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「嫌すぎて手放しました…」子育ての味方“N-BOX”を購入も双子が…33歳女性が直面した“想定外の誤算”

  • 2026.2.24

 

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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

ライフステージの変化に合わせて選ぶ車は、日々の生活を支える大切なパートナーと言えるでしょう。しかし、「将来のために」と選んだ一台が、時として想定外の出来事により、思わぬ課題に直面することもあります。

今回は、子育て世代に圧倒的な支持を受けるN-BOXを購入したものの、双子の誕生により“積載の限界”を経験した33歳オーナーの実録をご紹介します。理想と現実のギャップから見えてきた、後悔しない車選びの教訓とは何だったのでしょうか。

将来を見越した「正解」のはずだったN-BOX

結婚を機に、将来の家族が増える生活を思い描きながら一台の車を選ぶ。そんな希望に満ちた決断を下したのが、今回お話を伺った33歳のオーナー(女性)でした。彼女が選んだのは、ホンダのN-BOX。軽自動車という枠組みを超えた圧倒的な室内高と、使い勝手の良さで知られる、まさに「子育て世代の定番」とも言える一台です。

当時の彼女にとって、この選択に迷いはありませんでした。街中を走れば必ずと言っていいほど見かけ、周囲の友人たちも口を揃えて「使いやすい」と太鼓判を押します。実際に友人の車の助手席に乗せてもらった際には、その広々とした空間に驚き、「これなら将来、子どもが生まれても長く乗り続けられるはずだ」と確信したそうです。

ボディカラーや、ベージュを基調とした落ち着いた内装も彼女の好みにぴったりで、これから始まる新しい生活を彩ってくれる最高の相棒になるに違いない。そんな期待を胸に、彼女は新車のキーを手にしたのでした。

想定外の“双子”…前提が音を立てて崩れた日

しかし、人生には時として、自分たちが描いたシナリオを大きく超える出来事が起こるものです。結婚からしばらくして、彼女のお腹に新しい命が宿りました。喜びも束の間、さらに告げられたのは「双子である」という想定外のニュースだったのです。もちろん、新しい家族が二人同時に増える喜びは何物にも代えがたいものでしたが、それと同時に、これまでの「準備」が通用しなくなるかもしれないという予感が頭をよぎったと言います。

いざ出産を終え、いよいよ車にチャイルドシートを設置する段階になって、その予感は現実のものとなりました。あんなに広いと感じていた後部座席に、二つのチャイルドシートを並べて設置した瞬間、そこには以前のような「ゆとり」はなくなってしまったのです。安全性を重視して選んだ「サポートレッグ付き」のチャイルドシートは、その脚の部分が後席の足元スペースを物理的に占領してしまいます。その結果、ちょっとした買い物袋や自分たちの手荷物を置く場所が奪われ、車内は一気に「余裕のない空間」へと変貌してしまったのです。

巨大なベビーカーが奪った「荷室の床面」と消えた逃げ場

車内の窮屈さに追い打ちをかけたのが、双子用ベビーカーの存在です。一人用のものに比べて幅も重さもあるそのベビーカーは、折りたたんだとしてもかなりのボリュームになります。それを荷室(トランク)に積み込むと、荷室の床面はほぼすべてが埋まってしまうことになりました。確かに「載るか載らないか」で言えば載るのですが、それだけで荷室は限界に近い状態となってしまったそうです。

この「余白のなさ」は、日々の何気ない瞬間にストレスとして蓄積されていきました。スーパーで食料品を買い込んだとき、急な雨で濡れた傘をしまいたいとき、ベビーカーの横に無理やり荷物を押し込むパズルを強いられることになります。

一つひとつは些細なことかもしれませんが、双子を抱えて時間と戦う彼女にとって、この「荷物を置く場所を探す」というわずかな手間が、次第に心の余裕を削っていったと言います。あんなに大好きだった車内が、いつしか「どうやって荷物を詰め込むか」を悩む、息苦しい場所に感じられるようになってしまったのです。

保育園の布団セットでついに決壊した、毎朝の段取り

そうした限界が、ついに決壊する日がやってきました。それは、育児休業を終えて双子を保育園へ送迎する生活が始まったときのことです。月曜日の朝、いつものベビーカーに加えて、双子分の布団セットという、とてもかさばる荷物が加わりました。チャイルドシートで身動きが取れない後部座席と、すでにベビーカーで飽和状態の荷室。その光景を前に、彼女は立ち尽くしてしまったと言います。

雨の降る朝、泣き止まない子どもたちを抱えながら、どこにも収まらない大きな布団を抱えて格闘する時間は、あまりにも過酷なものでした。

「載らないわけではない、でも、あまりにも余裕がない」

そのとき彼女が感じていたのは、単に車が狭いという物理的な問題だけではなかったようです。それ以上に、スムーズに進むはずだった朝の準備が滞り、一日の生活リズムが根底から崩れてしまうことへの、切実な焦りだったのかもしれません。この格闘が続く限り、自分の生活はいつか破綻してしまう。そんな思いが、長年連れ添うつもりだった愛車を手放す決意へと彼女を動かしたのでした。

「広さ」のスペックより「積載の余白」が生活を救う

最終的に彼女が選んだのは、コンパクトミニバンのホンダ・フリードでした。乗り換えて一番に感じたのは、車格が上がったことによる安心感ではなく、そこにある「余白」の存在だったそうです。3列目シートを跳ね上げれば、双子用ベビーカーを載せてもなお、布団セットを放り込める十分な荷室の広さを確保できます。

この「適当に荷物を置いても大丈夫」というバッファが、彼女の心に劇的な変化をもたらしました。毎朝のように発生していた「どこに何を置くか」というパズルから解放されたことで、子どもたちとの時間にも、わずかばかりのゆとりが生まれたのです。

カタログ上の室内高の数値がどれほど優れていても、実際の生活における「積載の冗長性」が不足していれば、心にゆとりのない毎日になりかねません。フリードという「少し大きめの選択」は、彼女にとって単なる移動手段の変更ではなく、日々の生活を安定させるための必然的なリカバリーだったといえるでしょう。

条件が変われば、N-BOXはまた「最適解」になる

今回、彼女は結果的にN-BOXを手放すことになりましたが、その選択に後悔はありませんでした。なぜなら、その選択があったからこそ、自分たちの生活に本当に必要なものは何かを深く理解することができたからです。そして、彼女はこうも付け加えてくれました。

「子どもたちが成長してジュニアシートに変わり、大きなベビーカーを卒業したときには、またN-BOXのような小回りの利く一台が、私たちの最高に“ちょうどいい”パートナーになる日が来るかもしれない」と。

車選びの正解は、家族の数だけ、そしてその時々のライフステージの数だけ存在します。もし今の愛車に不自由を感じていたとしても、それは決してその車が悪いわけではなく、単に今の生活リズムとの間にわずかなズレが生じているだけなのかもしれません。大切なのは、カタログの言葉に惑わされず、自分たちの「今の生活」を理解することです。

皆さまがこれからの日々を共にする一台を選ぶ際、あらためて「今の生活」という視点を大切にしながら、自分たちに本当にフィットするパートナーを探してみてはいかがでしょうか。



ライター:根岸 昌輝
自動車メーカーおよび自動車サブスク系ITベンチャーで、エンジニアリング、マーケティング、商品導入に携わった経験を持つ。
現在は自動車関連のライターとして活動し、新車、技術解説、モデル比較、業界動向分析など、業界経験に基づいた視点での解説を行っている。


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