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「パン屋に例えると…」なぜ結婚式場は“ドレス持ち込み”を嫌がるのか? 10年選手の元支配人が明かす“業界の裏側”

  • 2025.12.25
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、yukimaruです。
結婚式のクレームで多いのが『ドレスの持ち込み』問題。
式場には、自社でドレスを所有しているところや、衣装店と提携しているところなど、さまざまなタイプがあります。

また、ドレスの持ち込みが禁止の式場もあれば、持ち込み料がかかったり、特典が適用されなくなったりするなど、式場によって規則はさまざまです。

ドレスに対しての新婦様の想いをくみ取りながらも、持ち込みを阻止したいスタッフの本音を解説していきます。

『ドレスの持ち込み』って、そもそもなぜダメなの?!

ドレスの持ち込みがなぜダメなのか、まず説明しますね。

ドレスは、式場が自前で持っているか、式場が衣装店と提携を結んでいるかの2パターン。

そして、ほとんどの式場が持ち込みを基本的にNGとしていますが、昨今その規則も緩和されつつあるように感じます。

そもそも、なぜ持ち込みがNGなのか。

根本的には、式場がドレスを用意できるにもかかわらず他から持ち込むというのは、大げさに例えると、Aというパン屋さんに「Bというパン屋さんの商品を置いてくれ」と言うようなものです。

普通に考えて、Bのパン屋さんの商品が欲しいなら、B店に行きますよね?

同様に、どうしてもそのドレスが良いなら、そのドレスを扱っている式場で挙式をしましょう、ということです。

ドレス持ち込みをして欲しくないスタッフの想い

上記が大前提ですが、他にも理由はあります。

式場が自社で所有するドレスは、普段からスタッフが取り扱っているため、扱いについても万全です。

新婦様をより美しく見せるためのフィッティングができ、また、アレンジなどもできます。

また、他の衣装店などから持ち込んだ衣装は、基本的に他社の商品なので、最低限しか触れてはいけません。

そのため、ドレスがズレるなどのトラブルが起きても、式場のスタッフでは補正といった緊急対応ができません。万が一の事態が一生に一度の結婚式で起きてしまえば、新婦様に悲しい想いをさせてしまうからです。

その時だけでなく、写真としても後々残るため、結婚式当日はドレスコーディネーターと、美容スタッフがずっと新婦様の近くで見守っています。

後々まで残る思い出の写真には、最上級に美しく輝いている新婦様が写っていてほしい。そんなスタッフの想いから、ぜひとも式場のドレスを使ってほしいのです。

もちろんビジネスである以上、利益の側面は存在します。しかし、私が現場で見てきた多くのスタッフは、利益以上に『新婦様を最高に美しい姿で送り出したい』という純粋な想いを原動力にしていました。

もちろん、持ち込みドレスで素晴らしい結婚式を挙げられた方も大勢いらっしゃいます。

ただ一方で、プランナーとして「当日の着付けでトラブルが起きてしまった」「保管状態が悪くシミが見つかった」など、一部で悲しい思いをされた方を見てきたのも事実です。

だからこそ、万全の態勢で当日を迎えてほしい、という想いが強いのです。

新婦様のドレスへの夢、憧れとスタッフの想い

ここまでは、スタッフの想いをお伝えしてきましたが、それでも主役は新郎新婦様であり、その願いを叶えたいのがスタッフです。

そのため式場としては、取り扱いのないドレスなど、自社で用意できないケースを想定した何らかの解決策を、今よりももう少し柔軟に検討すべきだと個人的には思っています。

同時に、コーディネーターたちの提案力を磨き続けることも必須ですね。

ドレス持ち込み問題は、これからも無くなることはないでしょう。

しかし、ブライダル業界全体としても、少しずつ仕組みや、暗黙のルールなどを時代に合わせて変えていくべきターニングポイントなのかもしれません。


ライター:ゆきまる

大学卒業後、フリーターを経てウェディングトップの大手の会社に入社。ウエディングプランナーを10年経験し、その後、支配人を5年、エリアマネージャーとして全国の店舗の管理する活動。現在は、Webライターとして活動。ウエディングプランナーから培った「人をう気持ち」を大切に、コラム記事からSEO記事まで幅広く執筆中。


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