意外と読めない？【漢字クイズ】「呻く」はなんと読む？→気になる正解は？

みなさんは日常の中で何かを感じたとき、思わず声が出てしまうことってありませんか？もちろんそれが喜ばしい場面であることが望ましいですが、時には痛みや苦しみを感じる場面で生じることもありますよね。

今回ご紹介する「呻く」は、まさにそんな状況で発してしまう声に関係する言葉です。みなさんは正しく読むことができますか？

問題

「呻く」はなんと読む？

「呻く」の正しい読み方は「うめ（く）」です。「苦しさのあまりうなり声をあげる」という意味を持ちます。

「呻」は「口」と「申」という漢字から構成されていますが、「申」はもともと「長くのびる」という意味を持ちます。このことから、「呻」が「口の中で声を長く引きのばす」という意味を持つ漢字として成り立ち、それが転じて現在の意味になったとされています。

「呻く」は体の苦しみを表現するだけでなく、心の苦しみや、そこから生まれる芸術に対しても使われます。

例えば、「苦心して詩歌を作る」という意味。詩や歌を作る際、悩みながら低い声で口ずさむ様子から、こういった意味でも使われるようになりました。「呻吟（しんぎん）」という熟語にも、この意味が含まれています。

また、獣などが低く声を出す様子も「呻く」と表現します。

似た言葉に「唸る（うなる）」がありますが、 「素晴らしい出来栄えに唸る」「金が唸るほどある」 といったポジティブな状況や豊かさを表す場合は、「呻く」ではなく「唸る」を使うのが一般的です。

似ているようで使い分けがある。日本語の奥深いところですね。

参考文献：明鏡国語辞典、大辞林

文（編集）：そこさん

元国語科教員。一文字でたくさんの意味を持つ漢字に魅了され、大学では中国文学を専攻し、漢詩について研究。とても身近なのに、意外と深くは知らない漢字。読むだけでちょっと賢くなれる、そんな豆知識をお届けします！