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「第2子は無理だと絶望した」女流六冠の涙の訴えに、将棋連盟が即日謝罪「産休=不戦敗」の過酷な規定、見直しへ

  • 2025.12.10

「不戦敗」規定への違和感

「妊娠・出産を選ぶなら、タイトルは諦めなければならない」。そんな過酷な規定に対し、将棋界の第一人者・福間香奈女流六冠が声を上げました。2025年12月10日に行われた会見はSNS上で大きな議論を呼び、その日のうちに日本将棋連盟が謝罪と見直しを表明するという急展開を迎えました。歴史が動いた一日のドキュメントをまとめます。

事の発端は、2025年12月10日に行われた福間香奈女流六冠の会見でした。 日本将棋連盟の現行規定では、女流タイトル戦の日程が出産予定日の前後(産前6週間・産後8週間)に重なる場合、対局の延期は認められず「不戦敗」となります。

福間さんは会見で、「第2子を持つことは無理だと絶望的な気持ちになった」と吐露。自身の経験を踏まえ、後輩たちのために「妊娠・出産を対局延期の正当な事由として認めてほしい」と要望書を提出しました。

SNSの8割は「変更賛成」の声

将棋のイメージ
将棋のイメージ

このニュースに対し、X(旧Twitter)などでは多くの反響が寄せられています。 SNSのでは、圧倒的多数が福間さんの訴えを支持する意見でした。

「妊娠という事を頭の片隅にすら置かずに作った規約に問題がある」「タイトルか妊娠かの二択を迫るのは酷すぎる」「男性目線の規定しかいらなかった時代の名残。見直すべきだ」

多くの人が、昭和的な価値観で作られたルールが、現代の女性アスリート(棋士)の活躍を阻害していると感じているようです。

また、暫定王者制度の導入や、スポンサーとの調整による柔軟な日程変更を提案する声も多く上がりました。

「仕方ない」という現実論も

一方で、約15%は規定の維持や運営側の事情に理解を示す意見でした。

「労働基準法の産前産後休業(就業禁止)に準拠しているのでは?」「スポンサーや会場の手配は何ヶ月も前から決まっている。簡単に延期はできない」「他のスポーツでも妊娠で大会日程はずらせない。将棋だけ特別扱いは難しい」

確かに、タイトル戦は多くの企業や自治体が関わるビッグイベントであり、個人の事情で日程を動かすハードルが高いのも事実です。しかし、それを理由に「諦めろ」と言うだけでよいのか、という問いが突きつけられています。

「女性優遇」という批判の声も一部に

さらに、少数(約5%)ながら批判的な意見も見られました。

「女流棋士制度自体が優遇されているのに、さらに要求するのか」「実力社会なのだから、条件は平等であるべき」

これらの声に対し、SNS上では「男性には妊娠・出産によるキャリア中断のリスクがない時点で、条件は平等ではない」という反論もなされ、ジェンダー平等を巡る議論へと発展していきました。

「お詫びと検討」 連盟の迅速な反応

しかし、事態は即座に動きます。

会見が行われた同日、日本将棋連盟は公式サイトで異例のスピードで声明を発表しました。

「福間女流六冠に悲しい思いをさせてしまったことを心よりお詫び申し上げます」

連盟は謝罪した上で、女流棋士会からのヒアリングを行い、母体の安全と当事者の意思を尊重した柔軟な仕組みを検討すると表明。これまでの「前例踏襲」から大きく舵を切る姿勢を見せたのです。

この連盟の対応を受け、SNS上の空気は一変しました。

当初は怒りや嘆きが混じっていたタイムラインに、連盟の誠実な対応を評価する声があふれました。関連投稿の約8割が連盟の声明を支持しています。

「回答発表が早い! 批判を恐れず謝罪し、改善を約束したのは素晴らしい」「福間さんの勇気が、古い慣習を変えるきっかけになった」

「棋士」への挑戦も見据えて

今回の件で福間さんが問題提起したのは「女流タイトル戦」の規定ですが、彼女の挑戦はそれだけにとどまりません。

福間さんは現在、女性として史上初となる「棋士(プロ棋士)」の資格取得を目指し、編入試験への挑戦も表明しています。「女流棋士」のトップとして、そして「棋士」を目指すパイオニアとして。

二つの道を切り拓こうとする彼女にとって、出産がキャリアの足かせになってはならない。 12月10日は、将棋界だけでなく、すべての働く女性にとって「希望」が灯った一日として記憶されることになりそうです。

(LASISA編集部)

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