温泉×薬草という、日本の叡智に浸るスパ体験。べにや無何有【日本の素材を味わい尽くす美の宿】

べにや無何有｜自然と調和した静かな空間で、伝統あるスパ体験を

石川県加賀市の「べにや無何有」は、温泉と薬草の力を融合させた独自のスパ体験とセラピストの高い技術力でスパラバーの間でも評判の宿。

温泉は、鎮静効果と血行促進に優れるカルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉。施術前に体を温め、トリートメントの浸透力を高める。良湯に身を委ねる時間そのものが、スパ体験の始まりだ。

施術後には白山の薬草や体質別の生薬を加えた足浴が用意されており、深いリラクゼーションの余韻を静かに整える。薬草を使うシグネチャートリートメントは、かつて僧侶が人々を癒やしていた薬師山の伝統を現代に再構築したもの。

薬草マトリックス「補捨流調」に基づくカウンセリングを経て、体質に合わせて調合された「薬草玉」と漢方クリームを用いて、施術はすべてオールハンドで行われる。

ほかにも、ミネラル豊富な天然鉱石「医王石」を使ったヘッドマッサージは、遠赤外線効果で目もとを温めながら、頭皮と髪に栄養を届ける。さらに、金木犀の精油や米ぬかのオイルを使った季節限定のトリートメントでは、加賀の自然の恵みが肌に優しく働きかけ、心身を深く潤してくれる。

べにや無何有

加賀・山代温泉郷の高台に佇む創業約 100 年の名門旅館。建築家・竹山聖との協働により、樹齢300年の松屋楓、椿に囲まれた旧宿を、自然を眺めながら名湯に浸れる贅沢な客室に改修。食事は日本海の海の幸や伝統野菜、能登牛などを用いた加賀料理。器や盛り付けにも美意識が宿り、土地の滋味が一皿に息づく。スパにも定評があり、温泉と薬草を用い「薬師山トリートメント」を提供。

石川県加賀市山代温泉55-1-3

0761-77-1340

https://mukayu.com

Text: Yukako Kumano Editor: Misaki Kawatsu

※『VOGUE JAPAN』2025年12月号「世界が注目するニッポン・ビューティーの可能性」転載記事。

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