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「来月まとめて払います」嘘が招く末路は?プロが明かす、家賃滞納で“やってはいけない”3つの言い訳

  • 2026.3.25
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。大学卒業後に大手不動産会社へ入社し、現場経験を積んできたライターのT.Sです。

日々の生活の中で、うっかり支払いを忘れてしまったり、急な出費で引き落としに間に合わなかったりした経験を持つ方は多いのではないでしょうか。

不動産管理の現場で家賃の督促業務を行っていると、滞納している居住者から必ずと言っていいほど聞かされる「お決まりの言い訳」が存在します。

今回は私の15年の実務経験をもとに、滞納者が陥りがちな3つの言い訳パターンと、それが招く取り返しのつかないリスクについてお伝えします。

現場で頻発する家賃滞納の3大言い訳

私が現場で対応してきた中で、最も遭遇頻度が高かったのが「来月まとめて払います」という言い訳です。本人は本気で払う気があるのですが、実際に翌月に2ヶ月分をまとめて払えた人は3割にも満たない印象を受けました。

これは未来の自分ならなんとかできるという、楽観主義によるものです。管理会社はこれを口約束で終わらせず「いつ、いくら払うか」の支払い計画書を提出させて現実を直視させます。

二つ目は「振込先が分からなくて」と、管理会社へ責任を転嫁するパターンです。これに対し管理会社は感情的に反論せず、督促状に明記している事実を伝えつつSMSなどでも即座に口座情報を送り、確実な対応を求めます。

三つ目は「入院していて」など、同情を引きやすい不可抗力を装うケースです。事情は承知したと伝えた上で診断書のコピーなどを求めると、回答に窮したり音信不通になったりする事態も非常に多く見られました。

その場しのぎの嘘が強制退去の証拠になる

こうしたその場しのぎの言い訳は、滞納者にとってはただの時間稼ぎのつもりかもしれません。しかし実務上は極めて危険な行為といえ、管理会社は「来月払うと約束したが未入金」「入院したと嘘をつかれた」といった対応履歴をすべて記録しています。

これが積み重なると、将来的に強制退去に向けた裁判になった際に大きな不利益を被る可能性があります。賃貸契約の解除が認められるためには、一般的に、裁判上で信頼関係の破壊が認定される必要があるからです。不誠実な対応の記録は、この信頼関係の破壊を認定するための重要な材料の一つになってしまうのです。

滞納というトラブルを、取り返しのつかない事態に発展させないための最大の防衛策は、できない約束をしないことだといえます。「来月全額払います」と嘘をつくより「今月は3万円しか払えませんが、残りは25日の給料日で払います」と、事実に基づいた現実的な数字を伝えることが大切になります。

家賃が払えないときに身を守る正しい交渉術

管理会社の最大の目的は、居住者を責めることでも追い出すことでもなく、大家さんに正確な状況を報告して家賃を回収することです。無理な言い訳をせず自ら進んで正直に状況を開示してくる居住者に対しては、管理会社も分割払いなどの柔軟な交渉に応じやすい傾向があります。

家賃滞納における最大の誠意とは、その場しのぎの理由を取り繕うのではなく、嘘をつかずに連絡を取り続けることにほかなりません。もし個人の努力で解決できない減収に陥った場合は、自治体の「住居確保給付金」などの制度を活用するのも一つの手です。

支給決定後から一定期間の家賃相当額を自治体が直接貸主に支払う制度ですが、すでに滞納した分には充てられません。手遅れになる前に、困窮した時点ですぐに相談することが重要になります。ご自身の信用と住まいを守るためにも、トラブルが起きたときこそ誠実な対応を心がけてみてください。

参考:住居確保給付金 制度概要(厚生労働省)



ライター:T.S(宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして、業界の不都合な真実や消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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