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「アルファードは終わった」を真に受けると損をする?バブル崩壊で相場下落も…プロが“評価を変えない”2つのワケ

  • 2026.1.7
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

「アルファードはもう儲からない」

そんな声が聞こえる昨今、相場の下落傾向を見て、購入を躊躇している方もいるかもしれません。しかし、投機的なバブルが落ち着きを見せ始めた今こそ、この車の本当の実力が試される局面といえます。これまでのような異常な高騰が去ったことで、むしろ実用車としての「守りの資産価値」が際立ち始めているからです。

なぜ今、堅実な判断を求める人々にとって、アルファードが「損をしない賢い選択」となり得るのか。その理由を紐解いていきます。

「キング・オブ・ミニバン」トヨタのアルファード

トヨタのアルファードといえば、もはや説明不要な「キング・オブ・ミニバン」です。その圧倒的なブランド力は、単なる高級車という枠を超え、「乗っているだけで資産になる」という評価さえ生み出してきました。つい最近まで、この車を手に入れることは、ある種のステータスであると同時に、賢い資産運用の一つであるかのように語られていたことを記憶している方も多いでしょう。

しかし最近、その空気が少し変わってきたと感じている方もいるのではないでしょうか。街中で新型の40系を見かける機会が増える一方で、聞こえてくるのは相場の下落や、ブームの終了といった言葉ばかり。「今買うのは、危ない橋を渡るようなものではないか?」と、逆に判断に迷う難しい局面と言えるかもしれません。

ですが、この市場の落ち着きをネガティブに捉える必要はないようです。ノイズが消え、静けさが戻ってきた今だからこそ、見えてくる事実があるからです。

「買ってすぐ儲かる」時代の終焉。相場下落の現実を直視する

まず、私たちが直視しなければならないのは、かつてのような“異様”なバブル相場は一区切りついた可能性が高いという点です。

数年前まで、アルファードは新車価格を大きく上回るプレミア価格で取引されるケースが散見されました。しかし、その背景には「作りたくても作れない」というメーカー側の供給不足がありました。現在では、まだ完全とはいえないものの、生産体制は改善に向かっており、長らく続いていた極端な納期遅延や供給不足は解消の兆しを見せているようです。

これを「暴落」と捉える声もありますが、実態は行き過ぎた熱狂が冷め、相場が「正常化」したに過ぎません。投機目的のユーザーが去り、ようやく本来の適正価格に戻ったといえるでしょう。

つまり、短期で売り抜けて利益を得る攻めの投資は、確かに難しくなりました。しかし、それは資産価値の消失ではありません。むしろバブルが去った今こそ、アルファード本来の「防御力」が試される時なのです。

それでも“別格”である理由。他車種と比較してわかる「防御力」の高さ

バブルが去ったといわれる中でも、依然としてアルファードが他のミニバンとは一線を画す存在であることに変わりはないようです。その理由こそが、圧倒的な「リセールバリュー」の高さです。

ここで、同じトヨタのMクラスのミニバンと、Lクラスであるアルファードを比較してみましょう。新車価格(HEV)で見ると、Mクラスの売れ筋価格帯に対し、アルファードの価格帯は200万円以上も高く設定されています。この「入り口の価格差」だけを見ると、「アルファードは高嶺の花だ」と選択肢から外してしまう方も多いかもしれません。

しかし、この価格差は「2つの視点」で分解すると、驚くほど圧縮されることがわかります。

1. ローン利用時の「設定残価」によるメリット 
まず、残価設定型ローンなどを組む場合です。ここでは「数年後の下取り保証額(残価)」が設定されます。 一般的に、人気のあるMクラスミニバンでも、5年後の設定残価率は40%台前半〜半ば程度になることが多いものです。対してアルファードは、同時期でも50%を超える高い残価率が設定される傾向にあります。 残価率が高いということは、ローンで支払うべき「元金部分」が減ることを意味します。そのため、車両本体に200万円以上の差があっても、月々の支払額の差はそれよりもずっと小さく収まるのです。

2. 売却時の「実勢相場(リセール)」によるメリット 
次に、実際に手放す際の中古車市場での評価(リセールバリュー)です。 ローンの設定残価はあくまで「最低保証」的なラインですが、アルファードの強みは、実際の中古車相場がそのラインを上回るケースが期待できる点にあります。 特に海外輸出の需要が底堅いアルファードは、ディーラーの下取り設定額よりも、買取店などの実勢相場のほうが高値が付くことも珍しくありません。その場合、ローンの残債を精算しても手元に現金が残る、いわゆる「お釣り」が出る可能性も秘めているのです。

つまり、アルファードは「ローンの仕組み上、月々の負担を抑えやすく」、かつ「売却時にはプラスαの評価も期待できる」という二重の防御力を持っているといえます。 トータルの支払額や将来戻ってくる価値まで含めて考えれば、アルファードはクラスを超えたコストパフォーマンスを秘めた「賢い選択」といえるでしょう。

家族にとって、アルファードは「賢い投資」である

こうした「数字のマジック」ともいえる現象は、家計を預かる身にとって大きな意味を持ちます。

車選びは単なる趣味ではなく、家族構成の変化や子どもの成長といったライフステージに合わせ、実用性と経済性のバランスをシビアに求められるものです。「広くて快適なミニバンが必要だが、将来のために家計へのダメージは最小限に抑えたい」。そう考えたとき、アルファードの資産性は非常に理にかなった選択肢として浮かび上がってきます。

高級車に乗ることに対して、どこか「贅沢をしている」ような、後ろめたさを感じることもあるかもしれません。しかし、先ほど触れた支払いの仕組みを理解すれば、アルファードを選ぶことは単なる贅沢ではなく、むしろ「資産防衛」の一環であるとも説明できます。

初期費用はかかっても、手放す時に多くの価値が残る車を選ぶ。それは、結果として家計を守るための、極めて合理的な判断といえるのではないでしょうか。

今こそ見直したいアルファードの真価

かつてのアルファードは、持っているだけでお金が増えるかもしれないという、ある種の夢を見るための車だった側面がありました。しかし相場が落ち着き、市場が正常化した今、その役割は「資産を増やす攻めのツール」から、「資産を減らさない守りのツール」へと変化したと言えるでしょう。

異常な高騰が収まった今だからこそ、投機的なノイズに惑わされることなく、純粋にこの車の完成度や快適性を味わうことができるはずです。

もし、あなたが今、次の愛車選びで迷っているのなら。表面的な価格だけで判断せず、手放す時までを含めたトータルのコストで、検討してみてはいかがでしょうか。それは、日々の満足と将来の安心、その両方を手に入れるための、賢い選択といえるかもしれません。


参考:トヨタ自動車株式会社



ライター:根岸 昌輝
自動車メーカーおよび自動車サブスク系ITベンチャーで、エンジニアリング、マーケティング、商品導入に携わった経験を持つ。
現在は自動車関連のライターとして活動し、新車、技術解説、モデル比較、業界動向分析などを手がけ、実務に基づいた視点での解説を行っている。


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