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「千葉なのに7億円!?」全677戸の半数以上が1億円超…船橋のタワマンに富裕層が殺到する“意外なワケ”

  • 2026.3.24
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産業界歴15年で現在は不動産ライターとして活動している西山です。千葉県の船橋駅南口の西武百貨店跡地に建設中の、地上51階建てタワーマンションの最上階が、約7億2,900万円で販売されるというニュースをご存じでしょうか。

全677戸の半数以上が1億円を超える億ションと報じられ、SNSなどでは「千葉なのに7億!?」「都心が買えない層が流れているだけでは」と驚きや懐疑的な声が広がっています。

一見すると信じがたい価格設定に思えるかもしれませんが、プロの目線で分析するとそこには価格を支える合理的な要因が存在すると考えられます。今回はこの話題のタワーマンションを例に挙げ、地名だけで物件を判断する危険性と、郊外ならではの強みについて解説しましょう。

「都心から押し出された層」という勘違い

不動産業界では俗に、都心から神奈川や埼玉、そして千葉へと価格上昇が波及していく動きを「“の”の字の法則」と呼ぶことがあります。一般的には都心の価格高騰から押し出された人が、郊外の物件を買っていると思われがちですが、実際の現場における引き合いは少し違ってきます。

買い手の中心となるのは、地元の地主層による実需(自分が住むための購入)やセカンドハウス需要などです。さらに都内の経営者や医師などの富裕層が「千葉県内で最も高いマンション」という圧倒的なステータスと資産性に価値を見出し、買いに走るのがリアルな実態といえます。情報感度の高い層は地名というバイアスに囚われず、物件そのものの価値を冷静に見極めているわけです。

都心のタワーマンションにはない眺望の価値

この物件の凄みは、JR船橋駅から徒歩2分という近さに加え、商業施設と一体になった足元の強さだけにとどまりません。私自身、かつてタワーマンションの販売に携わった経験から、眺望の抜けが価格に与える影響の大きさはよく知っています。

周囲に超高層の建物が少ない船橋だからこそ、上層階に上がれば海から都心方面まで360度見渡せるという、非常に希少なメリットがあります。

都心のタワーマンションで起こりがちな「窓を開けたら隣のビル」という窮屈さはありません。東京駅まで最短25分という利便性を掛け合わせれば、7億円という価格にも一定の合理性があると見ることができます。「高いお金を払ってでも手に入れたい」と感じる魅力的な環境が、そこには用意されていると言えるでしょう。

過去の相場観に縛られない物件選びの極意

もちろん郊外のランドマーク物件はエリアの最高値となるため、将来の売却時に買い手が限定されるリスクには注意が必要です。また当該物件は2028年3月の竣工予定であり、完成までの市況変動リスクも考慮しなければなりません。

それでも「船橋だから安くて当然」という過去の相場観や「都心至上主義」という先入観だけで物件を評価するのは危険です。エリアの名前だけで物件を色眼鏡で見ている間に、優良な資産は着々と富裕層に買われていってしまいます。

郊外であっても駅前再開発エリアの中心にあり、その地域で最も目立つランドマーク物件は、利便性と資産性を両立しやすい傾向が見られます。皆さまが家を買う際も、過去の地名のイメージに縛られるのではなく「駅力と再開発の規模とランドマーク性」のフラットな掛け算で物件を評価することが、後悔しにくい物件選びのポイントになるでしょう。



ライター:西山雄介(宅地建物取引士・マンション管理士などの資格所有)
不動産業界歴15年。新卒で東証プライム上場のマンションデベロッパーに入社後、計2社で新築・中古販売および管理業務に従事。実務現場を経て管理職も歴任し、組織運営にも携わる。現在はその多角的な視点を活かし、実務解説から不動産投資、法律事務所案件まで、専門性の高いコンテンツ制作・ディレクションを行っている。


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