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「白湯を飲めば健康」は間違いだった。逆に「むくみや冷え」が悪化する…3つの“NGな飲み方”とは?【管理栄養士が解説】

  • 2026.1.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「美容や健康のために、毎朝必ず白湯を飲んでいる」「デトックスのために、なるべくたくさん飲むようにしている」 そんな健康意識の高い方の間で、実はある“異変”が起きていることをご存知でしょうか。

体を温めるはずの白湯が、かえって「冷え」を招き、すっきりさせるはずが「むくみ」の原因になっている──。もしあなたが、「白湯を飲んでいるのに調子が良くならない」と感じているなら、それは体のSOSかもしれません。

白湯はただのお湯ですが、飲み方を間違えれば体にとって負担になってしまいます。そこで今回は、管理栄養士の工藤まりえさんに、なぜ体に良いはずの習慣が逆効果になってしまうのか、SNSで広まる「勘違い」、そしてプロが推奨する「本当に体が整う白湯のルール」について教えていただきました。

なぜ「温かい白湯」で体が冷えるのか。むくみと冷えを招く最大の犯人は?

---健康のために白湯を飲んでいるのに、逆に「むくみ」や「冷え」が悪化してしまう最大の原因は何ですか?

工藤まりえさん:

「体を想って始めた習慣なのに、むくみや冷えにつながってしまうのは、ちょっと残念ですよね。

結論から言うと、最大の原因は体のバランスを考えずに、水分だけをたくさん入れてしまっていることです。
白湯=体にやさしい、というイメージが強い分、「多く飲めば飲むほどいい」「とにかく白湯を飲んでいれば安心」と思いがち。でも、体はそんなに単純ではありません。

まず『むくみ』について。
むくみは塩分の取りすぎで起こると知られていますが、水分の摂りすぎでも起こります。白湯を一気に、または習慣的にたくさん飲むと、体内の水分バランスが崩れやすくなります。本来、水分はナトリウムやカリウムなどのミネラルとセットでコントロールされていますが、白湯ばかりが続くと調整が追いつきません。その結果、余った水分が血管の外ににじみ出て、『顔や脚がむくむ』という状態が起こってしまうと考えられます。

次に『冷え』について。
そもそも冷え症の原因には、筋肉量の少なさ、食事量やエネルギー不足、自律神経の乱れ、血行不良、ホルモンバランスの影響など、さまざまな理由があります。白湯はその中の一部にやさしく働きかけることはあっても、冷えの原因すべてを解決してくれる魔法の飲み物ではありません。
白湯は温かい飲み物ですが、飲めば体温がずっと上がり続けるわけではありません。水分を多く入れるほど、体はそれを自分の体温まで温め直そうとします。その過程で内臓に負担がかかると、血流は生命維持に優先され、手足の末端は後回しに。結果として「白湯を飲んでいるのに、なんだか冷える」という感覚につながることがあります。

つまり、白湯が悪いのではなく、問題なのは体の処理能力や冷えの原因を無視した飲み方だということができます。むくみや冷えが出てきたら、『もっと飲まなきゃ』ではなく、『今の体に合っているかな?』と立ち止まることが大切です。体は意外と正直に、今の習慣が合っているかどうかを教えてくれています。」

その常識、実はNGです。プロが思わず止めたくなる「SNSでよく見る飲み方」

---SNS等で見かける「白湯の飲み方」について、「それは逆効果!」とプロが思わず止めたくなるNG行為はありますか?

