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“たった90秒”で心を鷲掴み…グループ初アニメ主題歌で脚光 『名作アニメ』第2期OPが注目される理由

  • 2026.1.23
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※Google Geminiにて作成(イメージ)

櫻坂46が、2026年4月クールのTVアニメ『夜桜さんちの大作戦』第2期オープニングテーマとして新曲『What’s “KAZOKU”?』を書き下ろすことが発表された。坂道シリーズで振り返れば、乃木坂46が『NARUTO -ナルト- 疾風伝』のオープニングに『月の大きさ』、劇場アニメ『心が叫びたがってるんだ。』の主題歌に『今、話したい誰かがいる』が起用された例があるが、櫻坂46グループ全体にとっては初のTVアニメ主題歌だ。

アイドルがアニメ主題歌を担当すること自体は、いまや珍しくない。けれど櫻坂46にとって今回の主題歌は、ただ仕事の幅が広がった、という話ではない。櫻坂46はライブでも楽曲でも、最初の一瞬で空気を変えて観る人を引き込むのが上手いグループだ。アニメのオープニングもまた、数十秒で作品の世界観を伝え、視聴者の気持ちを物語へ連れていく、いわば導入の時間である。だから『What’s “KAZOKU”?』は、櫻坂46の得意な引き込み方が、毎週テレビの前で試される一曲になるはずだ。

“スパイ家族”の物語に、櫻坂46が寄り添う主題歌

『夜桜さんちの大作戦』は、普通の高校生・朝野太陽が、最強スパイ一家“夜桜家”の当主・六美と結婚(=婿入り)したことから、日常がまるごと非日常に塗り替わっていくスパイ家族コメディだ。太陽は六美を守るために家族の“作戦”へ巻き込まれ、夜桜兄妹たちの規格外な愛情(と圧)を浴びながら、生き残る術を身につけていく。作品の核にあるのは、派手なアクションだけではなく、「家族だから守る」「家族だから弱点にもなる」という関係性の温度だ。

櫻坂46が書き下ろした『What’s “KAZOKU?”』というタイトルは、その役割をまっすぐに受け止めた言葉に見える。松田里奈は自身のブログで、作品名に「桜」が入っていることへの縁にも触れながら、「夢がまた1つ叶いました!」と喜びを綴っている。同時に、グループとして初めてのアニメ主題歌であることへの責任感や、「『夜桜さんちの大作戦』とたくさんの方を繋ぐ架け橋になれたらと思います!」という意識も言葉にしていた。

作品の力を借りるのではなく、作品の世界観に並び立つ音楽を届けたい——松田の言葉からは、そんな“背負う意識”が見える。だから『What’s “KAZOKU?”』は、ただのタイアップではなく、櫻坂46にとっての新しい一歩として受け取れる。

90秒で心をつかむ、櫻坂46の楽曲の“強さ”

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櫻坂46展「新せ界」のプレス内覧会に出席した田村保乃、山﨑天、藤吉夏鈴 (C)SANKEI

櫻坂46が主題歌に起用された背景には、短い時間で視聴者の心をつかむ楽曲の強さがある。『自業自得』や『I want tomorrow to come』に象徴されるように、イントロで空気を一変させ、サビで感情を一気に解放していく――そのメリハリがはっきりしているからこそ、90秒前後で作品世界へ引き込むアニメのオープニングとも噛み合う。加えて、パフォーマンスで“伝わる”表現力も大きい。歌詞の意味を追わなくても、動きや表情から曲の強度や緊張感が伝わってくるのが櫻坂46の持ち味だ。オープニング映像は、音と映像で「この作品の温度」を一瞬で刻む場でもある。そこに彼女たちの表現が重なれば、主題歌は単なるBGMではなく、毎話のスイッチとして機能していくだろう。

アニメのオープニングも同じで、映像の中で「誰が」「何を抱えて」「どこへ向かうのか」を、数十秒で伝える必要がある。情報量は多いのに時間は短い。その条件の中で、曲がただ盛り上がるだけではなく、映像のストーリーを前に進められるかが大事になる。櫻坂46が得意としてきた“音と身体でドラマを作る”表現は、ここに噛み合うはずだ。

さらに「家族」というテーマが、櫻坂46の歩みとも重なるのも見逃せない。改名を経て、加入と卒業を重ねながら、それでも同じ場所に立ち続けてきたグループであること。血縁ではなく、選び取って続けていく関係性。そうした実感があるからこそ、「What’s “KAZOKU”?」は作品のための主題歌であると同時に、櫻坂46自身の現在地も映す一曲になり得る。

2026年春、アニメ主題歌が“新しい入口”になる

アニメのオープニングは、放送が続く限り毎週流れる。だから『What’s “KAZOKU?”』は、一度聴いて終わりではなく、繰り返し耳に入って、作品の印象と一緒に記憶されていく曲になる。ここから櫻坂46を知る視聴者が増えるのはもちろん、これまで楽曲を追ってきた人にとっても、“アニメのオープニングで櫻坂46の楽曲が聴こえる”のは新鮮だろう。

今回の主題歌起用がきっかけになって、アニメファンが曲を聴き、そこから櫻坂46の他の楽曲やライブにたどり着く流れも生まれていくはずで、そうした新しい入口が増えることは、グループの人気や広がりにも直結していくだろう。人気作の第2期という注目度の高い枠で、櫻坂46がどんな「家族」の温度を描くのか。毎週の放送とともに、曲と映像がどう馴染んでいくのかも含めて楽しみだ。


ライター:川崎龍也
大学卒業後にフリーランスとして独立。現在はアイドル雑誌を中心に、取材・インタビュー/コラム執筆を主軸に活動している。主な執筆媒体は『BOMB』『MARQUEE』『EX大衆』『音楽ナタリー』『RealSound』など。
X(旧Twitter):@ryuya_s04