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担任「わかりました…」W杯で子どもを学校に遅刻させる保護者、元小学校教師の“リアルな本音”は

  • 2026.6.29
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

サッカーワールドカップなど、数年に一度の大きなスポーツイベントがあるとき、「子どもにリアルタイムで観戦させたいけれど、学校を遅刻・欠席させてもいいのだろうか」と悩む保護者は少なくありません。

実際にSNSでも、「一生に一度の経験だから見せたい」「思い出になる」といった声がある一方、「学校生活や生活リズムを優先すべき」との意見もあり、さまざまな考え方が見られます。

子どもに貴重な経験をさせてあげたいという思いと、学校生活を大切にしたいという思いの間で、葛藤してしまう保護者も多いのではないでしょうか。こうした理由による欠席について、学校現場ではどのように受け止められているのでしょうか。

そこで今回は、元小学校教諭の風間千歌さんに、スポーツ観戦や家庭の予定を理由に学校を休むことに対する学校現場の本音や、保護者が知っておきたい注意点について詳しく伺いました。

日本代表戦での遅刻・欠席はあり?学校現場ではどう受け止められている?

---サッカーワールドカップなどの大きなスポーツイベントを理由に、子どもを遅刻させたり欠席させたりすることについて、学校側はどう受け止めるのでしょうか?

風間千歌さん:

日本代表戦などの大きなスポーツイベントを理由に子どもが遅刻・欠席する場合、学校としては基本的に、各家庭の判断として受け止めることになると思います。

もちろん、学校は学習の場であり、日々の授業や生活リズムを大切にしています。そのため、教員側から安易に欠席や遅刻をすすめることはできません。一方で、サッカーワールドカップの日本代表戦のような機会は4年に一度であり、サッカーを習っている子やスポーツに強い関心のある子にとっては、とても大きな意味をもつ経験になることもあります。

教員の中にも「自分も見たい」「子どもたちと話題を共有したい」と感じる人は少なくないでしょう。以前、勤務時間中に代表戦が行われた際は、子どもたちを下校させた後、試合結果を確認する職員がたくさんいました。また、私自身も子どもの頃、学校で日本代表戦を見せてもらった記憶があります。そうした体験が楽しい思い出として残っている一方で、現在は授業時数や教育課程の関係もあり、保護者の考えもさまざまです。学校で一斉に観戦することは簡単ではありません。

「学校生活を優先したい」という考えも、「貴重な経験として見せたい」という考えも、どちらも理解できます。最終的には、学習面や生活リズムへの影響も含めて、家庭で判断することになるでしょう。

スポーツ観戦や家族の用事 正直に理由を伝えても大丈夫?

---日本代表戦に限らず、スポーツ観戦や家族のイベントのために学校を休ませたり遅刻・早退させたりするケースは、実際にあるのでしょうか?また、理由は正直に伝えても良いのですか?

風間千歌さん:

教員をしていたころ、スポーツ観戦や家庭の予定を理由に、欠席・遅刻・早退をするケースはありました。

たとえば、野球観戦で「普段はなかなか取れないチケットが取れたから」「抽選でチケットが当たったから」と早退する児童がいました。また、「誕生日を家族みんなで祝いたい」「父親が土日も勤務で家族旅行に行きにくいため、平日に休んでイベントに出かける」といった理由で欠席するケースもありました。「カードゲームの大会に出場する」と話してくれた子もいましたね。

こうした予定は、数週間前から数日前には決まっていることが多いため、保護者の方から連絡帳や電話、連絡フォームなどで、理由を正直に知らせていただくことがほとんどでした。学校としては、特別に問いただしたり、否定したりするのではなく、通常の欠席・遅刻・早退の連絡として受け止めていました。

保護者の方には「分かりました」とお伝えし、子どもには「そうなんだね。楽しんできてね」と声をかけることもありました。もちろん、学習面の遅れが生じる場合は家庭で確認してもらう必要がありますが、こうした場合も基本的には各家庭の判断として扱っていました。

家庭の判断で休ませる際、保護者が知っておくべき注意点とは?

---家庭の判断で遅刻・早退・欠席をさせる場合、保護者が気を付けるべきことや、事前に準備しておくべきことは何でしょうか?

風間千歌さん:

これまでお話ししてきたように、スポーツ観戦や特別なイベントを理由に遅刻・早退・欠席をするかどうかは、基本的には各家庭の判断になります。ただし、その際に意識しておきたいのは、安全面と学習面のフォローです。

まず、普段と違う時間に登下校する場合は、保護者の送り迎えが必要になることが多いと思います。通常の登下校時間と違う時間帯は、見守りの目が少なくなることもあり、子どもが一人で移動するにはリスクが高まります。実際に、家族の予定で早退する児童が一人で帰ろうとし、保護者の方に連絡したところ「迎えが必要なんですか?」と驚かれたこともありました。

また、欠席した分の学習についても、基本的には家庭でフォローする意識が必要です。以前、家族旅行で数日お休みされたご家庭から「休んだ分の板書をすべて撮影してプリントアウトし、まとめて渡してほしい」とご要望をいただいたことがありました。担任側も、登校後に簡単に確認したり、配布物を渡したりすることはできますが、一人の児童のために授業内容や板書をすべて個別にまとめて渡すことは、現場の体制上難しい場合があります。

学校に連絡する際は、理由をごまかす必要はありません。予定が決まった時点で早めに伝え、安全面や学習面について家庭でどう対応するかも考えておくとよいでしょう。」

学校へは理由を正直に!事前の連携と家庭でのフォローを忘れずに

一生に一度のようなスポーツ観戦や、特別な家庭の予定は、子どもにとってかけがえのない経験になることがあります。学校側も一律に否定するわけではなく、各家庭の判断として受け止めていることが分かりました。

大切なのは、学校へ連絡する際に理由をごまかさず、予定が決まった時点で早めに相談することです。その上で、通常と異なる登下校の送り迎えなどの安全対策や、休んだ分の学習のフォローについて、家庭が責任を持ってしっかりと準備しておく必要があります。

学校と良好な関係を保ちながら、事前にやるべきことを整えて、子どもにとって素晴らしい思い出となる時間を作ってくださいね。


監修者:風間千歌
小学校教諭として10年以上、公立小学校に勤務したのち、2人目の妊娠を機に退職。現在はフリーランスライターとして、教員経験を活かした教材制作や入試問題の解説のほか、育児・教育分野のウェブメディアで執筆を行っている。

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