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「掃除そのものよりも…」保育士歴13年のプロが明かす“年末大掃除”のウラ側。本当に地獄なのは「年明け」だった

  • 2025.12.26
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

こんにちは。今年で保育士歴13年になる、現役保育士のめじです。

師走といえば、家庭内も会社も年末に向けて大忙しな時期。

実は保育園の現場も何かと忙しく慌ただしくなります。

子どもたちがいる中で行う年末の大掃除。

年明けには生活リズムが崩れた子どもたちへの対応。

今回は、そんな年末年始ならではの保育士のリアルな忙しさについてお話しします。

年末は“大掃除計画”からすでに始まっている

年末が近づくと、まず始まるのが園内全体の大掃除計画です。

「いつ・どこを・誰が・どの時間帯にやるのか」

これを事前に決めておかないと、子どもたちがいる中ではとても回りません。

保育室、廊下、トイレ、倉庫、玩具棚、ロッカーの中…。

普段の掃除では手が回らない場所を、限られた日数で一気に片付けていきます。

もちろん、年末でも通常保育は続きます。

「掃除があるから今日は外遊びできません」なんてことはできません。

そのため、クラス同士で声を掛け合いながら、子どもの動きに合わせて掃除の時間を細かく区切っていく必要があります。

この時点ですでに、保育士側は頭の中がフル回転。

年末の忙しさは、掃除そのものよりも段取りを考えるところから始まっているのです。

合同保育とワックスがけ、裏で動く保育士たち

年末の定番といえば、合同保育とワックスがけ。

「〇時から〇時までは合同保育」

その短い時間に、保育室の荷物をすべて移動し、床を掃除し、ワックスをかけます。

日頃動かさない棚の後ろや下からは、色々な物が出てくることも。

また、時間との勝負で職員同士の連携がとても重要になります。

ワックスがけ中は子どもたちが入れないため、

「まだ乾いてない!」「あと5分待って!」と声を掛け合いながら必死です。

一方その頃、別室では合同保育中の子どもたちが元気いっぱい。

普段と違う環境にテンションが上がり、走り回ったり、トラブルが起きたりすることも珍しくありません。

掃除、子どもの安全確保、次の活動準備。

すべてを同時に行うため、年末の園内はかなり慌ただしい空気に包まれています。

「今年もやって来たねー!頑張ろうね!」

そんな言葉が、職員室で自然と交わされる時期でもあります。

実は大変なのは“年始”だったりする

年末を何とか乗り切ると、少しホッとしたくなりますが、実は年始もなかなか気が抜けません。

年末年始の長期休みで、生活リズムが大きく崩れた子どもたち。

久しぶりの登園に泣いてしまったり、給食中にウトウトしてしまったりする姿も多く見られます。

「夜なかなか寝なくて…」

「朝起きるのがつらそうで…」

保護者の方からご家庭での様子を共有いただくことも増えます。

こうした大切な情報をもとに、一人ひとりの子どもに合わせたケアを考え、園での過ごし方を調整していきます。

また、年始は久しぶりの登園準備で、持ち物がちょっぴり不足しがちになる時期でもあります。

「エプロンがないかな?」「お着替えは足りるかな?」

一つひとつ確認しながら、子どもたちが園で不自由なく過ごせるよう、私たちもしっかりサポートしていきます。

この時期は、子どもたちの様子を見ながら少しずつ“いつもの生活リズム”へ戻していく大切な調整期間。

だいたい一週間ほどかけて、園全体が落ち着きを取り戻していきます。

忙しさの中で感じる、年末年始ならではのやりがい

正直に言うと、年末年始は体力的にも気持ち的にもハードです。

前もって計画したつもりでも、「もう少し余裕がほしいな…」と感じる日もあります。

それでも、大掃除を終えたピカピカの保育室で新年を迎え、少しずつ落ち着いていく子どもたちの姿を見ると、

「やっぱり頑張ってよかったな」と感じます。

年末年始は、保育士にとって一年を振り返り、次の一年を整えるための大切な節目。

子どもたちが安心して新しい一年をスタートできるように。より一層子どもたちと向き合える保育ができますように。

そんな思いで、今年も保育現場は慌ただしく動いています。



ライター:めじ

幼稚園、保育園と保育経験を重ね、今年で13年目に突入しました。保育の仕事の中で感じた思いや子どもたちとのやりとり、育児と仕事の両立の事など経験をもとに言葉にしています。


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