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『確定申告をしない会社員』数十万円損しているかも。お金のプロが明かす、還付金を受け取れる「意外なケース」とは?

  • 2026.2.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「会社員だから確定申告とは無縁だ」「年末調整で税金関係はすべて済んでいる」――そう思っていませんか? もしあなたがそう考えているなら、実は数十万円もの還付金を受け取るチャンスを逃しているかもしれません。多くの方が抱くこの誤解が、知らず知らずのうちにあなたの大切なお金を見送ってしまっている可能性があります。本記事では、金融機関勤務の現役マネージャーであり、1級ファイナンシャル・プランニング技能士である中川佳人さんに、会社員が還付金を見逃してしまう意外な落とし穴と、還付金を受け取るための具体的なステップについて、専門家の視点から詳しく解説していただきました。

会社員が還付金を逃す「2つの思い込み」とは?

---会社員が確定申告をしないことで数十万円の還付金を逃してしまう背景には、どのような制度の認識不足や申告可能なケースの見落としが関係しているのでしょうか?

中川 佳人さん:

「会社員が確定申告をしないことで還付金の数十万円を逃してしまう背景には、『年末調整ですべての税金が精算されている』という思い込みがあります。

年末調整は会社が行う便利な制度ですが、あくまで給与に関する基本的な控除を処理する制度です。個人ごとの特別な事情や一時的な支出までは反映されません。納めすぎた税金を取り戻す『還付申告』については、存在自体を知らない方も少なくありません。

また、『確定申告は自営業者が行うもの』という先入観も影響しています。生活に変化があり還付の対象となっていても、自分は対象外だと判断してしまう傾向があります。会社から案内がない限り手続きは不要だと考えてしまう点も、見落としの一因です。

さらに、還付申告は対象年の翌年から5年間さかのぼれるという申告期限についても知らない方が多くいます。自動的に通知される制度ではないため、意識しなければ見逃してしまうのです。

『年末調整で税金関係は完結している』という誤解と、『確定申告は自営業者が行うもの』という先入観が還付金を逃してしまう要因です。確定申告は正しい税金を計算するためにある納税者の権利です。年末調整ではカバーできないケースがあるという考え方を持ち、還付の対象にならないか確認してみましょう。」

あなたも対象かも? 会社員が還付金を受け取れる意外なケース

---会社員でも確定申告をすれば還付金を受け取れる「意外なケース」(例:医療費控除、ふるさと納税、住宅ローン控除など)には、具体的にどのようなものがありますか?

中川 佳人さん:

「会社員でも確定申告によって還付金を受け取れる意外なケースは、生活の中で大きな支出や変化があった年に多く見られます。

代表的なのは住宅を購入した年です。住宅ローン控除は2年目以降は年末調整で対応できますが、初年度は確定申告が必要です。適用条件を満たしていれば、借入残高に応じて税金が軽減され、まとまった還付につながります。

医療費が増えた年も対象になりやすいケースです。家族の入院や出産などで世帯の医療費が年間10万円(所得200万円未満は所得の5%)を超えた場合は医療費控除を受けられます。

ふるさと納税を利用している場合も注意が必要です。寄附先が6自治体以上になった場合や、ワンストップ特例の申請漏れがあった場合は、確定申告をしなければ控除は適用されません。

年の途中で退職した場合や、副業で赤字が出た場合なども、源泉徴収された税額が多くなっていることがあります。給与が年の途中で減少した場合なども、結果的に税金を納めすぎているケースがあるため注意が必要です。

住宅購入・医療費増加・寄附・働き方の変化といったライフイベントがあった年は、還付が受けられる可能性があります。自分には関係ないと決めつけず、還付の対象となっていないか確認してみましょう。」

数十万円を取り戻す! 今すぐ始める「還付金チェック」の具体策

---会社員が確定申告で還付金を受け取るために、今すぐ始められる「最初の一歩」として最も効果的な行動を教えていただけますでしょうか。

中川 佳人さん:

「会社員が確定申告で還付金を受け取るために今すぐ始められる最も効果的な行動は、『還付の対象になっていないかを確認すること』と『支出を見える化すること』です。

還付申告は自動的に行われるものではありません。年末調整では反映されない支出や事情があっても、自ら確認し申告しなければ税金は戻らない仕組みです。まずは『自分に該当する項目がないかを調べること』が出発点になります。

具体的には、過去1年分の家計を振り返り、医療費や寄附金、住宅ローン関連の支出がなかったかを整理してみましょう。医療費であれば家族分を合算し、年間の合計額を計算します。ふるさと納税をしている場合は、寄附先の数や申請状況を確認します。住宅を購入した年であれば、初年度の申告が済んでいるかを見直すことも重要です。副業がある方は、収入と経費を整理し、源泉徴収税額とあわせて確認するとよいでしょう。

還付申告は対象年の翌年から5年間さかのぼって行えます。期限内であれば過去分も手続きが可能です。支出を見える化し、還付の可能性を確認することが、還付金を受け取るための最初の一歩になります。まずは還付の対象となる支出がなかったか、家計を振り返ることから始めてみましょう。」

意外と知らない会社員の還付金、まずは「確認」から!

「会社員だから確定申告は関係ない」という誤解や、「年末調整で税金はすべて終わり」という思い込みが、実は数十万円もの還付金を見逃してしまう大きな原因になっていることが分かりました。

確定申告は、私たち納税者の「権利」であり、年末調整だけではカバーしきれない個人的な事情や大きな支出があった場合には、自ら行動することで税金を取り戻せる可能性があります。

住宅購入や多額の医療費、ふるさと納税の利用、働き方の変化など、あなたの生活に大きなイベントがあった年は、まさしく還付金を受け取れるチャンスかもしれません。まずは「自分には関係ない」と決めつけず、過去5年間にさかのぼって、家計を振り返ってみましょう。支出を「見える化」し、還付の対象となる項目がないかを確認すること。これが、あなたのお金を取り戻すための、最初の一歩になります。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。