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「2時間も待ったんだぞ!」駅の窓口でブチギレる客。元駅員が冷静に告げた“思わぬ勘違い”

  • 2026.1.8
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。元鉄道駅員の川里です。

今日は、私が駅員時代に経験した「クレームへの本音」をご紹介します。長時間行列に並んで「この列じゃない」と言われ、がっかりした経験はありませんか?

その駅、実はひとつの会社じゃないかも

他の鉄道会社との接続駅には、それぞれの会社ごとにきっぷの販売窓口があります。会社が違うと、株主優待券をはじめとした一部の割引サービスは使えません。

「ここは〇〇駅だろう!?同じ駅なのに窓口が別なのか!?」

「理解できない」というような叫びをあげる方を多く見てきました。

駅によっては、どちらか片方のきっぷ売り場しかなく、改札口を含めて片方の会社の社員だけで運営しているところもあります。

窓口によっては並ぶ場所が違う

別会社の割引証や株主優待券をお持ちのお客さまには、それぞれの会社のきっぷ売り場を案内しなければいけません。

「大変申し訳ございません。こちらは〇〇鉄道の窓口ですので、△△鉄道の優待券はご利用いただけません。お待ちいただいたところ大変恐縮ですが、左手に進んでいただいて△△鉄道の窓口でお問い合わせください」

要するに「この窓口ではありませんよ」ということを知らせます。

「あ、しまった」

とすぐに踵を返すお客さまもいれば

「ごめんなさい。間違えました」

と謝られるお客さまもいます。駅員にとっては迷惑ではないので、謝る必要はありません。しかしながら、このような方もいます。

「こっちは2時間も待ったんだぞ!違うならわかるように書いておけ!」

2時間も並んだ結果が…?

もちろん、長時間お並びいただいたお客様のお気持ちも理解できます。急いでいたり、案内の文字が小さかったりと、様々な理由で注意書きが見落とされてしまうこともあるのかもしれません。

案内表示の仕方にも、我々鉄道会社側で改善できる点があったのではないかと、今では思います。

注意文だけでなく、入り口のドアの上にも会社を示すロゴが表示されていますが、恐らく「目の前に駅員がいて、みんな並んでいるからここが窓口に違いない」

と判断したのかもしれません。

窓口が混んでいるときは、行列が2時間待ちになることもあります。待てば待つほどフラストレーションも溜まるはずで、やっとたどり着いた窓口で

「ここじゃない」

と言われれば怒鳴りたくもなるでしょう。

その株主優待券はどこから?

多くの株主優待券には、裏面や同封の案内に利用可能な路線や窓口が明記されています。また、株主優待券の売買自体は法律で禁じられていませんが、鉄道会社によっては独自に転売の禁止を定めているケースもあります。

毎年、株主優待券の有効期限が近づいてくると、株主優待券の使用に不慣れだと思われる方を多く見てきました。ときには自社の株主優待券で他社の路線を利用しようとする方もいました。

株主になって日が浅い方や、初めて利用される方などもいらっしゃいましたが、券面に記載された利用条件を事前にご確認いただくだけで、多くのトラブルは回避できます。

割引券の裏面と案内文を要チェック!

株主優待券や各種割引券をお持ちの方は、ぜひ一度、案内文や割引券の裏面をチェックしてみてください。利用可能な区間や列車をはじめとして、詳しい使用方法が載っているはずです。

また、窓口の行列に並ぶ前に、正しい列なのか確認するようにしましょう。別の会社の列であったり、払い戻し専用や周遊券専用などの別の列であったりするかもしれません。

会社の方針として「可能な限り臨機応応変な対応を」と求められることもありましたが、会計上のルールは非常に厳格で、別会社の売上を自社の窓口で処理することはできません。

これはお客様から頂いた大切なお金を正確に管理するために不可欠な手続きですので、何卒ご理解いただけますと幸いです。

「窓口が別れているのは鉄道会社の都合だ。こちらは自由に並ぶ権利があるはずだ!」

と思うかもしれません。私もお客さまから頂いたお金の合計額さえ合っていれば良いだろうに、と感じることもありましたが、どうもそういうわけにはいかないようです。お手数ですが、駅員の指示通りの列に並んでいただくよう、お願いします。


ライター:川里隼生

鉄道会社の駅係員として8年間、4つの駅を経験しました。コロナ禍やデジタル化を通して移り変わってきた、会社としての鉄道サービスの未来像と、お客様それぞれが求めている鉄道サービスのあり方の両方から学んだことを記事にしていきます。


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