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「朝、担任が複数いない…」インフルエンザ流行で“綱渡り”になる学校。元教員が語る疲弊の実態

  • 2026.1.6
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。元小学校教員ライターの、みずいろ文具です。

この時期になると、学校にはある“冬の魔物”がやってきます。

そう、インフルエンザ。

子どもだけでなく、大人も容赦なく倒れていくのが怖いところです。

今回は、インフルエンザが大流行したとき、学校現場がどれほど綱渡りになるのか。

10年以上学級担任をした身として、リアルをお話しします。

「学校で流行ってる」=先生たちも危ない

インフルエンザが教室で流行すると、担任は常にウイルスと濃厚接触しているということです。

咳やくしゃみをしている子どもたちと丸一日向き合って授業をし、休み時間は子どもたちと談笑し、ときには泣いている子に寄り添い、給食も一緒に食べる。

距離を取ろうにも、そもそも仕事の性質上、難しいです。

そして、先生たちも人間。
担任自身がかかることもありますし、自分の子どもがインフルにかかって看病で休まざるを得ない先生も出てきます。

秋冬は「先生が元気で出勤できるかどうか」が、学校運営の生命線になるのです。

朝、担任がいない。しかも一人じゃない

これはインフルエンザの流行中、わりと“あるある”な光景です。

始業前。出勤してきた先生たちが青ざめて口々に言います。

「山本先生、インフルエンザだって」
「伊藤先生も、お子さんがインフルでお休みです…」

立て続けに欠勤連絡が入り、気づけば“担任が朝いないクラス”が複数。

しかし当然、8時過ぎになれば子どもたちは登校してきます。

それまでのわずかな時間、大急ぎで1日をやりすごす流れを組み立てることになります。

どんなに人がいなくても授業は待ってくれませんし、学校は止まれないのです。

総動員で1日をなんとか回す

こうなると、学年団は総動員です。

たまたま学級閉鎖になっていて、自分自身は元気で出勤している担任がいれば、担任がいない学級に入ることになります。
とはいえ、これはラッキーな場合。

基本的には学年で回せる授業(合同体育、音楽など)は学年で工夫して対応し、どうしても人が足りないところには、教務主任や保健主事などの担任外が教室に入ります。

ただ、担任外の先生にも本来の業務があります

その日にやるはずだった、会議、保護者対応、外部連絡、報告…などが、担任の補欠に入っている間にどんどん山積みになってしまうのです。

そもそも、学校はずっと人手不足

ここが本当にしんどいところなのですが、そもそもインフルエンザが流行る前から、学校は人が足りないことが多いです。

もともとギリギリの人数で回しているケースも珍しくありません。

そこにインフルエンザの大流行が来る。
「ただでさえ足りない」のに、さらに欠勤者が増える。
現場はまさに、マンパワーでしのぐ“綱渡り”になります。

工夫と気力で“何とかする”が積み重なった一日は、終わる頃には疲労困憊です。

それでも翌朝、また出勤して、また回す1日が容赦なく始まります。

余裕のある人員配置が、子どもたちを守る

インフルエンザの流行は、努力だけで防ぎきれるものではありません。
もちろん手洗い・換気・マスク・消毒・加湿などできる対策はしますが、限界があります。

だからこそ痛感するのは、「余裕のある人員配置」の必要性です。

先生が倒れたときにすぐ補える体制。
一人ひとりの子どもに十分に目が届く人数。
現場の善意と根性に頼りきらない運営。

それが結局、子どもたちの安心・安全につながります。

インフルの時期、学校は確実に限界へ近づきます。

それでも回っているのは、現場の先生たちが必死に踏ん張っているから。

「学校って大変だよね」で終わらせず、子どもたちの環境を守るために、仕組みとして支える方向へ。

そんな社会になってほしいと、今でも強く思います。



ライター:みずいろ文具

関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。


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