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「じゃあ、いいです」40分かけて“1ヶ月分”の空席を調べさせた客。駅員が絶句した「去り際の一言」

  • 2026.1.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。元鉄道駅員の川里です。

今日は、私が駅員時代に経験した「思わぬ誤算」をご紹介します。観光列車の予約を取るために行列に並ぶ方に、ぜひ知ってほしい「予約を取りやすくする方法」も紹介します。

大人気の観光列車

観光列車に乗ったことはありますか?

現在、日本各地に「乗ること」自体が目的になるような列車が走っています。珍しいデザイン、風光明媚な車窓、食事やお酒…。地域の特色を活かした列車はパンフレットを眺めるだけでもワクワクさせてくれます。仕事中、手が空いては駅に置いてあるパンフレットを見て、

「乗ってみたいなあ…」

と思っていました。

一部の観光列車の予約は、駅ではなく専用の予約センターのみで取り扱っています。そのため、駅員にとってもあまり身近でないように感じていました。たまに駅で販売する観光列車のきっぷを売る程度で、満席のため売れないということもざらです。

1週間後の人気列車に空席があるか?

ある日のことです。窓口担当だった私は、まもなく休憩時間を迎えようとしていました。窓口の前には行列ができているため、交代の駅員が来るのを待つか、他の駅員に任せて自分の窓口を一時的に閉める必要があります。

「次のお客さまが終わったら、窓口を閉めよう」

まもなく休憩時間となり、窓口を一時的に閉める予定でした。そこで、行列の最後のお客様をご案内することにしました。最後にしようと思っていたお客さまのご希望は、この窓口で取り扱っている観光列車の予約です。

「希望は1週間後の日曜日なんですが、2人分ありますか?」

「1ヶ月後でもすぐ満席になるのに、1週間後なんて空いていないだろう」と思いながら、予約端末を操作します。やはり、お客さまが希望する条件は満席でした。

急増した希望日

「恐れ入りますが、すでに満席ですね」

希望する列車が満席だったため、これ以上の案内はできないだろうと思いながらそう答えましたが、このお客さまは違いました。

「そうですか。では、その次の週はどうですか?」

次の週、その次の週と列車を指定していきます。このとき、日曜日の2人分の予約は1ヶ月先まで満席でした。

「日曜日は空いていません」

1ヶ月分の日曜日の予約全てを調べました。

「では、土曜日は? 平日でもいいんですが」

このままでは1ヶ月すべての日を調べそうな勢いです。休憩時間のこともありますし、他に並んでいるお客さまもいるので、1人のお客さまにかけられる時間には限りがあります。

すべての日程を確認するには相当のお時間をいただく可能性をお伝えしましたが、お客様はそれでも構わないとのことでした。

牽制するつもりでそういいましたが、「いいですよ」と了承されてしまいました。

40分間立ちっぱなし

結果的に、1ヶ月分の空席状況をすべて確認するのに40分ほどかかってしまいました。当時の私の勤務駅ではお客様用の椅子がなく、長時間お待たせしてしまったのは大変心苦しい経験でした。今思えば、私のご案内の仕方にも改善の余地があったと反省しています。

「すべての列車を確認しましたが、やはり空いていません」

その事実を伝えても、お客さまはあきらめきれないようで

「…うーん…」

と考えています。

正確には2人が遠く離れて座ってもよければ、平日に空席がありました。そのことは伝えていたので、きっと離れて座るか悩んでいたのでしょう。やがて、お客さまが口を開きます。

「それなら、今回はいいです」

お客様には長時間お立ちいただいたまま、大変申し訳なかったのですが、最終的にご希望に沿うことができませんでした。

予約争奪戦を勝ち抜くには?

このように、人気の観光列車は発売開始からすぐに売り切れてしまうこともよくあります。できるだけ有利に予約を取るには発売開始直後に購入するか、インターネット予約が良いでしょう。駅の窓口には観光列車の予約以外の用事で並んでいるお客さまも多いため、順番が来るまで時間がかかります。

インターネット予約可能な列車であれば列に並ばないどころか、駅に行く必要さえなくなります。後ろに並ぶ他のお客さまの心配をすることなく、自分が納得するまで旅程を吟味できるのです。

インターネットでの予約に切り替えていただくと、駅員としてもネット販売していない列車やサービスをご希望のお客さまに集中できます。より多くのお客さまを案内するためにも、ぜひインターネット予約を活用してみてください。


ライター:川里隼生

鉄道会社の駅係員として8年間、4つの駅を経験しました。コロナ禍やデジタル化を通して移り変わってきた、会社としての鉄道サービスの未来像と、お客様それぞれが求めている鉄道サービスのあり方の両方から学んだことを記事にしていきます。


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