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「マンション管理費が安い」は、実は“危険信号”だった。国の新ルールでバレてしまう、将来「売れないマンション」

  • 2026.2.10
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。かつてマンション管理業界団体の評価制度策定委員会に所属し、管理状態を数値化する仕組み作りに携わっていたS.Kです。

不動産業界には、古くから「マンションは管理を買え」という格言があります。もちろん、資産価値を決める最も重要な要素は「立地」と「築年数」です。

しかし、その大切な資産価値を「長く維持できるか」は、間違いなく管理の質にかかっています。ただ、これまでは「何をもって管理が良いとするか」の基準があいまいで、一般の方には判断が難しいのが実情でした。

そこで登場したのが、管理の質を客観的に判断する新たな物差しとなる「マンション管理計画認定制度」です。今回は、この制度がどのように資産価値に関わってくるのか、プロの視点で解説します。

「管理が良い」が可視化される時代の到来

国が推進する「マンション管理計画認定制度」は、マンションの管理組合が作成した管理計画を自治体がチェックし、一定の基準を満たせば「認定」を与える仕組みです。

これまで「管理が良いマンション」の定義は曖昧で、不動産広告のキャッチコピー程度にしか捉えられていませんでした。しかしこの制度の普及により、管理状態が公的に「格付け」される時代へと突入しています。

認定を受けたマンションは「国のお墨付き」を得た優良物件として差別化できる材料となります。一方で認定を受けられない、あるいは無関心なマンションは、相対的に「管理に不安がある物件」というレッテルを貼られかねません。

認定なし物件は「ローン金利」で敬遠される

この格付けが資産価値に与える影響は、単なるイメージダウンだけにとどまりません。既に経済的な実害が出始めている点にも、注目する必要があります。

認定を受けたマンションを購入する場合、住宅ローン「フラット35」の金利引き下げを受けられるメリットがあります。買い手である検討者の視点に立てば、金利優遇が受けられない「認定なし物件」は、購入候補から外れるリスクが高まるでしょう。

「管理費を安く抑えること」ばかりを重視して、必要な修繕費を積み立ててこなかった管理組合は、認定基準を満たすことができません。認定の有無が、将来的に「売れるマンション」と「売れないマンション」を分ける決定打になる可能性があるのです。

資産価値を守るために今すぐ確認すべきこと

それでは、マンションの区分所有者はこの事態にどう向き合えばよいのでしょうか。まずはご自身のマンションが認定を受けているか、あるいは取得に向けた動きがあるかを理事会議事録などで確認してみてください。

認定取得には、長期修繕計画の適切な見直しや総会運営の透明性確保など、管理の「要所」を押さえる必要があります。まだ動きがないのであれば、一区分所有者として声を上げ、管理会社や理事会に働きかけることが重要です。今のうちに認定取得へ舵を切らなければ、資産価値の二極化という波に飲み込まれてしまうかもしれません。



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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