工藤まりえさん:

「あります。どれも『体にいいことをしているつもり』だからこそ、少し方向を修正してあげたくなる行動です。管理栄養士として特に気になるのは、量・温度・目的を勘違いした白湯習慣です。

まず多いのが、短時間で大量に白湯を飲むこと。
デトックスや巡りを意識するあまり、白湯を一気にしかもたっぷり飲んでしまうケースです。体が一度に処理できる水分量には限界があり、急激に入った水分はうまく巡らず、かえってむくみやだるさにつながることもあります。白湯は“効かせる飲み物”ではなく、“整える飲み物”。量が多ければいい、というものではありません。

次に、温度が合っていない白湯。
ぬるすぎると体を温める力が弱く、内臓をじんわり冷やしてしまうことがあります。逆に熱すぎると、喉や胃腸への刺激が強く、リラックスどころか体が緊張状態に。白湯は『我慢して飲む』ものではなく、『ほっとできる温度』であることが大切です。

そして、プロとして思わず止めたくなるのが、デトックス目的で食事を白湯だけにしてしまう行為。
体の巡りや排出を担っているのは、肝臓や腎臓。その働きにはエネルギーや栄養が必要です。食事を抜いて白湯だけにすると、体を整える力そのものが弱まり、冷えや疲れ、代謝低下につながりやすくなります。

白湯は主役ではなく、あくまでサポート役。『体にいいから』と頑張りすぎるほど、逆効果になることもある。そんな落とし穴が、白湯習慣には潜んでいるのです。」

管理栄養士が明かす、最も効果が出る「温度・量・タイミング」の正解

---ズバリ、管理栄養士が推奨する「最も効果が出る白湯」の温度、量、タイミングを教えてください。

工藤まりえさん:

「白湯は、正しく取り入れれば体をやさしく整えてくれる存在です。大切なのは、温度・量・タイミングをシンプルに守ること。頑張りすぎないのが、長く続けるコツでもあります。

まず温度は、50〜60℃前後が目安
口に含んだときに熱すぎず、ゆっくり飲めて、飲んだあとにお腹の奥がほんのり温かく感じるくらいが理想です。白湯は刺激を与えるものではなく、内臓をゆるめてくれる飲み物。無理に熱い温度にする必要はありません。

量は、1回につきコップ1杯(150〜200ml)程度
「デトックスしたいから」とたくさん飲む必要はなく、少量で十分効果が期待できます。飲んだあとに胃が重くならない、冷えを感じない量が、その人にとっての適量です。

タイミングは、大きく分けてこの3つがおすすめです。
起床後すぐは、睡眠中に失われた水分をやさしく補い、内臓を目覚めさせる役割。
食事の少し前は、胃腸を温めて消化の準備を整えるタイミング。10〜20分前に少量飲むのがポイントです。
そして寝る前。リラックスできる温度の白湯を少量飲むことで、副交感神経が働きやすくなります。ただし、飲みすぎると夜中に目が覚めやすくなるため、量は控えめに。

白湯は『効かせる健康法』ではなく、体を整えるための習慣。
その日の体調に合わせて、心地よいと感じる範囲で取り入れることが、いちばん効果的な白湯との付き合い方です。」

白湯は「適量」を。無理なく続く“一杯”が体を整える

「たくさん飲めば飲むほど健康になれる」という思い込みは、むしろ体を冷やし、むくませる原因になりかねません。工藤さんの解説を整理すると、正しい白湯習慣のポイントは以下の3点です。

  1. 「量」より「バランス」:一度に大量に飲むと、体内のミネラルバランスが崩れてむくみの原因に。1回コップ1杯(150〜200ml)が適量です。
  2. 「熱さ」より「心地よさ」:熱湯を我慢して飲むのはNG。50〜60℃の「ほっとする温度」が内臓を優しく目覚めさせます。
  3. 「主役」ではなく「サポート役」:食事を抜いて白湯だけにするのはエネルギー不足の元。あくまで食事や睡眠を補佐する役割として取り入れましょう。

白湯は、薬のように劇的に効くものではなく、日々の体調を整えるためのパートナーです。「なんとなく義務感で飲んでいる」「飲むと胃が重たい」と感じる日は、勇気を持って量を減らしたり、休んだりすることも大切です。まずは明日の朝、コップ一杯の適温の白湯を、ゆっくり時間をかけて味わうことから始めてみてはいかがでしょうか。


監修者:工藤まりえ
大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。