよう、冷静な判断基準を持っておくことが、不動産選びで後悔しないための大切なポイントといえるでしょう。



ライター:西山雄介(宅地建物取引士・マンション管理士などの資格所有)
不動産業界歴15年。新卒で東証プライム上場のマンションデベロッパーに入社後、計2社で新築・中古販売および管理業務に従事。実務現場を経て管理職も歴任し、組織運営にも携わる。現在はその多角的な視点を活かし、実務解説から不動産投資、法律事務所案件まで、専門性の高いコンテンツ制作・ディレクションを行っている。


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